緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

オピオイドローテーションの実際

2010年04月29日 | 医療

オピオイドローテーションの手順を説明しました。 
実際に、オピオイドローテーションを行ってみましょう。 
モルヒネを 経口で 朝120mg、12時間後の夕120mg 内服していた患者さん。 
オキシコドンに切り替えたいと思います。


等力価換算比は、モルヒネ:オキシコドン=3:2とします。



モルヒネ総量は240mg/日

オキシコドンは 240mg X 2/3 =160mg
20~30%減量し、 120mg を目標量とします。

オキシコドンは 1日2回なので、
朝60mg-12時間後の夕60mg となるように 
2日ほどかけながら切り替えます。

         朝  夕     朝  夕   朝  夕
モルヒネ   120 120     60    60   off
オキシコドン          30    30      60    60

こんな風に切り替えます。



もし、モルヒネが一日一回の徐放剤でしたら 
モルヒネ一日総量を一回に飲みますので、

朝240mg飲んでいるとして、

         朝  夕     朝  夕   朝  夕
モルヒネ   240        120            off
オキシコドン                     30    30      60    60

20~30%減量していますので、
ここから徐痛可能なところまで増量をしていきます。

(参考:アルバータ―大学レジデントマニュアル)

オピオイドローテーションを行うには、
このような計算をしていきます。


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6 コメント

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先生ありがとうございます。 (BONBON)
2006-09-24 09:37:06
 はじめまして。

 都内の病院で内科医をしている者です。

いつも非常にわかりやすいブログありがとうございます。

 私は今の病院で緩和ケアチーム(ナース、医師、薬剤師)の一員として頑張っています。大学病院にいたころは緩和ケア病棟でも仕事をした経験があります。その経験が非常に大きく、緩和医療に対する苦手意識がなくなりました。経験って大事ですよね。



 今ではレジデントに対して緩和の指導も行っております。私はいつも思うのですが、今の若手医師は10年前の我々の世代と比較してオピオイドの使い方が上手ですよね。逆にわたしが教えていただくことも多いです。



 今度レジデントの先生に「癌性疼痛について」という題名でクルズスを行いますが、先生のブログの一部をコピーして使用して構わないでしょうか?



 よろしくお願いいたします。
返信する
BONBON先生 (aruga)
2006-09-24 12:24:42
こうしてコメントを頂くと、また一つ繋がりが増えたようでとても嬉しいです。緩和ケア病棟勤務経験をお持ちとのこと、考え方を根底から切り替えることができるので、緩和ケア病棟経験後に急性期の場に出て行くことは本当によいと思います。



クルズスに、どうぞ遠慮なくお使いください。お願いが2つ。

出所をお伝え頂きたいこと(薬剤のこと等、エビデンスを明確にしきれていない所が沢山あり、書き手の責任が・・)

できれば、質問やどんな感想が出たか教えていただけると嬉しいです!
返信する
ありがとうございます。 (BONBON)
2006-09-24 19:05:57
aruga先生



 ありがとうございます。

 その件了解致しました。

 私の氏名も隠す必要もないので、後日何らかの手段で先生に自己紹介したいと思います。



 私が緩和医療に興味を持ったのは、ただ単に「そこにいる患者さんが苦しんでいるのがいやだから」です。

 うまく使うためには看護師さんの協力が絶対必要ですよね。お恥ずかしいはなしですが、患者さんを診ている時間が長いのは、看護師、レジデントの先生の順番ですよね。私は外来、内視鏡などの検査などで皆様の情報なしではやっていけません・・・。皆様に感謝の言葉をかけながら日夜医療を行っております。



 ここで、aruga先生にお願いがあります。

 

 このブログで①癌性胸水や癌性リンパ管症で呼吸苦がある患者様についての緩和医療のお話②癌性腹水や癌性腹膜炎による腹部膨満が強い患者様に対しての緩和医療のお話をコメントして頂けませんか?



 この2点の対処法はいつも難しいです・・・。

 

 



返信する
宿題ですね! (aruga)
2006-09-24 21:06:22
ありがとうございます。一時的なメールアドレスです。ご利用ください。2~3週間または、必要がなくなったときはクローズしています。

kity6161123@mail.goo.ne.jp



患者さんの苦痛を苦痛として感じることが出来る感性をおもちだからこそ、緩和ケアを考えられたのですね。そして、チームのダイナミズムも把握されているのですね。素晴らしいですね。



ブログは不特定多数の方に発信しているので、日常的に行っている医療を確信を持って発信しなければいけないと思っております。呼吸苦と腹部膨満感、宿題を頂きました・・

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いつもですが、勉強になりました (jun)
2010-05-06 05:36:32
前回の入り口から、演習解説付きで、とてもわかりやすかったです。その前の、薬の効き方を知識としてもって患者さんにご説明することの大切さを感じました。ゴールの効果のみで薬を選んで処方してしまうことが多いと思います。効き方は、経験も大きいのでしょうね。。。
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junさん (aruga)
2010-05-06 22:09:34
ありがとうございます。
2年前の記事ですが、未だにアクセスが多く、再掲としました。
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