緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

ジェンダー・ギャップ

2014年06月23日 | 社会時事



ジェンダー・ギャップ指数ランキングってご存知でしょうか。
World Economic Forum
2013年10月25日発表した
The Global Gap Report 2013

以下の4分野で男女格差を測定しています。
1.経済活動の参加と機会
2.教育
3.健康と寿命
4.政治への関与(意思決定機関への参画)

2.3.は日本は高い評価にもかかわらず、
世界ランキングは105位

上位は、北欧、ヨーロッパ、北南米、アフリカなどが入り、
アジアの一位はフィリピンで、世界では5位、
136か国中、105位の日本は、カンボジアの次。
このレポートを見た男性から、
「日本は、イスラム圏の国の前に位置しているような印象を持ちました。」





6月18日の都議会のことで、
こんな記事が朝日アピタルに掲載されています。

「自分が早く結婚すればいい」「産めないのか」。18日の都議会で、妊娠、出産、不妊に悩む女性への支援の必要性を訴えた女性都議に対し、議場からこんなヤジが飛び、所属会派が抗議する騒ぎになった。ヤジを受けたのはみんなの塩村文夏氏(35)。塩村氏は涙ながらに質問を続けた。ヤジは自民都議らが座る一角から上がっていた。終了後、みんなの両角穣幹事長が、自民の吉原修幹事長に抗議した。

http://apital.asahi.com/article/news/2014061900004.html



今日、この議員さんは名乗り出られたそうです。

でも、議会の最中、多くの方が笑い、
都知事も笑い、議長が制することもなかったと言います。


これが、潜在的な日本人の本音。
言いすぎかなと思いつつも、
まあ、そんなジョークが口に出ることも
あるだろうと思っている人。
こんなことで目くじら立てる方が信じられないなどという人。
(女性も含めてです)

日本人の根底にこれを変だと感じない
ジェンダー・ギャップがあるではないでしょうか。



このレポートの結果は、
今の日本をよく示しています。

CNNで取り上げられ、
安部政権に対する海外からの批判もあり、
初めて、目が覚めたように、
国内ニュースで取り上げられたように感じます。



世界経済フォーラムの創設者兼会長のクラウス・シュワブ氏、
「どの国も、どのようにして女性がリーダーとしての役割を果たすかということなど、人的資本に対して全く異なる見方をしていく必要があります。
しかし、固定観念と慣習を変えていくことは将来の目標などではなく、現在の責務なのです」

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2 コメント

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はじめまして (雨雲)
2014-06-30 22:52:41
偶然このブログにぶつかったのは3年程前のことでした
ホスピスという言葉は知っていましたが 緩和ケアという言葉は 初めて知ったと思います
20年ほど前、母が直腸のガンになりましたが 幸い手術で完治し ガンに対する恐怖のようなものは薄れていました
先日、今度は父が 胸水がたまり肺癌のステージ4と診断されました
その病院は全国でも抗がん治療の実績が高い病院で79歳の父にも治療を勧めますが父は抗がん剤の使用を希望しませんでした

肺の癒着処置をして様子をみていますが 退院後のことについての説明やガンが進行してからのことを質問しても なんだか冷ややかで 見放された感をぬぐいきれません
抗がん剤を使用して2年未満、使用しないと半年未満、と 余命の説明をうけました
抗がん剤が効いても2年、抗がん剤の副作用で苦しむかもしれないことを思うと 父の希望は貫かせてあげたいのです
しかし ガンが進行してからの痛みをどう治療してもらえるのか
先生のおっしゃる 心のケアやいろいろな方面からのお力をいただけるのか不安ばかりです

緩和ケアという言葉はあっても その実際は まちまちで よくわかりません
どんな医療もそうだとは思いますが
運 でしょうか
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雨雲さん (aruga)
2014-07-03 21:26:18
コメントありがとうございます。
がん治療の先端的な病院であれば、がん診療連携拠点病院ではないでしょうか。
それであれば、相談窓口、緩和ケアチームは、設置されているように思います。
抗がん治療に精通した医師も緩和ケア的なスキルはおありのことと思いますが、時間やエネルギーには限界がありますし、医療を越えたものが不足していたり、治療に精通しているからこそ緩和ケア的専門性は十分ではないのかもしれません。
相談できるところを探してみてはいかがでしょうか。
偶発的な運というより、引き寄せられる運になるとよいと思います。
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