道央・札幌・積丹1000m超峰全52座夫婦で踏破
余 別 岳 (1298m) ・・北尾根ルート
■ 山 行 日 2017年4月24日(月) 日帰り
■ ル ー ト 北尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №12
■ 登 山 形 態 山スキー&ツボ足登行
■ 地 形 図 1/25000地形図 「積丹」「余別」
■ 三角点・点名 一等三角点 点名「余別岳 ヨベツダケ」
■ コースタイム 登り 5時間35分 下り 2時間35分
<登り>
07:55 林道ゲート前広場駐車
08:25 スタート
09:15~20 C450北尾根スキーを履く
10:20~30 C705北尾根 休
11:55~12:00 1029標高点スキーデポ
12:25 C970コル
14:00 余別岳頂上
<下り>
14:20 下山開始
15:03 C970コル
15:33~40 1029標高点スキーデポ地
16:30~40 C450尾根上
16:50 林道出合
16:55 駐車場
携帯GPSログを元に辿った足跡です・・・往復15.4キロでした
★ 道央・札幌・積丹の1000m超峰・・・
(標高順) (夫婦で初登頂した年月日・ルートなど)
001. 羊蹄山 (1898m) (04.06.14 比羅夫コース 他1名)
002. 余市岳 (1488m) (08.06.19 キロロスキー場コース)
003. 無意根山 (1464m) (05.04.24 並河岳~縦走 他5名)
004. 中 岳 (1388m) (05.04.24 並河岳~縦走 他5名)
005. ホロホロ山 (1322m) (03.11.16 徳舜瞥山~)
006. 恵庭岳 (1320m) (94.09.14 ポロピナイコース 他1名)
007. 漁 岳 (1318m) (00.07.30 漁川本流ルート 沢登り)
008. 徳舜瞥山 (1309m) (03.11.16 徳舜瞥山~ホロホロ山)
009. アンヌプリ (1308m) (08.04.02 比羅夫スキー場~ 山スキー)
010. 白井岳 (1301m) (04.02.01 国際スキー横~ 山スキー)
011. 余別岳 (1298m) (17.04.24 北尾根ルート 山スキー)
012. 狭薄山 (1296m) (16.04.10 盤の沢林道~ 山スキー)
013. 札幌岳 (1293m) (05.11.05 冷水沢コース)
014. 朝里岳 (1280m) (17.01.20 朝里峠ルート 山スキー)
015. 並河岳 (1258m) (05.04.24 並河岳~無意根山縦走 他5名)
016. 積丹岳 (1255m) (14.07.20 婦美コース)
017. 空沼岳 (1251m) (05.05.04 金山沢林道~漁岳縦走 山スキー 他1名 雪洞泊)
018. 小漁山 (1235m) (07.04.07 漁岳林道~漁岳経由 山スキー)
019. オロフレ山 (1231m) (04.11.21 峠コース)
020. 目国内岳 (1220m) (03.05.11 新見峠~ 山スキー)
021. 雷電山 (1212m) (07.07.29 岩内スキー場コース~)
022. 長尾山 (1211m) (07.04.22 豊羽鉱山ルート 山スキー)
023. 前雷電 (1204m) (07.07.29 岩内スキー場コース~)
024. 喜茂別岳 (1180m) (05.04.24 並河岳~無意根山縦走 山スキー 他5名)
025. 幌別岳 (1174m) (07.07.29 岩内スキー場コース~)
026. 定山渓天狗岳 (1145m) (08.07.29 熊の沢コース)
027. ポンネアンチシ山 (1145m) (11.04.18 大川林道~ 山スキー 他3名)
028. チセヌプリ (1134m) (04.03.07 チセスキー場~ 山スキー)
029. イワオヌプリ (1116m) (02.10.20 他5名 山の家泊)
030. 大沼山 (1111m) (07.03.16 豊羽鉱山ルート 他2名)
031. 烏帽子岳 (1110m) (07.09.11 百松沢林道コース)
032. 尻別岳 (1107m) (08.06.25 喜茂別コース)
033. 風不死岳 (1103m) (02.08.16 北尾根コース~ヒュッテ)
034. 珊内岳 (1091m) (12.04.21 大川林道ルート 他2名)
