大雪、登山口で敗退・・・ナメワッカ岳 (1799m)
(4泊5日の計画も天候にあえなく敗退する諦めのいい夫婦・・・)
■ 山行日程 2010年4月28日(水)~5月2日(日) 4泊5日
■ ル ー ト 神威岳北東尾根~エサオマン~ナメワッカ岳 往復
■ メンバー 夫婦登山No.10
■ 登山形態 山スキー、ツボ足&スノーシュー、アイゼン、ピッケル
■ 地 形 図 1/25000地形図 「札内川上流」「イドンナップ岳」
「幌尻岳」 「札内岳」
■ タ イ ム 計測なし
★ 夏のリベンジ・・・
去る2005年8月、エサオマントッタベツ川から遡行し北東カールにBCを置いてナメワッカ岳を目指した
ことがある。「明瞭なる踏み跡」「微かなる踏み跡」と言われて日高の主稜線を沢靴のままハイ松と戦った
夏だった。25度を超える炎天下北東カールのルンゼを直登し札内分岐に登った。稜線では照り付ける太
陽と羽の付いた蟻のような虫が顔から頭にかけて常にまとわり付き悩まされた。 異常に喉が渇きガブガ
ブと水を消耗した。体調も悪くなりナメワッカ分岐手前で水も僅かとなり時間もかかり過ぎてしまった。
無念にもナメワッカ岳を真東から眺めながら挑戦を諦めて撤退した山行を思い出す。結果的には軽い日
射病で体調を崩したと思われるが札内分岐に戻る頃には体調も戻り元気になっていたのが悔しかった。
それでも始めてだったエサオマンの遡行と神秘的な北東カールには感動し、快晴のエサオマン頂上か
らの眺望も楽しめて撤退を悔いること無く下山した夫婦登山だった。いつか必ず遥かなるナメワッカを目指
して・・と心に誓った事も忘れてはいない。
昨年5月、HYMLのメンバーganさんともっちゃんの辿ったナメワッカ岳の備忘録を読んで火が付いた。
今年のGWに自分たちも再び挑戦しようと・・・
★ 季節逆戻り・・・
【 4/28(水) 】 大雨・・・
今年は「異常気象」にことごとく苦しめられた年である。特に大雪だったと言うのではなく積った雪が解
けない寒い春を迎えてしまったためなのだろうか。季節外れの冷たい雨や雪が繰り返し訪れどこの山も
残雪が多くて林道の雪も解けずに通行止めのところが多い。
ここ戸蔦別林道も例外ではなく林道入口である拓成橋を渡って約8キロ入ったトッタベツヒュッテから
300mも進むと除雪が終了し、1mを超える残雪がその先の林道を埋め尽くしていた。
当初の予定では、北東尾根の取付き近くまで車で入れることを前提に3泊4日の計画だったが、事前に
もっちゃん情報として入手していた林道状況を元に計画を4泊5日に変更しての出発だった。そのため予
備日がなくなり悪天による停滞は目的達成を諦めるサインでもあった。
18:30 自宅を出発。 ある覚悟を持ちながらとにかく現地まで・・・と大雨の中の出発である。
22:30 最終除雪地点(今回の登山口)に到着。途中の大雨と一時道に迷い30~40分のタイムロス
があったがなんとか到着し安堵する。雨は小雨となり誰も居ない林道脇に駐車して軽い安着と明日の好
天を祈って早々に就寝した。
★ 危機迫る大雪・・・
【 4/29(木) 】
5:00 セットの目覚ましで一応起床する。好天を祈った朝に期待して外を覗うと自分の目を疑った・・・。
なんと深々と雪が降っていたのだ。たしかに予報でも雪ではあったがこの時期にあってここまで積る雪は
想定外だった。外に出るとすでに10cmを超える積雪があった。重く湿った雪だった。周りの木々もすっか
り雪化粧し一変した風景となってしまった。
4/29 朝の戸蔦別林道最終除雪地点・・・
★ 諦めの境地・・・
高速落下する湿った雪を見て、そのまま起きて出発準備をする気にならなかった。少なくともこの先林道
を約8キロ歩く最初のアルバイトがあり身体を濡らしてしまってはお終いと考えた。せめて雪が収まるのを
待とう・・と再びシュラフに潜り込んだ。途中何度か目を覚ますたびに外を覗うが依然として雪は降り続き、
気が付くと10:00を過ぎていた。
