DonkeyMの部屋

Donkeyはロバ。格好良くなく、足も遅い。「のろま」とか「馬鹿」といった意味。日々の感動、怒り、愚痴等を記事にしたい。

アメリカに「古き良き時代」はあったのか? ~ (2)

2020-06-14 16:44:13 | 雑感
 アメリカは、大規模なプランテーションを展開し、「風と共に去りぬ」に出て来るようなお城のような邸宅に住み、大勢の召使を使って、優雅な生活を送っていた時代もあったにはあったのだが、それは極々一握りの人で、それ以外の人は、低賃金で貧しい生活を送っていたようだ。そんな中、奴隷として輸入された大勢の黒人が、白人労働者の賃金を押し下げていた。白人労働者にとって、黒人は、自分たちの生活を脅かす存在だったことだろうことは容易に想像できる。
 南北戦争後、奴隷制度は廃止されたが、黒人の境遇はそれ程大きな変化にはならなかったようだ。日本でも、士農工商にも入れない階層を設けることで、貧しい農民に、下には下がある、自分たちは最下層ではないと思わせ、不満の発散先を最下層の人たちに向けることで留飲を下げる政策がとられていた。これはアメリカについても言えることで、貧乏白人の不満の矛先を黒人に向けさせるということがあったのだろう。
 アメリカンドリームを夢みて、アメリカに流入する多くの人たち、その中で、アメリカンドリームを実現できるのは、本当に一握りの人たちだけ、多くの人たちは貧乏そのものなのだ。貧富の格差は広がるばかりだ。これはアメリカに限ったことではなく、全世界に同様の傾向が拡大しているし、日本も例外ではない。黒人に対する偏見や誤った差別は、長年に渡って、時代時代の権力者によって刷り込まれ、それがとても強固なものになったのだろう。
 アメリカンドリームは、人種を選ばない。これはまさに自由平等なのだが、それなりの教育を受けたり、才能を開花できる環境があればという前提があるのだが、チャンスを得た人たちは巨額の収入を得て、羨望の的になる。貧乏に悩む白人は、益々不満を鬱積させて、それを人種差別への意識をより強固にしているのだ。
 今回、これ程までにデモが拡大して、収拾がつかなくなっている背景には、コロナウイルス感染による死亡率の格差があるし、トランプ大統領による不適切発言や事態収拾を放棄し、却って、黒人差別を助長するような言動がある。まあ、これは人種差別の問題を根本から解消しようとする動きに発展する契機になったとように思う。中途半端な妥協ではもう納まりが着きそうもなさそうだ。
コメント
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