邦画のシティーハンターが話題になっていますね。今回は珍しくタイムリーに(笑)、冴羽獠の銃としても有名なコルトパイソン、コクサイ末期のメガヘビーウエイト(MHW)を紹介します。
発売時期は、Youtubeで紹介されていた個体のマニュアルの日付から2013年1月頃と思われます。管理人の個体はさらに後の製造のようで、マニュアルには 16.04.10 と打ってあります。
コクサイ ウリウ で検索すると情報がヒットしますが、コクサイ(国際産業)は2003年頃に蒲田の工場火災により廃業するも、部品の製造を担当していた有限会社ウリウが金型の一部を買い取り、販売をサンプロジェクトが引き継ぎました。その後、後継者不足を理由に2018年1月末をもって製造と出荷が終了。コクサイの活動は完全に停止しました。
現在のMHWパイソンの中古相場は2万~2万5,000円ほどで、発売時の定価と変わらないくらいです。金属モデルガンがべらぼうに高いのに比べれば、プラは平和です(笑) 余談ですが、Take Fiveこと旧マルゴーのブログによれば、コクサイの金属パイソンが最後に入荷したのは2011年6月で、定価は28,500円でした。税込みかどうか分かりませんが、今から考えると超絶に安いですね。
外箱は再生紙のような上蓋に大きくMHWと印刷されたシンプルなデザインです。スチロール箱は6インチまで共通なので、銃身が短いとスペースが余ってしまいます。付属品は発火カート6発、マニュアル、真鍮製のセッティングロッド(カートにキャップ火薬を詰めるためのローダー)です。
本体を見ていきます。売りのMHWフレームの色は真っ黒ではなく、鉛筆の芯のようなグレーです。同じコクサイのメガではないヘビーウエイトや、MGCのスーパーリアルヘビーウエイト(SRHW)よりは、マルシンのエクセレントヘビーウエイト(EXHW)に近い見た目です。磁石を近づけると、バチッとくっつくのが凄いですね。磁石は金属のサイドプレートやトリガーには反応しないので、ちょっと違和感があります(笑)
重さについては、公称値800グラムに対して、実測値は何と687グラム!!(涙) カートを6発込めてやっと810グラムになりました。明記されていませんが、公称値はおそらくカート込みなのでしょう。純正のグリップは片側70グラムと重いうえ、55グラムあるグリップウエイトを合わせると箱出しではかなりのグリップヘビーです。グリップウエイトは簡単に外れるので、いっそ外したほうが持った時のバランスは良くなります。
金属パーツの仕上げは、フロントサイトとリアサイト、エジェクターとエジェクターロッドがそれぞれ黒染め。ヨーク、サムピース(シリンダーラッチ)、サイドプレート、トリガー、ハンマーはぼてっとしためっき調の黒で、MHW樹脂のフレームとの差が目立ちます。マニュアルでは「パーティングラインがすべて消えた」と謳っていますが、トリガーガード裏にリューターのビットを当てたような跡が残っているのはいただけません。
一方、フレームトップは反射防止のシボ加工を再現しており、マズルに環状のツールマークを残すなど、芸の細かさは評価できます。エッジが立ち過ぎないフレームのラインと、丸棒をストンと切り落としたような平面のシリンダーボアを両立しているのも、ヒケの少ないMHW樹脂の恩恵と言えるでしょう。
作動については、マニュアルに「空撃ち禁止!」とくどいくらいに書かれていますが(苦笑)、シングル・ダブルアクションとも動きはスムーズです。トリガープルはむしろ軽すぎるくらいで、フレームを守るためにばねのテンションを落としているのかとさえ思います。M19であれば昔はガスガンも金属も持っていましたが、明らかにこのパイソンのほうが軽いですし、同じパイソンならマルイの造るモデルガンのほうが遥かに重く感じます。
発火については、付属のローダーを使って7mmのキャップ火薬をカートにセットします。カートリッジは旧のコクサイ製品に比べてリアルサイズに近づき、薬莢長は実弾の33ミリに迫る29ミリを実現(カート全長は36ミリ!) シリンダーインサートも安全を確保できる範囲で小さくなりました。カート底面には W-W SUPER .357 MAGNUM の刻印があります。
やはりフラッグシップの金属パイソンか、黒が良ければタナカを推しますが、少し変わった選択肢としてはMHWもアリだと思います。