2018/12/15
受診したのは少し離れた街にある膠原病の専門クリニックで県内各地から患者が頼ってくる。
予約よりも早くに行ったのだが、待合室は患者がいっぱいで予約を1時間程過ぎた頃にやっと診察室に通された。
やせ型の50過ぎくらいの先生は一通りの問診を淡々と済ますと、すぐに採血と胸のレントゲン撮影に回された。
血液検査の結果が出るのはお昼休み時間になるので1時まで待合室で待つように言われた。
患者に待ってもらって昼休みはしっかり休むという潔いクリニックである。
まあ自分が望んで受診したわけなので言われたとおりに待合室でテレビを見て時間をつぶす。
1時過ぎに診察が始まった。
血液検査と画像を見た先生は、「間質性肺炎には違いないけど、膠原病マーカーは全て陰性だったのでそれが原因ではないようです。」とクールに言われ、そこで診察が終わりそうになったので、「あの、すみません、この指先の赤味とささくれは膠原病と関係はないのでしょうか?」と両手を差し出した。
先生は少し眉を動かして、徐に両手にゴム手袋を着けると私の指を何本か拡げて見て、すぐに「違いますね。」と一言。
まあ医師としては、患者の手がどういう状態かわからないので手袋も有りだと思うのだが、国立病院のH先生が素手で私の手をさすりながらじっくりと診てくれた後だったので、少し違和感を持ってしまった。
先生は最後に「今のところ膠原病の徴候はないです。残念ですが特発性肺炎ということになりますかね。」と言った。
え?・・・ 「~残念ながら~」とはどういう意味でしょうか?
膠原病じゃないなら、もう希望が無いということでしょうか?
でも、まだ原因もわからないし、どのタイプの肺炎なのかも分からないと言うのに、「残念ですが・・」は、結構堪えるんですけど・・・
と心の中で呟いた。
1日がかりの受診を終えて車に乗り込むと、「結局、心配が増えただけだったなあ・・」とため息をしてゆっくりとエンジンをかけて家路に着いたのである。