光のみちしるべ ~愛だけが現実~

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でぇ、どうするん?(胸騒ぎの認知症ケア)送迎編④

2018年01月23日 21時58分21秒 | でぇ、どうするん?~胸騒ぎの認知症ケア~

 

帰りの送迎のとき、それは起こりました。


無事、一日のデイサービスが終わって、

坂上さんの自宅の前に送迎車が到着しました。


私はすぐに運転席から降りて、

左のドアを開けました。


「坂上さん、お家に着きましたよ」


坂上さんは奥様の顔を見るやいなや


すぐに車から降りられました。


あとはまっすぐに玄関に入って行かれるのを見届けるだけです。


ですが、添乗していたスタッフが、


ここで坂上さんに声をかけてしまいました。


「坂上さん、今日はどうもありがとうございました」


坂上さんはうしろを振り返るやいなや


すぐに車に乗ろうとされました。


私はまだ3人の方々を送らなければなりませんでしたので、


ここで再び坂上さんを乗せるわけには行きませんでした。


ドアの前で右腕を伸ばして制止したので、


坂上さんは途端に怒り出し、


ガブっと、私の右腕(肩の下あたり)を


思いっきり噛みついてこられました。


「きゃ~~~!」


と奥様がとても驚いて叫び声をあげました。


私は冷静さを保ちつつ、


すぐ右腕に力をこめました。


すると坂上さんは腕を噛まれなくなって、


口を離してよたよたしながら家に入って行かれました。


私の右腕には出血はなかったものの


噛みついた歯形がくっきりと残っていました。


「大丈夫ですか。ごめんなさい。ごめんなさい」


と奥様は何度も私に謝られました。


「これぐらいのこと大丈夫です」


と言ってすぐに次の方のところへ車を走らせました。


全員が降りた後の帰り道、


スタッフに先ほどの坂上さんの降車のことを説明しました。


「坂上さんは送迎車を降りて奥さんと会った時点で、

 もう車に乗っていたことを覚えていません。

 だから後ろを振り向いたときは、

 迎えに来てくれた車だと思ったのです。

 だから乗り込もうとし、

 それを阻止されてしまったので、

 怒って噛みついたのです。

 つまり声をかけるタイミングではなかったということ。

 お礼を言うタイミングは降りる前の車内で言って、

 降りたらもう声はかけないで、

 奥さんと一緒に玄関に入るのを

 静かに見守るだけでいいのです。

 静か見守るのも大切なケアのひとつです」


 腕の歯形は数日後には消えました。


 次は玄関の柱にしがみついて、

 「絶対行かない!」

 と言っている人

を送迎車に乗っていただいたお話です。