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「味がちょっと違うんですよ」
表現が難しい様子でした。
消化器癌で、薬物治療の中でも化学療法を受けられていた患者さんでした。
消化器癌で、薬物治療の中でも化学療法を受けられていた患者さんでした。
このところ食が細くなったようでした。
Lawson YamazakiによるPixabayからの画像
味覚異常・・
<原因>
食事量が少なくなった時の代表的なものは亜鉛欠乏
<検査>
採血で亜鉛測定
<治療>
〇薬物治療:亜鉛が著明に低下していれば、
・亜鉛製剤で補充
25㎎(亜鉛含有約80mg)
または
50㎎(同160㎎)
50㎎(同160㎎)
いずれかを朝夕1錠ずつ
・抗潰瘍治療薬の(一般名)ポラプレジンク
亜鉛が含まれています(亜鉛含有約17㎎)
亜鉛製剤の約1/10
〇非薬物治療:
食品では、牡蠣(14㎎/100ℊ 牡蠣6~7個位)
豚肉、牛肉(200ℊで亜鉛10ℊ程度)にも多く、レバーにも含まれています。
含有量は多くはありませんが、摂取しやすいものとして、きな粉もよくお勧めします。牛乳に溶かすと中々美味しいものです。
きな粉は大豆ですが、その他、アーモンド、ピーナッツ、くるみ、胡麻、ヒマワリの種なども含有しています。
<亜鉛不足による症状>
味覚異常、貧血、食欲不振、皮膚炎、生殖機能の低下、慢性下痢、脱毛、免疫力低下、低アルブミン血症、神経感覚障害、認知機能障害など
つまり、神経の障害が末梢におきると感覚異常(味覚も感覚)、中枢でおきると認知機能低下などの原因になるのです。
<亜鉛を減少させる原因>
・摂取不足
・加工食品:亜鉛を腸で吸収させることを阻害
・アルコール:(尿や便からの)排泄を促進
今回の患者さんはがんの治療による影響でしたが、
すべての人に亜鉛欠乏は生じます。
食事が細くなったり、偏ると亜鉛は不足しがちになります。
最近では、カップ麺ばかり食べるなどしていると、若い人たちでも起こります。
例えば、飲酒される方はつまみにナッツを食べるなどは理にかなっているわけです。
<亜鉛のサプリメントの過剰摂取>
食事は問題ありませんが、サプリメントなどを過剰に摂取し続けると、
前立腺肥大リスクの増加の可能性、銅の吸収阻害による銅欠乏、吐き気、嘔吐腎障害、免疫障害、上腹部痛、消化管過敏症、HDLコレステロールの低下、低銅血症、下痢などのおそれがあると報告されています。
前立腺肥大リスクの増加の可能性、銅の吸収阻害による銅欠乏、吐き気、嘔吐腎障害、免疫障害、上腹部痛、消化管過敏症、HDLコレステロールの低下、低銅血症、下痢などのおそれがあると報告されています。
冒頭の患者さん・・
症状が強いようでしたので、採血し、亜鉛の補充を開始しました。
「美味しく食べられる」って、本当に大切なことです。
味覚が戻ってくれるとよいのですが・・・
最近はナッツ類などを口にしていませんので、積極的に取り入れたいと思います。
コメント、感謝です!
取り入れてみよう・・tangoさんの柔らかさいいなあ。
見習います!!
aruga