ED型電機が定期貨物列車を牽引する姿は全国どこの私鉄でも見られたのですが、気がつけば壊滅状態となっていました。それだけに岳南鉄道の貨物列車は貴重なのです。 10,03,05 岳南原田
現在の職場で唯一メアドを交換して日頃から情報交換している同僚から岳南鉄道がJR貨物より貨物連絡運輸休止の通告を受けたらしいとのメールをもらいました。そのメールの根拠となったのは富士市を中心とした地方紙である富士ニュース新聞の6月17日付の目立たないベタ記事だった様です。その記事の要約は
岳南鉄道は今年1月にJR貨物より連絡運輸含貨物輸送休止の通告を受けた。これに対し岳南鉄道労組より陳情を受けた6月の富士定例会では「休止通告の撤回を求める要請」をJR貨物に対して行う。
と言う記事でした。同僚はこのメールの中で”実際に休止撤回は難しいようです。多分、来年(もっと早まるかもしれませんが)ワムハチ全廃時を目途には、貨物輸送は廃止ですね。現行ある線内発送のコンテナはトラックで富士駅まで運べばいい話ですから…”と付け加えていました。
このメールをもらって正直、驚きと言うより来るべき日が来たなぁ!と言うのが率直な感想でした。その理由としては昨年、西武鉄道E31が余剰になったときに一番欲しがるであろうと予想していた岳南鉄道が何の動きも見せず、意図も簡単に意外にも復数の電機を保有している大井川鉄道に売却された時点で岳南鉄道は貨物輸送の将来を考えていないのでは?と察しられたからです。少なくとも旧丸子鉄道のE501号機の置き換えを真剣に考えなくてはならないはずなのにまったく動きがない事が不安になっていたのですが、やはり私の予感が的中してしまった形になった様です。
JR貨物としては沼津・富士各駅のコンテナ扱いを沼津駅再開発に伴って沼津ー片浜間に完成予定の新貨物ターミナルに集約したい方向だと聞いています。岳南鉄道との連絡運輸の休止もその集約化の一環と受け取ると納得が出来てしまいます。
また、吉原駅を管轄するJR東海としても、岳南鉄道との連絡運輸がなければ運転要員の配置が不要となり営業社員のみの配置で済み、更には業務の見直しを進めて吉原駅の窓口の委託化を可能とするか否かにしても連絡運輸の休止(廃止)が鍵となると言って過言ではないと思われます。
なお連絡運輸休止の時期は同僚もメールで触れていましたがワムハチの撤退、コンテナ化にあわせて休止となる可能性が大きいと考えられますが、実はワムハチの淘汰とそれに伴うコンテナ化の話は遅れに遅れていて(最初のコンテナ化は10年春頃が、それが11春に変更になり現在に至っています。)現在は来春が濃厚と言う事になっています。岳南鉄道連絡運輸休止もこれに合わすでしょうから岳南鉄道貨物列車が見られなくなるのはは来春となるのではないでしょうか?
岳南鉄道の電機といえばED501を忘れてはいけません。昭和初期の製造で専ら入換専門とは言え、現役というのはご立派! 11,03,08 岳南鉄道比奈 ED501号機
今回の連絡運輸の休止は私鉄側(岳南鉄道側)からではなく、また荷主(この場合では日本製紙)が貨物輸送を廃止すると言うのでもなく、JR貨物側からの連絡運輸を通告したことに大きな意味合いがあると思われます。それは84年2月(昭和59年2月)のダイヤ改正に伴う貨物大合理化で沢山の中小私鉄が当時の国鉄から突きつけられた現実と同じだからです。59,2改正でやむなく貨物輸送廃止し、貨物収入がなくなり経営が厳しくなったいくつかの中小私鉄が辿った道のりを思い返すと岳南鉄道の将来を危惧しないわけにはいられません。
現在、貨車の突放作業が見れるのは岳南鉄道の比奈駅と岳南原田駅のみの様です。その中でもコキの突放作業は国鉄時代も含めて、私はここでしか見たことがありません。 10,03,05 岳南比奈
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