μ受容体は中枢に主に存在しますが、
末梢にもあります。
腸管にもあり、それを利用して、
末梢型μ受容体拮抗薬が
オピオイド便秘に対し、
開発されています。
ナルデメジン
http://www.shionogi.co.jp/company/news/2015/qdv9fu000000o3vi-att/150330.pdf
医療用麻薬であるオピオイドは
とにかく、便秘は高頻度
ほぼ、100%です。
つまり、必発です。
現在は、軟便化と大腸刺激の2種類の下剤を組み合わせて、
オピオイドが増量になると、
下剤も増量し、タイトレーションが必要になるため、
ちょうどよい量を見つけることが難しく、
下痢をしてしまうと、患者さんはてきめんに
内服を躊躇されるようになったり、
尊厳を失ったような気持ちになってしまわれたり、
あと、疲労感を感じられたり(多分、交感神経刺激のため)
とても難しいのですが、
ナルデメジンの機序を考えると
腸管の受容体をブロックしてしまう薬剤ですから、
受容体の数は、そうそう増えませんので、
オピオイドの量が増えても、
たぶん、下剤の量は増やさず一定でいけるはず・・
先日の褥瘡学会のシンポジウムで
久しぶりにお目にかかった薬学の大家の先生からも
そのような話をお伺いし、
この薬が世の中にでれば、
オピオイドの便秘のコントロール方法は、
一変してしまうだろうと思いました。
世界中のガイドラインが書き換わることになるのでしょうか・・
それとも、この薬剤に従来型の下剤の併用も必要なこともあるのでしょうか。
発売後の長期投与報告事例などにも注目していきたい薬剤です。