ウィルス検査で確実な方法は
ウィルスのそのものの核にある
核酸を見る検査です。
このウィルスの核酸を検出する方法を用いているのが
B,C型肝炎とHIVになります。
それに対して、抗体を調べる検査方法があります。
人にウィルスが感染すると
免疫応答により抗体が産生されます。
かつて、ウィルスが体内に入ってきたことが
この抗体検査でわかります。
かならずしもウィルスがいるとは限りません。
逆に、感染しても抗体はすぐには産生されませんから
抗体が陰性(ない)状態でも
感染していないとは言い切れません。
現在、国内献血の輸血、血漿分画製剤ともに
HTLV-1のチェックは抗体検査でなされています。
直接ウィルスをチェックする方法ではないため
感染してもすり抜けてしまう可能性があります。
この抗体検査でほとんど感染のリスクはないと思われますが
ゼロではありません。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/06/s0604-3c.html
このページと
昨日の記事にリンクを貼っている
MRICの記事をご参照ください。
病原体不活化技術を導入すると
HTLV-1のリスクもなくなり
尚且つ、B,C肝炎、HIVの直接ウィルスを
チェックしている検査にかかる費用も
(結構莫大らしい)節約できるようです。
この病原体不活化技術・・
他のアジアでは、導入されつつあるのに
日本はちょっと遅れをとっています・・・
確かにコストの問題も解決できますし画期的なようですが、どうしても製剤中に不活化のために用いられた薬剤が微量ながら残留し、それは人体に有害なものであると聞きました。
リスクを取るのかメリットを取るのか。
そんなカンタンなことではないのでしょうが。。
どんな事においても日本は確かに諸外国と比べて導入は遅れをとりますが、良い解釈をすればそれだけ慎重だということなのかなぁ。。と、日本を出てみてしみじみ感じる今日このごろです。
所感を書いていただき、ありがとうございます。
輸血でのHTLV-1の感染は根絶されたと聞いていましたが、確かに感染と抗体が出来るまでには隙間ができますね。
URLのHP掲示板にコピーさせてもらいました。
よろしくお願いします。
こんにちは。ご指摘の通り、医療はリスクとメリットがあります。そのバランスで選択がなされていくわけです。この不活化技術については、メチレンブルー光不活化システムが多くの国で計画されているようですが、除去フィルターを通すものだと思います。
http://www.asyura2.com/07/health13/msg/472.html
具体的なシステムはこれと思われます。
http://www.the-convention.co.jp/jsbt05/cyber/virtual/maco/theraflex/index.html
問題点はこの論文が参考になりました。
http://www.yuketsu.gr.jp/gakkaishi/51-5/051050491.pdf
メチレンブルーの変異原性のリスクは確かに否定はできませんが、メリットを上回るデメリットかどうか。いずれにしても、臨床試験がどのような状況なのでしょうか。よい意味での慎重ならよいのですが。
pandaさん
こんにちは。HPお邪魔させて頂きました。改めて・・勉強になりました。こちらこそ、ありがとうございました。
ところで、昨日コメントをくださったとのこと。このところ頂いたコメントはすべて公開しておりますが、コメント投稿下さったにもかかわらず、届いていなかったのでしょうか。本当に申し訳ありません。様子をみて、gooに確認してみます。再投稿ありがとうございました。
現在の日本のシステムより安全であることを証明するのはかなり大変だと思います。皆さん肝炎に目が行きがちですが、それ以外の合併症も結構多く、それが増えるようでは困ります。
ちなみに血小板は寿命が短く日数がたったものは効果が低くなります。それで投与回数が増えると結局合併症の頻度も上がります。使用期限がのびてメリットがあるのかちょっと疑問です。
また、私の分野(緩和ケア)では輸血頻度は少ないため、是非、血液を専門になさっている医療者の方に専門家の立場で、一般の方に輸血の現状を伝えていただきたいです。
つぶやき・・です。
私が輸血を受けるとしたら・・そう仮定したとき、パンデミックな感染症や未知のウィルスが急に広がった場合などの危機管理を考えると、日本は後手に回ってしまうのかなあ・・と考えるのは、考えすぎでしょうか。