エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

シーズン初沢は「石狩白老滝」へ・・・

2016年06月18日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
白老町は滝の宝庫・・・
シーズン初沢はHYMLオフミ遡行
石狩白老滝&沖野温泉打たせ湯
■ 山 行 日    2016年6月15日(水)  日帰り
■ ル ー ト     ポンベツ川支流石狩白老川源頭 往復
■ メ ン バ ー     一司さん、山ジイ、俊さん、山歩さん、よもぎさん、エバ
■ 登 山 形 態    沢登り
■ 地 形 図    1/25000地形図  「森野」「風不死岳」
■ コースタイム   登り 3時間25分  下り 3時間15分
<登り>
 7:55    林道ゲート出発
 8:15    林道分岐
 8:50~55 砂防ダム 休憩
 9:10    石狩白老川二股分岐
11:20    石狩白老滝

<下り>
11:35    下山開始
13:20    沢二股(ポンベツ川出合)
13:25    林道出合
13:30    沖野温泉分岐
13:35~50 沖野温泉の滝
13:55    林道
14:50    登山口ゲート着



web上からお借りしました。全体的な位置が分かると思います・・


GPSログではありません。だいたいこんな感じでのルート図です。

★ プロローグ・・・
当初は6月9日遡行の予定でお誘いがあった「石狩白老滝」だったが、雨予報で15日に延期となる。
それでも参加予定の6名が偶然にも全員休みで再び再結成。しかし、また雨予報になった・・・。
リーダー一司さんと山ジイとの打合せで今回も「再延期」のメールが届く。

本来であればリーダーの判断に従うのが絶対?だが再度の「一考」をお願いしたのは私だった。

15日、白老の天気予報は「くもり」ただ前日には150mmの大雨で川の増水が心配された。
リーダーが現地近くまで川の偵察に行きやはり増水しているとの報告が流れる。
しつこいようだが、折角のオフミ遡行何とか全員で遊びたかったと言う私のわがままはメールを通じて
リーダーに嘆願する。するとすぐに「決行」のメールが届く。
「やったぁ~!」と子供のようにはしゃぐオヤジは私だ。「正直もう沢はどうでもいいんだ」
久し振りにHYMLの仲間と再会出来る嬉しさが遡行より勝っていた。沢がダメなら温泉だけでもOK。
そんな経緯も参加者が納得で全員集合に結び付く・・・。


★ 石狩白老滝・・・
正直このお話を頂いた時、私は大きな勘違いをしていた・・。
白老川に流れる「白老滝」の事を別名「石狩白老滝」とも呼ぶんだぁ~?
でもなんで白老なのに石狩が付くんだろう?・・・程度。

後、ネットで検索して見てその大きな勘違いにようやく気が付く始末。
集合場所だって白老滝とはまったく別の場所だったが当初それすら分からず空返事をしていたのだ。

「あの社台滝より凄い滝!」
石狩白老滝は、白老町ポンベツ川支流・石狩白老川の源流域にあり、遥か山奥の断崖に落ちる。
ポンベツ川沿いに林道が伸びるが、崖崩れや自然劣化により年々通行が厳しくなっている。加えて、
その筋の管理課により、車両も人も通行禁止の法的措置が取られ、道道から林道出合いすぐに
立派なゲートで塞がれていた。
そこは自己責任・・・ゲートをくぐり抜けて目指す滝にまっしぐらなのは当たり前。

「白老町は滝の宝庫」
白老町には、大小多くの川が流れているがその中で大別した5本の川の上流には多くの滝が存在
している。それが白老川を本流とする上流の「白老滝」であり、別々川の「インクラの滝」(別々の滝)、
社台川の上流「社台滝」は、白老町の滝の三名所としても有名な所だ。そして、ポンベツ川の支流
石狩白老川の源頭「石狩白老滝」や「ポンベツの滝」「深沢の滝」「大星沢の滝」「イワナ沢の滝」
「毛敷生の滝」「源白老川の滝」「飛生の滝」などが数えられているが、まだまだこれからも隠れた滝が
発見されるかも知れないほど奥深き山容にあり、限られた者だけが、その感動を体験出来るのかも
知れない。

ポンベツ川の支流が何故石狩白老川と名付けられたのか?
少し調べて見ると語源はやはり石狩川にあるようだが、はっきりとした裏付けがある訳ではない。

<石狩振興局HPより抜粋>
石狩の北西部は、約72kmにわたり日本海に面し、北端の増毛火山群に属する高山へと続いています。 
この一帯は、暑寒別天売焼尻国定公園として指定され、変化と景観に富んだ海岸線は、日本海オロロ
ンラインとよばれ、優れた観光レクリエーション地帯として注目されています。
南西部は恵庭岳を主峰とする山岳地帯と、エメラルドグリーンに輝く支笏湖が支笏洞爺国立公園を
形成しており、原始林に囲まれた湖とその周辺山岳の景観は、まさに北海道らしいダイナミックさと
神秘的魅力にあふれています。
中央部は、日本三大河川の一つである石狩川が東西に走り、その流域には広大かつ肥沃な石狩平野が
広がっています。また、この地域は稲作の中核地帯であると同時に北海道の中枢機能を備える道都
札幌市を中心に大都市圏を形成しています。
総面積は3,539.86km2で、鳥取県とほぼ同じ面積となっています。
土壌は、石狩川流域の肥沃な沖積土壌、南部の樽前系火山灰土、篠津の泥炭土に大別され、また
当別町から石狩市、江別市野幌から北広島市にかけての強酸性重粘土壌、恵庭市南部から千歳市に
かけては、不良性火山性土などの不良土壌があります。

↑ こんな感じで川の語源を裏付けるものではありませんが、少なくとも石狩白老滝始まりの1滴は
石狩南西部に入っている事は確かなようです。

ちょっと前置きが長くなりましたが、これもわたし風の書き方なのかもです。ご容赦下さい。


★ ホロケナシ駐車場・・・
集合場所に指定された「ホロケナシ駐車公園」
道道86号線白老大滝線の白老町森野地区にある駐車公園は立派な水洗トイレと
近くにはオートキャンプ場も完備されている。冬期間は道道も通行止めとなりここの
トイレ施設も閉鎖されて使用出来ないようだ。

7:00集合もちょっとしたハプニングで7:30到着。先着していた皆さん申し訳ありません。
天候は生憎の霧雨、でも再会が嬉しい私でした。協議の結果、雨の遡行を決行!
2台の車に分乗して登山口となる林道出合いまで移動する。駐車場からほんの1~2分で着く。
ゲート手前道路脇に停めて早々出発は7:55。



ホロケナシ駐車場から車で1~2分、出合いにゲートがあり手前に車を停める


約4キロの林道歩きから始まる。いくつか分岐があるので地形図は欠かせない・・


最初の分岐は右へ・・ポンベツ川沿いの林道に進みすぐに橋を渡る

★ 雑談楽しい林道歩き・・・
6人パーティーも雨の林道を歩いている時って全員では話が届かない。
足の早い人そうでない人関係なく色々メンバーを変えながらお話しタイムの林道は楽しいものだ。
約4キロの林道だったがまったく長いと感じないまま終点の砂防ダムに着いてしまった。

砂防ダムの手前で「鹿の角」を発見この後入渓後も立派な角を見つけ山歩が持ち帰った・・・

この砂防ダムは地形図では確認出来ない新しい砂防である。位置を確認し少し手前に石狩白老川の
二股があると分かる。休憩して早々入渓し5分程で二股に出合う。



ポンベツ川と石狩白老川の二股手前に地図にない林道二股があり右へ


大きな砂防ダムで林道は終点となりポンベツ川に入渓するも下降して石狩白老川の二股まで行く


砂防ダムの名称


ここはまだポンベツ川・・・左岸沿いに少し下降すると石狩白老川の二股に着く

★ 石狩白老川遡行・・・
出合いの二股から滝までは2キロほどしかない短い川である。
川幅は10m前後で傾斜も緩く水量も少ない清流。
しかし、上流になると石が巨岩化し渡渉に苦労する場面も多々あった。
途中滝は一つもないが、ほんの小さな滑が一箇所あってちょっとホッとする。
遡行の沢としてはブタ沢とまで言わないがワクワクする楽しい遡行ではない。

下りで分かったことだが、右岸側に高巻く踏み跡(鹿道)が所々有りうまく利用出来れば
タイムが縮むかも知れない。

なんといっても最後の巨岩帯を過ぎて大きな壁を目の前にするとつまらなかった遡行が
一変し感動へと変わる。ここは日本なのかと思うほど見たことが無い神秘の世界が
目に飛び込んで来た。霧雨で、もやっているから余計にそう思うのかも知れないが
数十メートルの高さがあり自然の力で削り取られたような壁の造形美と微妙なバランスで残った
木々が一層不思議の世界に誘う・・・しばし休憩し、いよいよ大滝を望む。



ここは石狩白老川・・想像より増水も少なく安心して渡渉出来た。


小さな滑滝でハイポーズ (写真:俊さん提供)


上流に行くに連れ渓相が変わって来る・・・


遡行としては決して楽しい沢ではない (ブタ沢とは言わないが適度な滝がほしいところだ)


沢フキが多く下降時に少しだけゲットする


巨岩が堆積する渓相となり核心部と言えよう・・・


日本とは思えない神秘的な渓相の壁に驚く・・すぐ上流に石狩白老滝がある


背後霊は俊さん? さて手前の美女はだぁ~れだ。


いよいよ正面に見えて来たのが石狩白老滝だ!

★ 感動の大滝は圧巻です・・・
11:20 石狩白老滝
登山開始から約3時間半、予定通りの到着も雨で体が濡れて少し寒く圧巻の大滝にも感動は半減
したかも・・しかし、次第に興奮を覚え寒さがどこかへ飛んで行った感じだ。
当初は落差200mはあろうかと言うもの凄い滝だぁ~!と開いた口が塞がらない感じだったが、
地形図からの読図では落差約50m二段の滝と判明した。
それほど見た目以上の高度感と水量の多さに目測を誤る錯覚を起こしたのだろう。

時間があれば二段目の滝の上まで登り更にその上の滝を間近に見上げたかったが、タイム的に
余裕も無くまた来る機会の楽しみに残す事にした。
雨の遡行を無理言って決行させてしまったが、結果みんなも喜んでいる様だったので楽しい
遡行になって何よりだった。
ただ一時、山ジイが体調不良となり心配したが大事には至らず最後まで無事下山出来たので
良かった。



二段目上までの落差は50m強だろうか?


見上げる一司リーダー


石狩白老滝 (写真:俊さん提供)


滝に打たれる俊さん (写真:俊さん提供)


滝下の俊さん・・別アングルで私が撮る


激しい轟音としぶきが見事で無の世界観に入る思いだ・・・


自然の素晴らしさに感動しやすい年頃?


どうゆうアングルも絵になる滝だぁ~


初沢メンバーたち


見飽きない滝をまた撮ってしまう・・・


滝に大満足のメンバーたち


最後にリーダーが見届けて沢を降りる


下降時唯一の滑滝での一枚だったが、撮る瞬間俊さんカメラを沢に落とした?


地形図では確認出来ない沢と砂防ダムの存在・・・この砂防ダムの上流に温泉がある
★ 沖野温泉・・・
13:20~35 沖野温泉
下りでは、フキ採り休憩も含めゆっくりと下る。
林道に出て10分程で地形図の164地点。温泉への分岐点に着く。
踏み跡を辿り小沢を渡渉すると大きな砂防ダムがあり「ポンベツ川温泉の沢谷止」と表示があった。
砂防ダムの右岸に踏み跡があり難なくダム上に登れる。その先に写真で見た同じ光景が「沖野温泉」
と分かる。林道からほんの5分程度着いた。

早々流れ落ちる温泉の滝に触れて温泉を再確認。

「あったかぁ~い・・」

白く見えるのは湯の華、しっかりと温泉の臭いが漂い疲れた体を癒したいと思った。
滝の上には小さな溜まり湯があって地下から溢れ出る源泉も確認出来た。
スコップやバケツがあれば程良い深さまで掘って露天が出来ると思うがこれも次の機会に
残しておこう。

ほんの15分の滞在だったが、思いも寄らぬ温泉との出会いは得した気分だった。



滝の上にある溜め湯、深さは足首程度しかない(スコップがあれば掘りたいとこだ)


白く見えるのは「湯の華」温度は33~35℃くらいかな?




天気と気温次第では裸になって入りたい温泉です・・


ポンベツ川温泉の沢 谷止めの砂防ダムを降りて終了

★ 山ジイ・一司さんに感謝です・・・
滅多にないチャンスと非常に楽しみにしていたので二度の延期は諦めきれませんでした。
本当にわがままを申し出たのに快諾して頂き、山ジイとリーダー一司さんに感謝します。
そして、私をご指名下さったのは俊さんですよね!雄冬山以来かと思いますが、嬉しい誘いでした。
改めてお礼申し上げます。山歩やヨモギさんとも久々の再会でしたからより華やかに楽しい時間でした。
次は是非、白老オフミで賑やかに飲み明かしたいものです。

皆さん本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。



大滝村のとある温泉で汗を流す・・・良い温泉です

★ お土産・・・

自分で採って自分で料理・・・石狩白老川のフキです

※ 同行した山ジイこと「yama_ojisanのブログ」  山ジイのブログはこちら

※ 6/20 アップ終了・・・





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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
凄い滝ですね (GAKU@神奈川)
2016-06-21 16:06:50
興味深く拝読しました。
こんな滝の存在が今まで余り知られずにきたのも驚きですが、以前からこの滝を知っていた一司さんなら、まだ他にも秘めたる名瀑をご存知なのではないでしょうか。
天候に恵まれなかったとはいえ、良い仲間との沢山行は楽しそうで羨ましいです。
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やっぱり楽しい仲間たちです (エバ)
2016-06-22 22:24:26
GAKUさん こんばんは お返事が遅れてスイマセン。

遊んだ後の雑用が忙しく申し訳ありません。
私の場合どちらかというとピークハンターの山行が中心でした。
沢登りをしてもそれはピークを目指す手段として登るだけで、滝の素晴らしさや絶景は二の次だったのです。
しかし、HYMLの仲間たちには色々な志向があって思い掛けない感動を知る場面も多々です。

この日の後、別の仲間(gan)たちが石狩白老滝に行きその報告を見ました。
私たちは雨の後の訪問だったので普段は流れていない滝(幻の滝)を見て感動でしたが、ganさんたちは壁の中間から流れ落ちる源頭の吹き出し口を見てまた別の感動があったようです。

GAKUさんも近々来道され良き仲間と沢を楽しむでしょうが、私はそれが羨ましいですよ・・。
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