緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

お知らせ

2011年10月16日 | 医療

2つのお知らせを・・・



一緒に働いてくれる医師を探しています。



私は、現在、都内大学病院に勤務しています。
緩和医療の常勤医師を一人募集しています。

経験によって、ポジションは変わりますが、
大学の緩和医療の教育、臨床等にご尽力いただける方、
ご一報ください。
コメント欄にご連絡先をお願いします。
個人的な内容の記載されているコメントは、アップしませんので、ご安心ください。
当方から連絡を入れさせていただきます。

緩和医療の専門的な技能を身に着けている方・・もですが、
むしろ、
コミュニケーションをとることができる方、
緩和医療をより専門的なスキルアップをしたいと望まれている方、
是非、宜しくお願いいたします。

 

 

再掲の本のご紹介です。


実際の症例を何度も書き換え、架空症例でありながら臨床例に近い形で55症例。
2年半・・かかりました。

「緩和ケア55 緩和ケアチームコンサルテーションの実際」

中身を少々・・



鎮痛補助薬が有効だった頸部リンパ節転移痛

70歳代 肺腺がん、リンパ節転移

依頼文
 2 カ月前まで、サードライン化学療法を施行していた患者さんです。ここ1カ月で
右頸部リンパ節転移が増大し、1週間前から右肩に広がる疼痛を、2日前から右上腕
痛も認めるようになりました。オキシコドンを開始しましたが、疼痛強いため、夜も
眠られていません。次のラインの化学療法を検討中です。



返 信
WBC ・・・・・・・・・・ 採血データ

#1.疼痛

 現在の内服は
  セレコキシブ(200mg)2錠 分2
  オキシコドン徐放錠(5mg)2錠 分2
  レスキュードーズ オキシコドン速放散剤 2.5mg/回

この内服下で、右頸部から右上腕外側に知覚鈍麻が混在した知覚過敏があります。
服がこすれた時の疼痛はアロデニアと思われます。NRS 8~10/10で、レスキュー内
服後も、ほとんど変化していません。
疼痛は、神経障害性疼痛、局所の炎症性疼痛からなるものと思われ、オピオイドの
増量と鎮痛補助薬の併用を検討したいと思います。

コメント  ++++++++++
オピオイド増量し、疼痛再評価してから、鎮痛補助薬併用としたいが、疼痛
が極めて強いこと、夜間不眠であることなどから、増量と同時に併用を開始す
ることにした。
++++++++++++++++++++++++++++

<推奨処方例>
1) セレコキシブ 同量
2) オキシコドン徐放錠(10 mg)3 錠 分3(8時間毎)→翌日 4 錠 分2
ただし、眠気がでれば増量せず、3錠のままで経過を観察してください
3) レスキュードースとして、オキシコドン速放散剤5 mg/ 回に増量してく
ださい。30 分開ければ上限なし。必要量分を定時薬に振り分けていきま
すので、呼吸数 10回/ 分以上あれば、積極的に促してください
4) ガバペンチン(200 mg)1 錠 分1 夕
オキシコドンの量と眠気を見ながら2 錠に増量する場合があります。増
量時には、担当医師に電話連絡を入れた後、緩和医療科で対応するよう
にします
 1)~4) にても、除痛が図れない場合は、ステロイドの併用が必要と思われ
ます。化学療法の方針が出ましたら、ご連絡ください。また、放射線治療の
適応につき、放射線科にコンサルテーションお願いします。

コメント+++++++++++++++++++++
2)オキシコドン徐放錠を10mg錠で1日3錠の後、4錠にする時、20mg錠1
日2錠でも良いが、増減を行いやすくするため、量が決定するまで10mg錠を
用いることを患者と話しあった。
+++++++++++++++++++++++++++


結果
1) ~・・・・・・で、NRS 1~3 / 10 となった。



このような形で55例を書きあげています。
書き手は、これ、結構力作で面白いと思っているのですが・・

どうでしょうか。
面白いと感じて頂けるでしょうか。

是非、手にとってご一読くださると嬉しいです。

クリックくださると出版社の紹介ページに飛びます!
   ↓
「緩和ケア55 緩和ケアチームコンサルテーションの実際」

アマゾン
   ↓
「緩和ケア55」


コメント (28)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« You've got to find what you... | トップ | 集いの場で »
最新の画像もっと見る

28 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
邂逅 (サジタリウス)
2010-05-21 22:44:12
arugaさん