すでに本日の行動は中止し停滞と共にナメワッカ計画の敗退は寝床で決めていたが、せめてカムイ岳で
も登れないかと思案していた。
外に出てみるとなんと20cmを超える積雪になっていた。雪が収まるのを待つというよりも帰りの林道が
心配となり、早々に車を移動することにした。もう気持ちの中には諦めの境地が芽生えていたかも知れな
い。
4/29 移動前のエバ車・・・見た目以上に雪は積っている。
★ 仕切り直し・・・
10:30 移動開始。
湿った雪のせいかなんとか車は走った。ジャバジャバと雪を跳ね除けて・・・来た道を戻る。
ヒュッテ近くの林道に車一台を確認、挨拶をする。聞くと前日まで南日高の山を登り残った明日まで休日
を利用してカムイ岳でも登ろうとして来たらしい。若い二人組だったがその後登ったかどうかは分からない。
結果的に彼らが私たちの代わりに林道のトレースを付けてくれた訳で、移動する必要はなくなったのだが
何故か移動を続行するエバ夫婦だった。
そのまま出口へ向かう。
車中、夫婦の会話・・・
カムイ岳でも・・・という思案を含め幾つかの山行続行案は浮上していたが、4/29、30も雨予報と知り、登
山口に戻って一日二日と停滞しているのも意味が無いと考え始めていた。 ここは計画を一端白紙に戻し
帰宅、天気予報と相談して計画を仕切り直ししようと結論付けた。
14:15 帰宅
ナメワッカ岳最初のリベンジ計画はこうして終了した。必ずや来年も・・・という5年前の誓いは忘れない。
まずは、お疲れ様でした。
★ なんのご褒美か?・・・
先日の西暑寒岳の帰りに立寄った増毛の国稀酒造で買った
蔵元限定販売の新酒「本蔵造・原酒」を開ける。
国稀酒造の中では一番の辛口酒。口の中で広がるピリッと
した辛さと共に透き通った滑らかな喉越しアルコール度19.5度の
原酒ならではの深みを感じる味わいがなんとも美味しかった。
いったいなんのご褒美なのか・・・
山に失敗しても無事下山したご褒美か、まぁ旨い酒が飲める内は幸せだぁ~。
(4泊5日の計画も天候にあえなく敗退する諦めのいい夫婦・・・)
■ 山行日程 2010年4月28日(水)~5月2日(日) 4泊5日
■ ル ー ト 神威岳北東尾根~エサオマン~ナメワッカ岳 往復
■ メンバー 夫婦登山No.10
■ 登山形態 山スキー、ツボ足&スノーシュー、アイゼン、ピッケル
■ 地 形 図 1/25000地形図 「札内川上流」「イドンナップ岳」
「幌尻岳」 「札内岳」
■ タ イ ム 計測なし
★ 夏のリベンジ・・・
去る2005年8月、エサオマントッタベツ川から遡行し北東カールにBCを置いてナメワッカ岳を目指した
ことがある。「明瞭なる踏み跡」「微かなる踏み跡」と言われて日高の主稜線を沢靴のままハイ松と戦った
夏だった。25度を超える炎天下北東カールのルンゼを直登し札内分岐に登った。稜線では照り付ける太
陽と羽の付いた蟻のような虫が顔から頭にかけて常にまとわり付き悩まされた。 異常に喉が渇きガブガ
ブと水を消耗した。体調も悪くなりナメワッカ分岐手前で水も僅かとなり時間もかかり過ぎてしまった。
無念にもナメワッカ岳を真東から眺めながら挑戦を諦めて撤退した山行を思い出す。結果的には軽い日
射病で体調を崩したと思われるが札内分岐に戻る頃には体調も戻り元気になっていたのが悔しかった。
それでも始めてだったエサオマンの遡行と神秘的な北東カールには感動し、快晴のエサオマン頂上か
らの眺望も楽しめて撤退を悔いること無く下山した夫婦登山だった。いつか必ず遥かなるナメワッカを目指
して・・と心に誓った事も忘れてはいない。
昨年5月、HYMLのメンバーganさんともっちゃんの辿ったナメワッカ岳の備忘録を読んで火が付いた。
今年のGWに自分たちも再び挑戦しようと・・・
★ 季節逆戻り・・・
【 4/28(水) 】 大雨・・・
今年は「異常気象」にことごとく苦しめられた年である。特に大雪だったと言うのではなく積った雪が解