035. 岩内岳 (1086m) (07.07.29 岩内スキー場コース)
036. ヒクタ峰 (1083m) (12.02.01 東尾根ルート)
037. ニトヌプリ (1083m) (02.10.20 夏道コース)
038. カルルス山 (1075m) (10.10.18 オロフレ峠コース)
039. シャクナゲ岳 (1074m) (06.05.12 雪秩父スキー場ルート)
040. 美比内山 (1071m) (07.03.16 豊羽鉱山ルート 他2名)
041. ワイスホルン (1046m) (08.04.25 南東尾根ルート 山スキー)
042. フレ岳 (1046m) (11.04.07 千歳鉱山林道ルート)
043. 昆布岳 (1045m) (07.10.24 豊浦コース)
044. 百松沢山 (1043m) (04.02.11 宮城の沢川林道ルート 他1名)
045. 来馬岳(1041m) (03.12.14 来馬スキー場コース)
046. 丹鳴岳 (1040m) (11.04.07 千歳鉱山林道ルート)
047. 小イワオヌプリ (1039m) (08.03.30 東側コルから)
048. 手稲山 (1024m) (95.07.05 平和の滝コース)
049. 樽前山(東山) (1023m) (01.03.25 ヒュッテコース)
050. 阿女鱒岳 (1014m) (06.12.16 赤井川村落合ルート)
051. 本倶登山 (1009m) (12.02.22 西尾根ルート)
052. 迷沢山 (1006m) (07.01.19 上平沢林道ルート)
<参考>
当初、積丹半島の珊内岳の南に位置する「赤石岳(約1000m)」もカウントしていたが、
その後正式な標高は998mと分かり対象外としました。
また、大沼山は地形図に山名は無いが愛好家の中では通称名としてメジャーになりつつあるのでカウントした。
更にカルルス山は、下記の理由により追加する事にした。
<HP一人歩きの北海道山紀行より>
オロフレ峠の登山口からはかつては1077メートル峰(通称バケモノ山)に道が通じ、ある人物により登山道が
開削され山頂に山頂碑も建てられたが、1077メートル峰は支笏洞爺国立公園内にあり本来勝手に登山道を
開削したり工作物を建てることは許されないことである。
それに対して営林署や環境省の意向により、平成21年に、登別山岳会がオロフレ峠から来馬岳への登山道を
1077メートル峰から約300メートル西側の国立公園区域から外れているルートに変更し、隣接する標高1075
メートルの無名峰を「カルルス山」と命名したものである。 現在は1077メートル峰への登山道は閉鎖され、
構造物も撤去されている。
この他にも、ガニマナコ右目(1010m)、北漁岳(1129m)、羊蹄山(北山)(1843m)、樽前山(本峰)(1041m)
長峰(1080m)、バケモノ山(1077m)、真狩岳(1893m)など通称名で呼ばれる1000mを超えたものは
あるが、ガニマナコ右目と長峰は通称名でも山や岳ではないと判断しバケモノ山は個人が国立公園内に
開削して作った認められざる山であり、羊蹄山北山と羊蹄山真狩岳は外輪上の三角点の点名が通称として
呼ばれたもの。羊蹄山の最高点で地形図に山名のある1898mの一座をカウントする事にした。
樽前山本峰は、活火山の溶岩ドームの最高点を差し登山禁止となっているピーク。北漁岳は登山界でも
マイナーであり地形図に山名が無い事から対象外とした。(個人的見解)
※ こうしたことからも山のカウントには、個人的な違いもあり私が数えた52座が全てと言う訳ではない。
もし、「この山はカウントすべき」というものがあればご教授願いたい。
★ メモリアルプロローグ・・・
私が積丹半島の山に始めて登ったのが、1999(H11)年5月。
当時所属していた山岳会のメンバーと珊内岳~積丹岳まで山中2泊の縦走計画だった。
しかし、珊内岳に繋がる尾根にほとんど残雪がなくルート変更を余儀なくされる。
次の案を当丸峠~積丹岳に変更し、下山予定の積丹岳登山口林道最終除雪地にバイクをデポ。
当丸峠に車を駐車しスタートした。1日目、両古美山を経由しポンネアンチシ山の手前でテント泊。
2日目、ポンネアンチシ山に登るも急斜面に手こずり更に頂上直下は残雪が崩れて
クレパス状に大きく口を開き、ルート探しに時間を要したことは今も鮮明に覚えている。
