低出力レーザ治療は、
皮膚の上からプローベを30秒から1分(5分以内)当てることで、
局所の血流をよくしたり、
疼痛の制御-特に、神経障害性疼痛に効果があるなど、
負担が少なくできる治療です。
2006年からは、消炎鎮痛等処置に35点が診療報酬算定が可能となっています。
神経障害性疼痛緩和や褥瘡治療などにも用いられることがあります。
機械もコンパクトで、A3 1枚の面積X高さ分の容積があれば、
保管することができるくらいのサイズです。
これを緩和ケアチームとして病院に申請できないか考えようと思い、資料を取り寄せました。
すると・・
禁忌・禁止欄に
妊婦又は妊婦である可能性がある人
悪性腫瘍のある人
心臓疾患のある人
出欠素因の高い人
新生児・乳児
高齢者・疾患等で非常に体力が弱っている人
とあるではありませんか。
緩和ケアチームで疼痛に難渋するのは、
悪性腫瘍を持った患者さんなものですから、
禁忌として悪性腫瘍のある人と記載されると、
これだけで、申請は却下されてしまいます。
また、禁忌疾患に対しては、算定はできません。
どうやら、血流を改善することで、
どう生体が反応するかわからないので、
古くから理学療法的な医療機器を含め
多くの機器が悪性腫瘍がある人には、
禁忌となっているものが多いらしいと
メーカの方から聞きました。
そもそもが、そうした適応を見極めながら用いるのが医師の役割であり、
最初から、禁忌となると、まったく手が出せなくなってしまいます。
せめて、慎重使用などの文言であれば、
リスクよりベネフィットが勝る方については、
患者さんと相談しながら、使っていけるのに・・と
少々驚いた次第です。
禁忌の設定が、やや歴史的な遺物の傾向があり、
じゃまな一言に、残念な気持ちになりました・・・
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メーカーとしては、作って売った責任上としてリスクもあるから、様々な「想定」をするんだろう…と思います。
…と、自分で書きながら「じゃ、『薬』はどうなんだろう?」と思いました。
だから、日本での新薬承認がとても長い時間がかかるのでしょうか。
メリットとリスクがある、とわかっていても、気持ちの持って行き場をメーカー等にぶつけることがある、ということが日本でも多くなっている気がします。
本当に、そうなんですよね。
薬は、それぞれの治験結果である程度の線引きをされます。
機器の警告とか禁忌について、その機器特有のの問題で記載されるならまだ、了解もするのですが、すべての・・などと言われてしまうと、困ってしまうなあと思うわけです。それも、結構古くからの慣習的なものですとさらに・・。
ご指摘のように、その矛先がメーカーさんに向くのではなく、PMDAに対して、このあたりはどうなってるのかな?って疑問を投げかけたいところです。