けない寒い春を迎えてしまったためなのだろうか。季節外れの冷たい雨や雪が繰り返し訪れどこの山も
残雪が多くて林道の雪も解けずに通行止めのところが多い。
ここ戸蔦別林道も例外ではなく林道入口である拓成橋を渡って約8キロ入ったトッタベツヒュッテから
300mも進むと除雪が終了し、1mを超える残雪がその先の林道を埋め尽くしていた。
当初の予定では、北東尾根の取付き近くまで車で入れることを前提に3泊4日の計画だったが、事前に
もっちゃん情報として入手していた林道状況を元に計画を4泊5日に変更しての出発だった。そのため予
備日がなくなり悪天による停滞は目的達成を諦めるサインでもあった。
18:30 自宅を出発。 ある覚悟を持ちながらとにかく現地まで・・・と大雨の中の出発である。
22:30 最終除雪地点(今回の登山口)に到着。途中の大雨と一時道に迷い30~40分のタイムロス
があったがなんとか到着し安堵する。雨は小雨となり誰も居ない林道脇に駐車して軽い安着と明日の好
天を祈って早々に就寝した。
★ 危機迫る大雪・・・
【 4/29(木) 】
5:00 セットの目覚ましで一応起床する。好天を祈った朝に期待して外を覗うと自分の目を疑った・・・。
なんと深々と雪が降っていたのだ。たしかに予報でも雪ではあったがこの時期にあってここまで積る雪は
想定外だった。外に出るとすでに10cmを超える積雪があった。重く湿った雪だった。周りの木々もすっか
り雪化粧し一変した風景となってしまった。
4/29 朝の戸蔦別林道最終除雪地点・・・
★ 諦めの境地・・・
高速落下する湿った雪を見て、そのまま起きて出発準備をする気にならなかった。少なくともこの先林道
を約8キロ歩く最初のアルバイトがあり身体を濡らしてしまってはお終いと考えた。せめて雪が収まるのを
待とう・・と再びシュラフに潜り込んだ。途中何度か目を覚ますたびに外を覗うが依然として雪は降り続き、
気が付くと10:00を過ぎていた。
すでに本日の行動は中止し停滞と共にナメワッカ計画の敗退は寝床で決めていたが、せめてカムイ岳で
も登れないかと思案していた。
外に出てみるとなんと20cmを超える積雪になっていた。雪が収まるのを待つというよりも帰りの林道が
心配となり、早々に車を移動することにした。もう気持ちの中には諦めの境地が芽生えていたかも知れな
い。
4/29 移動前のエバ車・・・見た目以上に雪は積っている。
★ 仕切り直し・・・
10:30 移動開始。
湿った雪のせいかなんとか車は走った。ジャバジャバと雪を跳ね除けて・・・来た道を戻る。
ヒュッテ近くの林道に車一台を確認、挨拶をする。聞くと前日まで南日高の山を登り残った明日まで休日
を利用してカムイ岳でも登ろうとして来たらしい。若い二人組だったがその後登ったかどうかは分からない。
結果的に彼らが私たちの代わりに林道のトレースを付けてくれた訳で、移動する必要はなくなったのだが
何故か移動を続行するエバ夫婦だった。
そのまま出口へ向かう。
車中、夫婦の会話・・・
カムイ岳でも・・・という思案を含め幾つかの山行続行案は浮上していたが、4/29、30も雨予報と知り、登
山口に戻って一日二日と停滞しているのも意味が無いと考え始めていた。 ここは計画を一端白紙に戻し
帰宅、天気予報と相談して計画を仕切り直ししようと結論付けた。
14:15 帰宅
ナメワッカ岳最初のリベンジ計画はこうして終了した。必ずや来年も・・・という5年前の誓いは忘れない。
まずは、お疲れ様でした。
★ なんのご褒美か?・・・
先日の西暑寒岳の帰りに立寄った増毛の国稀酒造で買った
蔵元限定販売の新酒「本蔵造・原酒」を開ける。
国稀酒造の中では一番の辛口酒。口の中で広がるピリッと
した辛さと共に透き通った滑らかな喉越しアルコール度19.5度の
原酒ならではの深みを感じる味わいがなんとも美味しかった。
いったいなんのご褒美なのか・・・
山に失敗しても無事下山したご褒美か、まぁ旨い酒が飲める内は幸せだぁ~。