(紅葉がだいぶ進みました)
「・・・死んでしまうなら、今やってることは
無駄なんじゃないかって思っちゃって・・」
患者さんが打ち明けてくれました。
そして、
思い出したことがありました。
かつて勤務していた緩和ケア病棟で
私が勤務を始めるより前にお亡くなりになった
10代の患者さんの話を
当時、ケアにあたった看護師さんが
何度か話してくれました。
脳腫瘍で、
麻痺や頭痛の出現をみながらも
意識がある限り、
ずっと、受験勉強を続けていたのだそうです。
2月の受験のころまで
命があることは難しいと分かっていても、
病気があっても、なくても、
自分はこうしていたいと思うこと
-その患者さんにとっては、受験勉強を続けることに
ひたむきだったと。
受験ができないなら勉強は無駄か・・
先の見通しのために生きるのではなく
ただ、今を普通に生き続けようとする姿に、
関わった人々は、皆勇気づけられ、
生きる意味を考えたといいます。
(つづきます)