ようやく登った時は時間切れでポンネアンチシ山の頂上にテントを張った。
そして、最終日はシートラで痩せ尾根を辿るもアップダウンと灌木にスキーが引っかかり
これも難儀しながら積丹岳の登頂だった。下りのスキーはザラメ状の雪もブレーキが掛かる
悪質で何度も転倒する始末。デポしたバイクに着いたときはヘロヘロ状態だった。
それでも私がバイクに乗りひとり当丸峠へ車の回収に走った・・・。
今回の余別岳は、私にとって2度目の登頂となったが妻チーヤンにとっても2度目の挑戦であり
小樽の岳友パッポ隊長チームと2011年4月に神恵内・大川林道からポンネアンチシ山を
経由して余別岳まで往復の計画で出発した。しかし、ポンネを過ぎた辺りから天候が急変し
吹雪となり余別岳登頂を諦めて撤退、以後ずっと気になっていた一座になっていた。
その山に今度は北尾根ルートを選択したが、これもパッポ隊長の登行記録を参考にしたもので
感謝している。結果、予定以上に時間は掛かったが無事登頂・下山し、メモリアルな一座と
なった事は忘れる事がないだろう。
★ 絶好の登山日和・・・
先日決行した日高のピリカヌプリは、主稜線まで登ったものの強風とガスに阻まれ登行中止、
撤退という残念な結果に終わった。しかし、HYMLの仲間が加わった心強い山行であったし
重荷を背負って急傾斜の沢を登り切り稜線まで登れた事は大きな自信に繋がったので成果は大きい。
次の気になる一座を模索しながら「天気予報と睨めっこ」は重要なポイントで快晴の登山日和で
臨めることが何より一番である。それが「余別岳」を選択した大きな理由だった。
積丹林道ゲートの手前に数台分の駐車スペースがある。
積丹林道ゲート (施錠されている)
取付く尾根まで林道は5分ほどのシートラ
北尾根への斜面は急でシートラのまま登る事にした・・
★ 入口は温泉道路・・・
予報通りの快晴に恵まれ、早々出発前からテンションが上がる。
しかし、寝坊してしまい1時間遅れて出発。一般道を利用し小樽経由で現地まで3時間10分を要した。
余別岳北尾根取付きまでの林道入口は、意外にも岬の湯「しゃこたん」という温泉場に繋がる道路から
すぐに分岐した林道に入る。約3.5キロ走ったところでゲートがあり手前に駐車スペースがあった。
ゲートには「積丹林道」の標識があり施錠されている。現在地をGPSで確認すると地形図上の林道終点を
示し、ゲートを超えたところが北尾根の北端となっていた。実際には林道は更に続き北尾根の西側に
伸びているようだった。
スタートは、林道に雪が無かったのでシートラで歩く事になり、北尾根の末端にも残雪がないので林道を
少し歩く事にした。5分ほど進むと北尾根C300付近の西斜面側に残雪が出て来た。
よく見ると踏み跡がありその奥は松の植林帯になっている。踏み跡を辿るとピンクのテープも付いていて
北尾根西斜面に繋がっていた。残雪は一応尾根まで繋がっていたが結構な急斜面・・。
灌木や散乱した小枝なども多かったのでシートラのままツボ足で登る事にした。
斜面の残雪は少し腐り始めていたがツボ足でも埋まる事無くしっかりステップが切れたので、何とか
登る事が出来た。C450付近の尾根上に出た時は、吹き出る汗を拭き安心感に安堵する。
そして、スキーを履き尾根を辿った。
北尾根C450付近の尾根上でスキーを履いた・・以降1029までスキー登行
北尾根C670付近から望む積丹岳1255m
ハイ松や岩が顔を出し感動の白さを失いつつある積丹岳・・ここにも春が近いと感じる風景だった。
北尾根C750まで登ると疎林となり視界が一気に広がる・・
両山が少しずつ近くなってきた・・
ようやく余別岳の頂上部が姿を現す・・・
1029手前にて・・
たまに被写体のエバ・・
★ 1029から核心部・・・
C450付近の細い北尾根から少しずつ尾根は広がり樹林帯の中に入っていく。
675標高点付近から樹林帯を抜けて低木帯となり視界が急に開けて来る。そして南東方向には
雄姿・積丹岳を望みつつ融雪が進んだ春の山を実感した。自分たちがいる場所は正に余別岳の
北尾根と確信し、登ってみれば残雪たっぷりの別世界に居合わす幸福感も湧いて来た。
雪の照り返しは半端ないが快晴・微風の贅沢極まる登山日和に何一つ文句の付けようがない。
長い長い北尾根も949.3三角点辺りまでは緩斜度の登りで順調だった。
しかし、尾根は急に細くなり両サイドの斜面は標高差300m以上となって来た。
西斜面はハイ松帯が広がるも東斜面は絶壁に近い。落ちたらケガでは済まない斜度がある。
慎重に痩せ尾根を登ると前方に1029と思われるポコに近付いていく。
1029で即決スキーデポを決める。
その先の西側はハイ松、東側は崖のような絶壁のナイフリッジだった。更に大きな熊の足跡がここから
始まっていた。直ぐに笛を出し足跡の先に向かって吹き鳴らした。足跡はリッジに残る僅かな雪の上を
辿りコルの手前で西斜面に移動していた。その先を目で追うと足跡は幾つもの沢を越えて見えなくなった。
熊の通った後はしっかり固められ歩き易いのでちゃっかり利用する。
それでも慎重にコルまで標高差約50mの下降となる。そして前方に突き上げるような尖がり。
標高差で150mはありこのルートの核心部と言えよう。
通常ならピッケルを持ちアイゼンを付けて急斜面を登るのが正統派なのかも知れないが
ツボ足でも充分にステップが切れて低い灌木も途中から繋がっていたので使う事にした。
もう少し早い時期であれば、アイゼン・ピッケルで難なく登ってしまう斜面も両手で灌木に
つかまりしがみついて登る様は、藪山に挑む様と類似し「なんでここで・・」と笑ってしまう。
登りのタイムチェックは忘れたが15分前後は掛かったと思う。
1029にスキーをデポ。痩せ尾根をツボ足で辿るもハイ松漕ぎを強いられる。
痩せ尾根にオヤジの足跡がクッキリ・・・進む方向が一緒で笛を吹く
このルートの核心部は痩せ尾根の通過とコルからの登りだ!
痩せ尾根の下り・・一部残雪が切れてハイ松が覆う場所あり
ハイ松漕ぎ・・・
コルからの登りは標高差150mだ!
コルからの登り・・・背景のポコは1029ピーク
★ 一転・強風・・・
急登を終えて登ったところがC1100付近の尾根上で頂上台地の肩になる。
「頂上は近いぞ!」と思わせながら地形図を見てガッカリ・・・まだ1キロメール以上あった。
更に西からの強風がプラスされこの天候でも暖かい~寒い・痛いに変わる。
ハイ松と白樺の若木が顔を出し歩きにくいので木の無い東斜面の縁を辿る。
そして、いよいよというところで初登頂のチーヤンに先頭を歩いてもらった。
ようやく頂上尾根もまだまだ先が長い・・・
頂上付近から西側の尾根尾根に珊内岳やガニマナコそして尖がった鉞山を望む・・
登行5時間、やっと頂上のポコが見えた・・・
初登頂へチーヤンが先頭でもうひと頑張りだ!
やりましたぁ~! 余別岳登頂です。これで道央・積丹1000m超峰全52座夫婦で踏破です!
★ 感慨深く・・・
14:00 余別岳頂上
5時間半も掛けて登って来たのに、強風と寒さで休む余裕はなかった。
取り敢えず登頂写真だけ撮り、風下の斜面に移動した。風が当たらないと暖かさが戻りようやく
周りの景色を見渡す余裕が出来てホッとする。
恒例の山頂コーラはビールの代わり・・喉越しへのご褒美だ。
隣の積丹岳を望み「あぁ~3年前の夏に来たよな」とかポンネアンチシ山は「意外に低く見えるなぁ」とか
「あれが大川林道から登った珊内岳だぁ~」と山座同定しつつ登った山々に思いを馳せた・・。
どの山も一つ一つ思い出はあるが、余別岳登頂がメモリアルな一座となって一つの区切りとなる。
道央圏の1000m超峰全52座の内、登山道のある山は34座。登山道の無い18座の中でも
今回の余別岳を始めポンネアンチシ山と珊内岳、そして札幌の狭薄山は2度3度リベンジした山で
特に印象の残る山となった。パッポ隊長夫妻との出会いとなった美比内山~大沼山も思い出深いし
それがキッカケでHYMLを知りその後ブログの開設にも繋がっていった。
まだまだ目標は遥かなりであるが、一つ一つマイペースを守り安全に無理なくをモットーに
結果「有終完美」でありたいと思うのは贅沢であろうか。
余別岳頂上から望む積丹岳
頂上から南を望み羊蹄が・・・
★ 下山・・・
14:20 下山開始
風は心持ち弱まり陽も傾き始めた頃ようやく下山の途に就く。
疲れているのに下りの足取りは軽い、1029から登り2時間掛かったピークから下りは1時間ちょっと。
シールを外し程よいザラメ状の雪は、勢い良く滑ってあっという間に距離を稼ぐ。
C450の尾根上で再びシートラでスキーを背負う。
林道に降りれば程なくゲートと車のある駐車帯に着いた。
そのまま岬の湯「しゃこたん」で汗を流すも真っ黒に雪焼けした顔が痛々しい。
21:30 無事、自宅に着いた。
何と言っても下りは早い・・・
ちょうど良いザラメ状の雪はスキーがよく滑って楽しい・・
☆ 4/27 アップ終了しました!
余 別 岳 (1298m) ・・北尾根ルート
■ 山 行 日 2017年4月24日(月) 日帰り
■ ル ー ト 北尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №12
■ 登 山 形 態 山スキー&ツボ足登行
■ 地 形 図 1/25000地形図 「積丹」「余別」
■ 三角点・点名 一等三角点 点名「余別岳 ヨベツダケ」
■ コースタイム 登り 5時間35分 下り 2時間35分
<登り>
07:55 林道ゲート前広場駐車
08:25 スタート
09:15~20 C450北尾根スキーを履く
10:20~30 C705北尾根 休
11:55~12:00 1029標高点スキーデポ
12:25 C970コル
14:00 余別岳頂上
<下り>
14:20 下山開始
15:03 C970コル
15:33~40 1029標高点スキーデポ地
16:30~40 C450尾根上
16:50 林道出合
16:55 駐車場
携帯GPSログを元に辿った足跡です・・・往復15.4キロでした
★ 道央・札幌・積丹の1000m超峰・・・
(標高順) (夫婦で初登頂した年月日・ルートなど)
001. 羊蹄山 (1898m) (04.06.14 比羅夫コース 他1名)
002. 余市岳 (1488m) (08.06.19 キロロスキー場コース)
003. 無意根山 (1464m) (05.04.24 並河岳~縦走 他5名)
004. 中 岳 (1388m) (05.04.24 並河岳~縦走 他5名)
005. ホロホロ山 (1322m) (03.11.16 徳舜瞥山~)
006. 恵庭岳 (1320m) (94.09.14 ポロピナイコース 他1名)
007. 漁 岳 (1318m) (00.07.30 漁川本流ルート 沢登り)
008. 徳舜瞥山 (1309m) (03.11.16 徳舜瞥山~ホロホロ山)
009. アンヌプリ (1308m) (08.04.02 比羅夫スキー場~ 山スキー)
010. 白井岳 (1301m) (04.02.01 国際スキー横~ 山スキー)
011. 余別岳 (1298m) (17.04.24 北尾根ルート 山スキー)
012. 狭薄山 (1296m) (16.04.10 盤の沢林道~ 山スキー)
013. 札幌岳 (1293m) (05.11.05 冷水沢コース)
014. 朝里岳 (1280m) (17.01.20 朝里峠ルート 山スキー)
015. 並河岳 (1258m) (05.04.24 並河岳~無意根山縦走 他5名)
016. 積丹岳 (1255m) (14.07.20 婦美コース)
017. 空沼岳 (1251m) (05.05.04 金山沢林道~漁岳縦走 山スキー 他1名 雪洞泊)
018. 小漁山 (1235m) (07.04.07 漁岳林道~漁岳経由 山スキー)
019. オロフレ山 (1231m) (04.11.21 峠コース)
020. 目国内岳 (1220m) (03.05.11 新見峠~ 山スキー)
021. 雷電山 (1212m) (07.07.29 岩内スキー場コース~)
022. 長尾山 (1211m) (07.04.22 豊羽鉱山ルート 山スキー)
023. 前雷電 (1204m) (07.07.29 岩内スキー場コース~)
024. 喜茂別岳 (1180m) (05.04.24 並河岳~無意根山縦走 山スキー 他5名)
025. 幌別岳 (1174m) (07.07.29 岩内スキー場コース~)
026. 定山渓天狗岳 (1145m) (08.07.29 熊の沢コース)
027. ポンネアンチシ山 (1145m) (11.04.18 大川林道~ 山スキー 他3名)
028. チセヌプリ (1134m) (04.03.07 チセスキー場~ 山スキー)
029. イワオヌプリ (1116m) (02.10.20 他5名 山の家泊)
