久々の更新はモデルガンのレビューです。今回はコクサイのコルトポケットを紹介します。
発売年について、ネットでは1982年と1980年の説がありますが、前作のブローニングM1910が1981年発売なのは資料で確認できており、同じ年にコクサイの製造責任者がテキサス在住のガンライターTurk氏の自宅を訪問、所有していた実銃を取材してできたのがこのコルトポケットであることから、発売年は1982年が正しいと思われます(参考:月刊Gun1982年5月号) さらに検索すると当時のGun誌掲載の広告が見つかりますね。コルトポケットは各社の小型ピストル競作の先駆けとなった製品だそうです。
仕上げはメタルフィニッシュ(メーカー曰くブルーメタルフィニッシュ)とステンレスフィニッシュの2種類がありました。箱も赤と緑に分けられており、中にキャップ火薬やオプションのサイレンサーを収めることができます。おそらく後発の廉価版であろうABSモデル(非メタルフィニッシュ)の発売時期までは調べきれませんでした。
発火方式はキャップ火薬によるストレートブローバックです。前作のブローニングのスピンジェットファイヤーカートから進化した、P.E.ピストンシスティム(原文ママ)ブローバックという名前で、説明書では「弾込めの手間が大巾短縮」「音と煙が従来の製品に比べ大巾アップ」「クリーニングの手間が今までの半分」などと謳われています。先ほどのGun誌でも、スピンジェットファイヤーがカート内にインナーピースとスピンピストンを持つのに対して、P.E.ピストンではインナーピースがなくなり、使い捨て(説明書では20発が限度と記載)のポリプロピレン製ピストンを使うといった違いがあることが解説されています。
管理人がモデルガンを集めていた20年ほど前は、コクサイのブローニングとコルトポケットはそこそこ高く(2万いかないくらい?)、当時絶版だったマルシンよりレアなイメージがありました。最近のオークションでは状態が良くても1万円ほどで買えるようです。
マルシンもそうですが、メタルフィニッシュは保管が難しく、現存するものの多くは画像のようなまだらの状態になっています。念のために書きますが、このモデルガンはスライド、フレームともプラスチックでできた合法品です(笑) ヤフオクではプラスチックのモデルガンもSPGマークを写すのが出品のルールになっていますね。
スライド、フレームは一体成型のABS樹脂。フレームは金属のシャーシが入っており、適度な重さと塊感があります。特にマガジンの作りは良いですし、小型のピストルに根強いファンがいるのも分かります。
スライドの引きはモデルガンらしいリコイルスプリングの強さが感じられます。トリガープルも重く、ストライカーがガチン!と前進する音からは、空撃ちをやっちゃいけない感じがとてもします(笑)
分解はやりづらい方で、特にブリーチブロックとストライカー、エキストラクターの組み合わせはパズルのようです...。
ウィークポイントのバレルは割れやすく、チャンバーの肉厚も薄いです。買った個体のバレルは発火済みでバキバキに割れていましたが、瞬着で補修してパーティングラインを除去。ヒケをパテ埋めし、下地シルバー→ブラック厚塗り→研磨→マットブラックを軽く吹くという工程で仕上げました。元のヨレヨレの成型をマットブラックで誤魔化しながら金属感を出したつもりです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます