緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

患者さんを一番支えたのは、オイスター先生(2)

2008年09月17日 | 医療

彼女が夏休みをとっていた時、
私がベッドサイドに行くと

「よくやってくれて・・ 
 キチンとaruga先生に報告して、
 一緒に考えていますからって言ってくれます。 
 
そんなことまで言わなくていいのに
 って事まで伝えますって。」
と、患者さん。


内科学で有名なオスラー先生は、
「自分が苦手な、行きたくない
 と思う患者のドアからノックしなさい」
とおっしゃいました。 

足が遠のいてしまう患者さんは、正直、やはりいらっしゃいます。 
人対人ですから、相性もあります。

オイスター先生は涙が出る程きつい感情をぶつけられても、
毎日毎日足を運びました。 

本当に、本当に偉いと思いました。



その後、その患者さんは、
がん治療が進み
医療用麻薬を止めることができました。

一番つらかった時、一番の支えは、
オイスター先生だったのだと思います。


今、オイスター先生は、
遠い病院で、産婦人科の医師として活躍しています。

どんなに素敵な医師になっていらっしゃることかなあと思います。
いつか、どこかでお目にかかれる日を
心から楽しみにしています。


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15 コメント

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同感です! (atusato)
2006-09-23 19:04:11
私たちも人間ですので、合う合わないがあります。苦手とする患者もいます。でも、私のモットーは、「苦手な人ほど多く行く」ということで、後輩にもずっと言い続けてきました。何度も行っているとその人のいいところも見えてきますし、なんであたったりするのかもわかってきます。向こうにもこちらのことが理解してもらえるようにもなります。そうこうしているうちに、割と関係ができてくるんですよね~。今まで、自論だと思っていましたが、そうじゃないことがわかってうれしいです!自分が手探りでやってきたことが間違いじゃなくてよかった~
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素晴らしいですね (aruga)
2006-09-23 20:52:03
atusatoさんも、本当にすばらしい医療人だと思います。患者さんを見捨てない、最期まで寄り添える方こそ緩和ケアに求められる要素なんだと思います。atusatoさんと一緒に働いている方は、そんな先輩を持って本当に幸せですね。
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その昔・・・ (さチキン)
2006-09-23 21:05:28
今となってはだいぶ前となってしまった学生時代。。。3年生最後の実習では実践の中で処置やケアが重なったときの優先度を考える目的でふたり患者さんを受け持ってその方たちの看護計画を考えました。その受け持たせていただいた患者さんふたりのうちひとりの方とあまり合わなかったんです。私は苦手な患者さんのケアを他のスタッフにお願いすると言ったところ、怖い学校の先生に「あなたなんでその方のケアをお願いするの?患者さんにとって体拭いたり気持ちがいいって感じていただけることを自分からしたら心が通い合うきっかけになるじゃない。」と教えていただいたのを思い出しました。

みんな病気になると辛くて怖いから気持ちをうまく表出できないんですね。

私はその患者さんはオイスター先生だから自分の素直な気持ちをぶつけてくれたんだと思います!その患者さん絶対にオイスター先生のことが好きなんだと思います。
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さチキンにもそんな過去が・・ (aruga)
2006-09-23 21:27:07
さチキンも逃げないよね。頑丈な壁であればあるほど、ぶつかっていくものね。本当に凄いと思う・・

普通の生活で、あっあの人に嫌われちゃったと思ったら、別に無理しなくてもいいやって離れていくと思うのだけれど、医療人だよね・・
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こんばんは (runmaru)
2006-09-23 22:57:36
日々ブログを読むことが日課となっています。今日の内容は、私自身もとっても気になっていることでして、思わず投稿しました。

私は薬剤師として、病棟の服薬指導に関わっていますが、やはり患者さんの反応によってはいけないことですが、つい足が遠のいてしまうことがあります。また、ずっと病棟で業務ができる環境ではないため他のことで忙しいことを理由にしていることもありました。

先日、個室の方の所に伺ったら、ちょうど主治医とご家族とご本人がいるところに同席する機会がありました。私にとってはとても有難い機会でした。ご本人の今まで見たことないような表情をみて、何かもっと行動を起こさねば・・・とその時強く感じました。

その何か・・・はまだ模索中ですが・・。

ご本人にお会いして得る情報を増やしていこうと思います。



ポケットリファレンスがん疼痛緩和買いました。一つ質問です。ブプレノルフィンとのことは書いてありますが、ペンタゾシンとモルヒネの関係はいかがでしょうか?ブプレノルフィンほどペンタゾシンはμ受容体への親和性は高くないですが、先生のお考えをお聞かせください。                                                       
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ありがとうございます (atusato)
2006-09-23 23:36:19
痛みが苦痛がなかなかコントロールできない人のそばにいる時(特にに夜勤なんかで)も、いつも、「今この人と一緒にいる心の強さがほしい」と思います。先生の一言で少し強くなれると思います。
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runmaruさん ご無沙汰!! (aruga)
2006-09-24 11:35:39
runmaruさん

薬学部が6年生になり臨床が導入されますね。ベットサイドで患者さんと接したり、医療チームに深く入っていくことが求められるようになって来ました。熱い思いをもっているrunmaruさん、同志ですね!



ペンタゾシンですが、モルヒネの部分的拮抗薬ですので、部分的な打消しを生じる可能性があります。ブプレノルフィンは、部分的拮抗以上に競合部位の親和度が高く、モルヒネの押し出しのほうが問題になりますが、ペンタゾシンは拮抗の方が問題になります。大学にいた時、DI室で調べてもらったら、モヒ:ぺンタゾシンを1:3~10で換算してほしいというコメントでした。某大学麻酔科の医師は1:2で計算していると言っていました。この差の大きさが拮抗していることと関係がありそうです。有効限界があり、いずれ他のオピオイドに切り替えなくてはならないことと、精神的陶酔感をもたらせ易いことから、がん性疼痛にはペンタゾシンは用いません。切り替える時は、やや多め、レスキュー無制限にし、拮抗がはずれたころには逆にモヒ量を少なくし、切り替え当初の拮抗で両者の血中濃度が下がり激痛を生じることを回避するようにしていかなければなりません。外来では避けたい切り替えです。(あえて、ローテーションとは言わないでおきます)
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atusatoさん (aruga)
2006-09-24 11:38:59
痛みが取れないと、自分の力量不足を責められているような気持ちになることがありますよね。
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早々のお返事 (runmaru)
2006-09-25 23:17:56
ありがとうございました。

自分ではこんなに速くたくさんの情報を得られない所を、先生に答えていただき感謝しています。ペンタゾシンが先生の緩和の本のローテーションに入っていない所以を知ることができました。本の著者の方に、ブログを通じてダイレクトに質問して個別に丁寧なお返事をいただいていること、、、よーく考えるとなんとすごいことなんだろうと感じました。ありがとうございます。
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Unknown (趣味 ARTGALLERY)
2008-09-18 08:30:54
はじめまして
癌とは痛みとの闘いと聞いた事がありますが
患者さんの痛みが緩和されたらどんなにいいか
私とていつなるかわからないので他人事ではない
と感じました。
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