外勤先でお世話になっているカウンセラーさんから教わったこと。
あいまいな喪失
調べてみました。
英語では、
Ambigurous Loss
ミネソタ大学の名誉教授の
Pauline Bossが主に提唱し
取りまとめられたサイトは次のものになります。
http://ambiguousloss.com/
そこに書かれていることを
抜粋しました。
出典は直下のURLです。
http://ambiguousloss.com/about_ambiguous_loss.php
日本語のまとまったサイトもありました。
「あいまいな喪失」情報Webサイト
http://al.jdgs.jp/index.html
Pauline Boss博士が提唱する「あいまいな喪失(ambiguous loss)」理論は、行方不明者の家族など、喪失の事実が明確でない場合や、認知症患者の家族など、その人は存在するのに、以前のその人ではないような場合に、個人のみならず、その「家族」をどのように支えるかという家族療法の視点にたつ理論です。
http://al.jdgs.jp/about_al/index.html
これは、次の二つに分かれると
言っています。
◆さよならのない別れ
「Leaving without Goodbye」
心理的には存在しているが身体的には存在しない状況
きちんとお別れができないまま
死別や別離となってしまい、
その人の影を追い続けているような
感覚を持ち続けているようなケース
災害、事故、誘拐などで
さよならを言うこともなく、
死別または別離を
してしまったような状況
津波で故郷が
なくなってしまったような状況も
含まれるそうです。
◆別れのないさよなら
「Goodbye without Leaving」
身体的には存在しているが心理的には存在しない状況
認知症などで、
死別しているわけではないけれど、
その人らしさが薄れて行き、
もともとのその人とは
さようならをしてしまっているようなケース
認知症、薬物依存、
後遺症のある頭部外傷
などなのだそうです。
福島の原発近くでの
家があるのに帰れない状況も
ここに入るようです。
また、このサイトには
以下のように記載されています。
「あいまいな喪失」は、死が確定した「遺族の喪失」とは全く異なる枠組みで支援を行う必要があるという点でした。
「あいまいな喪失」の中にある家族にとっては、その状況が続く限り喪失に区切りをつけることは難しく、家族は一生その喪失の曖昧さの中で生きていかなくてはなりません。その状況を理解することが、まず重要となります。また、あいまいな喪失の中にいる人たちが抱えやすい大きな問題として「孤立」があります。通常、社会の多くの人たちばかりでなく支援者や専門家たちも、あいまいな喪失の中にいる方に対してかける言葉や支える手段がわからずにいます。そのため、どうしても距離を置いたり、不適切な言葉をかけてしまうことがあります。
http://al.jdgs.jp/4supporter/index.html
明確な喪失に比較して、
あいまいな喪失は、
悲嘆のやり場も曖昧となり、
苦悩から抜け出だすことも曖昧
なのだそうです。
対処が幾つか書かれていますが、
その中で、書き留めたものの一つです。
・自分の思いを楽に表現できる人、あなたを理解し、あなた自身もそばにいて欲しいと思える人を探してみましょう。そのような人を「心の家族」と呼びます。
http://al.jdgs.jp/about_al/ALcoping.html
ここまで読んで、
はっとしました。
私達医療者は、
患者さんやそのご家族にとって、
心の家族になる努力をしている
だろうか・・と。
ただ、症状をとるために
存在するのではなく、
そばにいてほしいと感じてもらえる
ような存在でありたいと思います。