・マルシン FN M1910 メタルフィニッシュモデル
この写真に至るまで何枚撮影を重ねたろうか。自然光を利用した照明の当たり具合で画面上の色が、少なくとも直感的なイメージは変わるので、見たままを表現することは剥き出しのABSやHW地に比べて難しい。
2007年末、久しく絶版であったマルシン製モデルガン、ブローニングM1910が再販。飛ぶように売れる中で当方も年明けにどうにか1丁を確保した。詳細については時間を頂きたいが、それまで随分と放置することもできないので、校正したいと思っていた過去記事に手を入れることにする。初めは、再販未定のメタルフィニッシュモデルである。
現在タナカがミッドナイトゴールドからステンレスモデル、スチールフィニッシュといったバリエーションを連発する一方、かつてハイパワーを謳い文句にしたMAXIシリーズが現行品だった時まで、マルシンからはタナカ同様に仕上げ違いのメタルフィニッシュモデルが発売されていた。正に「ガンメタル」!のような黒に近い鍍金の個体も存在したが、こちらで紹介するM1910の特にスライドは比較的ブルー寄りで珍しいのではないかと思う。黒いABSモデルと異なり、フレーム左面トリガーガード付け根のFNマークを始め、一部の刻印が省略されている意図は不明である。スライド右面の「MFG MARUSHIN」はご愛嬌。グリップスクリューを除いた金属パーツは全て黒染めされているが、本体に似合わず黒ずんでいるので腕に自信のある方へ染め直しのドレスアップを提案したい。また、バレルをシルバーに、グリップを木製に交換するお手軽カスタムもある。再販と同時に発売された木製グリップは、過去製品のBマーク入りとは異なるスムースタイプ。
滑らかな皮膜は銃のエッジを際立たせ、手触りもまるで金属の冷たい質感である。それでいてスライド上部の複雑なセレーションは誤魔化されることなく整い丁寧で、傷や汚れを不良と認めないメーカーなどという風評とは一線を画す鍍金が美しい。経年劣化で斑になってしまったり銀色の地が出てしまったりしている物も多いが、この個体は幸い劣化が見当たらない。元からこのようであるのか、月日を経た偶然の産物かは分からないが、マズル付近のイエローと以降のブルーは素晴らしく、古式のデジタルカメラでディスプレイ越しには十分に伝えられず残念である。
同社製メタルフィニッシュの一般的な色調はこのフレームに見られる妙な「ガンメタル」であり、どうひねくれても金属らしくなく個人的にあまり気に入っていない。本来使用することによって色に濃淡が加えられ「味わい」の出る素材が金属であり、染められたブルーは光の当たる角度で彩りを変えるし、例えば唯一無二の模様を成すケースハードゥンなど見事である。「ガンメタル」を実銃の姿に近づけるには、恐らく角のラインをなぞって地を出し変化をつけてやれば良いだろう。しかしながら樹脂の外観を軽減する鍍金をかけられたモデルガンは貴重であるし、あくまで玩具であることまで忘れてはならない。惜しいな、もう少しで本物みたいなのに、と思わせられたなら、それは既に鍍金に魅せられているのかもしれない。
旧型エキストラクターピン、丸型グリップスクリュー受け、青色リコイルスプリング、黒色プラバレルを備えた、発売して間もない頃の製品ではないかと考えている。資料によれば、1983年当時の価格はシルバーモデル(ニッケルフィニッシュ)と同じ6,300円、1995年で6,800円、そして2004年の公式カタログにおいては8,800円と表記されている。それぞれ物価の推移を受けてはいるが、いずれにせよコストパフォーマンスの高いモデルガンであることは間違いない。
この写真に至るまで何枚撮影を重ねたろうか。自然光を利用した照明の当たり具合で画面上の色が、少なくとも直感的なイメージは変わるので、見たままを表現することは剥き出しのABSやHW地に比べて難しい。
2007年末、久しく絶版であったマルシン製モデルガン、ブローニングM1910が再販。飛ぶように売れる中で当方も年明けにどうにか1丁を確保した。詳細については時間を頂きたいが、それまで随分と放置することもできないので、校正したいと思っていた過去記事に手を入れることにする。初めは、再販未定のメタルフィニッシュモデルである。
現在タナカがミッドナイトゴールドからステンレスモデル、スチールフィニッシュといったバリエーションを連発する一方、かつてハイパワーを謳い文句にしたMAXIシリーズが現行品だった時まで、マルシンからはタナカ同様に仕上げ違いのメタルフィニッシュモデルが発売されていた。正に「ガンメタル」!のような黒に近い鍍金の個体も存在したが、こちらで紹介するM1910の特にスライドは比較的ブルー寄りで珍しいのではないかと思う。黒いABSモデルと異なり、フレーム左面トリガーガード付け根のFNマークを始め、一部の刻印が省略されている意図は不明である。スライド右面の「MFG MARUSHIN」はご愛嬌。グリップスクリューを除いた金属パーツは全て黒染めされているが、本体に似合わず黒ずんでいるので腕に自信のある方へ染め直しのドレスアップを提案したい。また、バレルをシルバーに、グリップを木製に交換するお手軽カスタムもある。再販と同時に発売された木製グリップは、過去製品のBマーク入りとは異なるスムースタイプ。
滑らかな皮膜は銃のエッジを際立たせ、手触りもまるで金属の冷たい質感である。それでいてスライド上部の複雑なセレーションは誤魔化されることなく整い丁寧で、傷や汚れを不良と認めないメーカーなどという風評とは一線を画す鍍金が美しい。経年劣化で斑になってしまったり銀色の地が出てしまったりしている物も多いが、この個体は幸い劣化が見当たらない。元からこのようであるのか、月日を経た偶然の産物かは分からないが、マズル付近のイエローと以降のブルーは素晴らしく、古式のデジタルカメラでディスプレイ越しには十分に伝えられず残念である。
同社製メタルフィニッシュの一般的な色調はこのフレームに見られる妙な「ガンメタル」であり、どうひねくれても金属らしくなく個人的にあまり気に入っていない。本来使用することによって色に濃淡が加えられ「味わい」の出る素材が金属であり、染められたブルーは光の当たる角度で彩りを変えるし、例えば唯一無二の模様を成すケースハードゥンなど見事である。「ガンメタル」を実銃の姿に近づけるには、恐らく角のラインをなぞって地を出し変化をつけてやれば良いだろう。しかしながら樹脂の外観を軽減する鍍金をかけられたモデルガンは貴重であるし、あくまで玩具であることまで忘れてはならない。惜しいな、もう少しで本物みたいなのに、と思わせられたなら、それは既に鍍金に魅せられているのかもしれない。
旧型エキストラクターピン、丸型グリップスクリュー受け、青色リコイルスプリング、黒色プラバレルを備えた、発売して間もない頃の製品ではないかと考えている。資料によれば、1983年当時の価格はシルバーモデル(ニッケルフィニッシュ)と同じ6,300円、1995年で6,800円、そして2004年の公式カタログにおいては8,800円と表記されている。それぞれ物価の推移を受けてはいるが、いずれにせよコストパフォーマンスの高いモデルガンであることは間違いない。