030. 大沼山 (1111m) (07.03.16 豊羽鉱山ルート 他2名)
031. 烏帽子岳 (1110m) (07.09.11 百松沢林道コース)
032. 尻別岳 (1107m) (08.06.25 喜茂別コース)
033. 風不死岳 (1103m) (02.08.16 北尾根コース~ヒュッテ)
034. 珊内岳 (1091m) (12.04.21 大川林道ルート 他2名)
035. 岩内岳 (1086m) (07.07.29 岩内スキー場コース)
036. ヒクタ峰 (1083m) (12.02.01 東尾根ルート)
037. ニトヌプリ (1083m) (02.10.20 夏道コース)
038. カルルス山 (1075m) (10.10.18 オロフレ峠コース)
039. シャクナゲ岳 (1074m) (06.05.12 雪秩父スキー場ルート)
040. 美比内山 (1071m) (07.03.16 豊羽鉱山ルート 他2名)
041. ワイスホルン (1046m) (08.04.25 南東尾根ルート 山スキー)
042. フレ岳 (1046m) (11.04.07 千歳鉱山林道ルート)
043. 昆布岳 (1045m) (07.10.24 豊浦コース)
044. 百松沢山 (1043m) (04.02.11 宮城の沢川林道ルート 他1名)
045. 来馬岳(1041m) (03.12.14 来馬スキー場コース)
046. 丹鳴岳 (1040m) (11.04.07 千歳鉱山林道ルート)
047. 小イワオヌプリ (1039m) (08.03.30 東側コルから)
048. 手稲山 (1024m) (95.07.05 平和の滝コース)
049. 樽前山(東山) (1023m) (01.03.25 ヒュッテコース)
050. 阿女鱒岳 (1014m) (06.12.16 赤井川村落合ルート)
051. 本倶登山 (1009m) (12.02.22 西尾根ルート)
052. 迷沢山 (1006m) (07.01.19 上平沢林道ルート)
<参考>
当初、積丹半島の珊内岳の南に位置する「赤石岳(約1000m)」もカウントしていたが、
その後正式な標高は998mと分かり対象外としました。
また、大沼山は地形図に山名は無いが愛好家の中では通称名としてメジャーになりつつあるのでカウントした。
更にカルルス山は、下記の理由により追加する事にした。
<HP一人歩きの北海道山紀行より>
オロフレ峠の登山口からはかつては1077メートル峰(通称バケモノ山)に道が通じ、ある人物により登山道が
開削され山頂に山頂碑も建てられたが、1077メートル峰は支笏洞爺国立公園内にあり本来勝手に登山道を
開削したり工作物を建てることは許されないことである。
それに対して営林署や環境省の意向により、平成21年に、登別山岳会がオロフレ峠から来馬岳への登山道を
1077メートル峰から約300メートル西側の国立公園区域から外れているルートに変更し、隣接する標高1075
メートルの無名峰を「カルルス山」と命名したものである。 現在は1077メートル峰への登山道は閉鎖され、
構造物も撤去されている。
この他にも、ガニマナコ右目(1010m)、北漁岳(1129m)、羊蹄山(北山)(1843m)、樽前山(本峰)(1041m)
長峰(1080m)、バケモノ山(1077m)、真狩岳(1893m)など通称名で呼ばれる1000mを超えたものは
あるが、ガニマナコ右目と長峰は通称名でも山や岳ではないと判断しバケモノ山は個人が国立公園内に
開削して作った認められざる山であり、羊蹄山北山と羊蹄山真狩岳は外輪上の三角点の点名が通称として
呼ばれたもの。羊蹄山の最高点で地形図に山名のある1898mの一座をカウントする事にした。
樽前山本峰は、活火山の溶岩ドームの最高点を差し登山禁止となっているピーク。北漁岳は登山界でも
マイナーであり地形図に山名が無い事から対象外とした。(個人的見解)
※ こうしたことからも山のカウントには、個人的な違いもあり私が数えた52座が全てと言う訳ではない。