  こんばんは。

いつも行っているこちらの紀伊國屋書店で購入できそうなので来週にでも問い合わせてみます。

医学には、無学ですが人一倍興味があります。
本の中で先生と会えることを愉しみにしています。
返信する
是非 (maki)
2010-05-21 23:18:24
緩和ケアチームで日々悩みながら何とかやっています。
リンク先のページの目次を見ました。
今抱えている事例に似た症例があり、ヒントを頂けるかもしれないと思いました。
出版社のページから購入できるのですね。
是非、読みたいと思っています。
力作、楽しみにしています。
返信する
コメントありがとうございます (aruga)
2010-05-21 23:46:15
元○○さん
アップいたしませんが、コメントお寄せくださり、ありがとうございました。
この間、ずっとブログを訪ねてくださっては、成り行きを見守っていてくださったのですね。
その静かな応援の存在に、どんなに驚き、どんなに喜んだことでしょう。ありがとうございました。

サジタリウスさん
ありがとうございます。
本の中でお目にかかれますように。

makiさん
日常で出会う症例だと思います。
対処方法のヒントに加えて、どのようにチームは返信していけばよいか、スキルミクス型のチーム医療ならではの、立ち位置も示しています。是非、感想をお寄せ頂けますと幸いです。
返信する
こんばんは (ゆきんこ)
2010-05-22 00:14:18
先生の薬の使い方や考え方を本で55例も見れるなんて、すごい本がでるのですね!
25日は本屋が閉まる前に帰らなくてはと思いました!しっかり読んで勉強したいとおもいます。
返信する
買いま~す (hirakata)
2010-05-22 09:52:55
aruga先生、こんにちは。

私が働いている病院(24床の緩和ケア病棟が2つの48床)でも、毎日のカンファレンスで症例検討していろいろと共通理解を積み上げていますが、55症例も例示があれば、その積み重ねに相当役立てることができるのではないかと思います。

というわけで、各病棟に1冊ずつ、さっそく注文します。いい情報をありがとうございました。
返信する
おめでとうございます! (hana)
2010-05-22 15:09:11
本の出版、おめでとうございます!
2年間準備されたものを、とうとう出版、そしてワクワクされているということ、私もとても嬉しく拝読しています。購入したいと思います。

ワクワクできる出版であるということはどんなに素晴らしいことでしょう。私も出版原稿を作成したいと思っていますが、実はワクワクできないので、なかなかすすみません。なぜ出版の必要性について自信が持てないのかですが、15年前には今すぐに出したいと確信していましたが、当時は子どもが幼く、すぐに夢中になって周囲が見えなくなる自分の性格と、幼い子どもの生活を考えて書かないことにしました。その後、時間がたち、子どもは年齢が上がり、時間ができました。しかし逆に日本の現実(今も暗黙には礼賛される女性の嫁・母親役割、通常のフルタイム雇用者に当然のものとして期待される長時間労働の雇用慣行)について、私自身が、15年たった今もかわっていないと理解していること、そして、それに強く反抗して生きてきた自分が、家族のために、とるべき役割を十分に果たせたのかどうか、といえば、自分には合格点をつけられない、そんな思いを持っているために、ワクワクしては書けないのです。でも出版を待っている人もいるのかもしれません。変化は必要、そう思いながら、ぐずぐずしております。
返信する
コメントありがとうございます (aruga)
2010-05-22 21:51:45
ゆきんこさん
暖かなメッセージをありがとうございます。
すごい本と言って頂いて、嬉しい!けどご期待に添えるかしら・・(汗)

hirakataさん
>その積み重ねに相当役立てることができるのでは・・
批判的吟味も含めてくだされば、きっと・・
プロの先生に活用して頂けるなんて、本当に光栄です!

hanaさん
ありがとうございます。
原稿を前にしていらっしゃるのですね。
戸惑う時間は、何を伝えたいか、熟成させている時間なのかもしれません。
返信する
皆様へ (aruga)
2010-05-22 22:02:41
出版社に確認いたしましたところ、発刊は5月25日ですが、<実際に店頭に並ぶのは、数日後>になるようです。

ゆきんこさん
お仕事早く切り上げてくださっても、25日は空振りになってしまいそうです。確認が遅くなって、本当に申し訳ありません。
暫く余裕をもってから、お立ち寄りくださると嬉しいです。
返信する
ありがとうございます! (ゆきんこ)
2010-05-23 00:53:58
先生、お忙しいのに出版社に確認していただいてありがとうございます!
北国で本も海を渡ってくるから、少し時間がかかるかもしれませんね。来週末あたり本屋に行ってみます!本を読む楽しみができてとっても嬉しいです♪
返信する
とても、参考になりそうです (セロー)
2010-05-25 08:07:20
今は、整形外科で癌性疼痛の患者さんが少なくて、勉強不足になってます。
なので、とても、勉強になりそうです。
緩和ケアチームのみんなにも、見せようと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事