緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

濃厚接触者の定義とは。自宅待機にならないために知っておきたいこと

2020年08月02日 | 医療
(写真は、昨年の8月に行った佐賀県武雄市の図書館。
 建物も壁の本棚も柔らかくカーブしています。
 本当に素敵な所でした。旅に出たいですね・・今は我慢だけど・・)

新型コロナ感染症で
濃厚接触者という言葉はよく使われますが、
この定義を知ると、
どのように気を付ければよいか見えてきます。



濃厚接触者とは、

 1)患者(PCR陽性となった人)と
  1メートル以内の距離で、
  必要な感染予防策(マスクなど)なしで
  15分以上接触があった人 

 2)患者と同居、
  あるいは長時間の接触(車内・航空機など)があった人

(国立感染症研究所「積極的疫学調査実施要領」)





私の病院でもこの定義を用いて感染予防対策を行っています。



人と会うときは、
自分も相手もマスクをしていることは必須。
その上で、1m以上離れて、
15分以内の接触であれば、
濃厚ではない。


つまり・・

何か用事があるときは、
「互いにマスクをして、
1m以上距離をとって
 15分以内に切り上げる。」


これをしっかり守れば、
偶然一緒だった人が陽性であったとしても
濃厚接触者にはならないのです。

したがって、
PCR検査結果がわかるまで自宅待機することを
回避
できます。






その他、飛沫感染のリスクがあるときは、
目の粘膜を覆っていることが必要になります。

つまり・・
咳嗽(咳)をしている人の咳を浴びてしまったときは、
フェイスシールドとサージカルマスクをしていれば
濃厚接触者として自宅待機にはならないことになります。

ですから、
咳をしている人であるかどうかは
事前に情報を得ておくことも重要です。





マスクをしていない場合は、
常に感染するリスクを負っている人とみなされるため
マスクをしていない人とは一緒にいてはいけないことになります。

マスクがどこまで予防できるかといった議論とはこのことは別のことで、
社会の中の現時点のコロナ感染の手順(方針)がこのようになっているため、
自宅待機を求められるのはどのような場面かを知っておけば、
仕事に穴を開けたり、何より体の心配を少しでも減らすことができるわけです。

(なお、マスクは医学論文でも有用性は報告されています。)




国が何か指示をしたり、
政策アクションをどのようにしていくかといったことは待たないで、
自分を守るためにも、

マスクを正しくしていない人からは離れること、
(電車などで立つ位置を考えるときには見渡して)

マスクをしている人と会う時も
1m開けて
15分以内を目安にすること


自分を守って、今を乗り越えていきましょう。

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6 コメント

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眼からの飛沫感染対策に (舶匝(@online_checker))
2020-08-02 21:06:37
「目に汗の入らない構造のメガネ」(白内障手術受けた方が着用するように、と眼科医から勧められるもの)では、不十分なのでしょうか。

あの手のメガネは、小売店にはそれなりにあるので、もし十分ならば、選択肢は広がるでしょう。
(ただ、あの手のメガネを掛けている人が誰も彼も「やしきたかじん」さんかのように見えてしまうので、当方は苦手で……)
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Unknown (1day1smile)
2020-08-03 15:21:56
佐賀県武雄市の図書館!素敵ですね!佐賀のお友達にいつか連れて行ってもらいたいです。
濃厚接触の定義!覚えておきます。
返信する
舶匝さん (aruga)
2020-08-03 18:17:42
眼鏡の中でも上に厚みがあってサイドがカバーされているような形のものかと思います。
100%とはいかなくても、ある程度の防御になると思います。
私も花粉症用の眼鏡をいざというときに使えるようにバックに入れて出かけることもあります。

多くの方の参考になるコメント、本当にありがとうございました。
返信する
1day1smileさん (aruga)
2020-08-03 18:22:28
素敵でしょう~!!
佐賀にご友人がいらっしゃるんですね。
ほっとするコメント、ありがとうございました!!
返信する
Unknown (chorus-kaze)
2020-08-04 11:23:57
こんにちは😃

濃厚接触の定義がよくわかりました。
武雄市といえば、主人が定年間近のころ
佐賀に単身赴任で、武雄市の「東洋館」という
宮本武蔵ゆかりの旅館に宿泊しました。
旅館に飾っている調度品が
高級なコレクションと言った感じで
また行ってみたい静かで落ち着いた温泉街でした。
返信する
chorus-kazeさん (aruga)
2020-08-11 14:14:53
コメント、ありがとうございます。

武雄市の思い出をここにシェアして下さり、本当にありがとうございます。
佐賀県は、旅行を考える時、あまり候補に上がらない県だったのですが、私が知らないだけで。実は深く見どころがある県だったのだなあといまさらながら知ることができました。
ありがとうございました。
(返信まで時間がかかり申し訳ありませんでした)
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