「赤ちゃん大学」の講座をしたいと考えたキッカケは、最近の現場からだった。子育て中の母親の相談が、このままほって置けないと、察したからだ。
多くの母親がマンションの個室に母子家庭状態で、些細なことが原因で、ストレス溜まって、怒鳴っている自分に悩んでいた。
子どもが自分の思い通りに動かないことで、少々パニクッて、虐待をしてしまう若い母親にたびたび遭遇した。
それも、子どものような若い母親は遊べない不満からだったが、高学歴の母親にも仕事を諦め、キャリアを捨てて子育てしているガマンの不満から、子どもに当たり始めたら止まらなくなる事がたびたび見受けられた。
しかも、個室での出来事で、振り上げた手を止める人もいない。気をつかう同居人もいない。
ある時、我に返ってびっくりして抱きしめるが、もうしてしまったことは消せない。子どもの心に傷をつけてしまう。そんな自分に反省し涙を流す事例があったからだった。
また、昔そんな母親に育てられて大きくなった娘が、親に感謝すらせず、今では娘が産んだ孫を親に抱かせてやりたくもないと、親の協力を望みもしない事例に何度か遭遇したことがあった。
悲しい。
前者の傷ついた子どもは大きくなって嫌いな親の世話をしたくないというし、嫌いだった親は子供より自分やその時の事情や情事が第一で、おかしな家族関係になっていたりしたことが多い。
介護のプロからもよく聞く事例だった。
親子が仲良しではないのだ。
どうしたら、仲良くなって介護をしたいと思えるのだろうか?
介護を他人に任せていく風潮が・・・。
変・変・おかしいと感じなければこの日本は崩壊してしまうような気がする。同時に、気軽に保育所やお手伝いさんを使える社会になれば、母親の気が楽になるかも・・・と、私の心は揺れる。
「赤ちゃん大学」で学校に通った雰囲気で仲間と時間を共有し、
「赤ちゃん大学」で我が子を愛おしいと感じ、
「赤ちゃん大学」で子どもを慈しみの目で見て、
子どもの成長に驚き、初心に戻って赤ちゃんの仕草から見習って「自分磨き」を始めることが大事と思った。
幼児への早期教育はあまり効果は薄いだろう。
幼児に詰め込んで学ばせるのではなく、反対に
母親が赤ちゃんから学ぶ姿勢が必要だと思い、
「新しい自分発見」にぴったりだと考えたからだった。
人間は雑多な育児書の漢字(かんじ)で考える前に、赤ちゃんから感じ(かんじ)なければいけないと思った。
果たして、今頃受講者たちはどんな生活をしているのだろうか?
親子仲良く過ごしているのだろうか?
寒さを乗り切ってくれているだろうか?
心から幸せを願っている。
TTT