緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

チームとは、積み木のジャンガに似ています

2017年11月05日 | 医療

チーム医療って、ジャンガみたいだな・・と
良く思います。

写真は、ジャンガ)


全体があって、その中に、
一本、一本積み木が組み込まれていて
それぞれが、全体のバランスを取るための
役割があって、もちろん、
一本抜いたからと言って、
すぐに崩れてしまうわけではないけれど、
脆弱になり、風が吹けば、
崩れ落ちてしまうようになってしまう・・

 


でも、上手くバランスを取ることができれば、

こんなことも・・・


引用元

こんなことも・・・


引用元

さらに、こんなのも・・・


引用元

できる!


チームにとって、
建設的であって欲しい・・・





べき論(~すべき)も大切だけど、
それが、ビルトアップのどんな意味をもたらすかを
考えながら、アクションを起こさないと、
ただの壊し屋さんになってしまう・・・

どう収束させればよいかまで、
提案できるようでなければ、
ブンブン振り回して、大騒ぎをして、
それで終わってしまう・・・








今なお、様々な場面でサポートしてくださっている
大学時代の恩師がいます。

ご専門は病院経営学。

今から30年以上前にこのテーマを
専門にしていた方は
他に聞いたことがありません。




その先生がおっしゃいました。

病院経営とは、
収支だと思われがちだけど、
そうではない。

組織目標の達成こそが目指すところである。

組織目標-つまり、ビジョンを立て、
それを実現するために、
その為に、
一人一人が組織の中の立ち位置を見出し、
どのように活動をしていくか
それを追及することが
自分の学問である。

と・・・




当時、経営のアウトカムは
黒字にすることだと
思い込んでいた私には、
目から鱗が落ちる思いでした。






まさに、これがチームの根底にあります。

組織の規模が異なり、小さな組織の集合体が
病院といった大きなものになるわけで、
小さくても、組織には、ビジョンが必要で、
それを目指して、
個々がミッションを遂行していくわけです。

こんな形のジャンガにするには、
どのように積み重ねればよいか、
自分はどこで、どのように支えれば、
役に立つことができ、
その構造を支えることができるのか。

問題指摘だけをして、
誰が悪いとか、
何をしてはいけないとか、
そこに終始するのは、
ジャンガを崩してしまうだけになってしまいます。

その位置をもう少し、
こう、ずらしてみると
下の人達が楽になるとか、
バランス上、そこはない方が
より、よく構築することができるとか、
そんな、提案があれば、
よりタフな組織に成長することができます。

ですから、破壊したり、
単なる、大騒ぎは望ましくないものです。




集合体から、機能する集団、
多職種チームという言葉も
機能レベルは高くはなく、
目指すところは、
学際的チーム(Interdisciplinary Team)です。

そんな風にチームを活動ができるといいなあと思います。




今月は、大学3年生の学際的チーム医療論で、
学生に、シナリオを作成し、医療チーム劇を
作ってもらうことを目標に、12チームを編成し
取り組んでもらいます。

ビルトアップすることを
実感してくれるといいのですが・・


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2 コメント

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質問 (るぶ)
2017-11-14 15:23:20
緩和ケアの医師として働いてきた中で、緩和ケアに携わりたいという薬剤師の方の存在や、実際に活躍されている薬剤師の方の中で、もしよろしければ、先生の中で一番、印象に残っている薬剤師さんがいれば教えて頂けると助かります。そして、これから薬剤師の方に緩和ケアの医師として求めていることなどがあれば、是非ともお聞きしたいと思います。

私は昔といっても一昨年に、在宅医として、多くの患者さんの看取りをしてきた小澤竹俊先生の講演に行ったことがありました。そのときに、患者さんの心に寄り添う意味の本質をようやく理解できたと思っています。

薬剤師が在宅医療に参画するように言われていてもどういう方向性で参画すればいいのかわからないと当時
思っていたのでその講演を聞き、在宅において本当に家族や患者さんの心の声に耳を傾けることが大事なんだと感じました。

質問から逸脱しましたが、できれば現場の医師という立場から薬剤師に求めていることがあれば、教えて頂きたいと思います。では。
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るぶさん (aruga)
2017-11-19 17:43:47
私がこうあってほしいと感じている薬剤師さんは、その専門性をきちんと身につけていて、それをチーム医療に還元できる方です。もちろん、そのために、患者さんの服薬コンプライアンスが低下する原因を探索できるとか、チームメンバーとコミュニケーションできるとかもありますが、医師ではなく、看護師ではなく、臨床心理士でもなく、薬剤師としてのプロであることです。東京都病院薬剤師会の中で、緩和医療の勉強会を長く継続している方々がいらっしゃいます。そこでファシリテートされている方々は、本当に優秀でいらっしゃいますよ。
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