もし、「この山はカウントすべき」というものがあればご教授願いたい。
★ メモリアルプロローグ・・・
私が積丹半島の山に始めて登ったのが、1999(H11)年5月。
当時所属していた山岳会のメンバーと珊内岳~積丹岳まで山中2泊の縦走計画だった。
しかし、珊内岳に繋がる尾根にほとんど残雪がなくルート変更を余儀なくされる。
次の案を当丸峠~積丹岳に変更し、下山予定の積丹岳登山口林道最終除雪地にバイクをデポ。
当丸峠に車を駐車しスタートした。1日目、両古美山を経由しポンネアンチシ山の手前でテント泊。
2日目、ポンネアンチシ山に登るも急斜面に手こずり更に頂上直下は残雪が崩れて
クレパス状に大きく口を開き、ルート探しに時間を要したことは今も鮮明に覚えている。
ようやく登った時は時間切れでポンネアンチシ山の頂上にテントを張った。
そして、最終日はシートラで痩せ尾根を辿るもアップダウンと灌木にスキーが引っかかり
これも難儀しながら積丹岳の登頂だった。下りのスキーはザラメ状の雪もブレーキが掛かる
悪質で何度も転倒する始末。デポしたバイクに着いたときはヘロヘロ状態だった。
それでも私がバイクに乗りひとり当丸峠へ車の回収に走った・・・。
今回の余別岳は、私にとって2度目の登頂となったが妻チーヤンにとっても2度目の挑戦であり
小樽の岳友パッポ隊長チームと2011年4月に神恵内・大川林道からポンネアンチシ山を
経由して余別岳まで往復の計画で出発した。しかし、ポンネを過ぎた辺りから天候が急変し
吹雪となり余別岳登頂を諦めて撤退、以後ずっと気になっていた一座になっていた。
その山に今度は北尾根ルートを選択したが、これもパッポ隊長の登行記録を参考にしたもので
感謝している。結果、予定以上に時間は掛かったが無事登頂・下山し、メモリアルな一座と
なった事は忘れる事がないだろう。
★ 絶好の登山日和・・・
先日決行した日高のピリカヌプリは、主稜線まで登ったものの強風とガスに阻まれ登行中止、
撤退という残念な結果に終わった。しかし、HYMLの仲間が加わった心強い山行であったし
重荷を背負って急傾斜の沢を登り切り稜線まで登れた事は大きな自信に繋がったので成果は大きい。
次の気になる一座を模索しながら「天気予報と睨めっこ」は重要なポイントで快晴の登山日和で
臨めることが何より一番である。それが「余別岳」を選択した大きな理由だった。
積丹林道ゲートの手前に数台分の駐車スペースがある。
積丹林道ゲート (施錠されている)
取付く尾根まで林道は5分ほどのシートラ
北尾根への斜面は急でシートラのまま登る事にした・・
★ 入口は温泉道路・・・
予報通りの快晴に恵まれ、早々出発前からテンションが上がる。
しかし、寝坊してしまい1時間遅れて出発。一般道を利用し小樽経由で現地まで3時間10分を要した。
余別岳北尾根取付きまでの林道入口は、意外にも岬の湯「しゃこたん」という温泉場に繋がる道路から
すぐに分岐した林道に入る。約3.5キロ走ったところでゲートがあり手前に駐車スペースがあった。
ゲートには「積丹林道」の標識があり施錠されている。現在地をGPSで確認すると地形図上の林道終点を
示し、ゲートを超えたところが北尾根の北端となっていた。実際には林道は更に続き北尾根の西側に
伸びているようだった。
スタートは、林道に雪が無かったのでシートラで歩く事になり、北尾根の末端にも残雪がないので林道を
少し歩く事にした。5分ほど進むと北尾根C300付近の西斜面側に残雪が出て来た。
よく見ると踏み跡がありその奥は松の植林帯になっている。踏み跡を辿るとピンクのテープも付いていて
北尾根西斜面に繋がっていた。残雪は一応尾根まで繋がっていたが結構な急斜面・・。
灌木や散乱した小枝なども多かったのでシートラのままツボ足で登る事にした。
斜面の残雪は少し腐り始めていたがツボ足でも埋まる事無くしっかりステップが切れたので、何とか
登る事が出来た。C450付近の尾根上に出た時は、吹き出る汗を拭き安心感に安堵する。
そして、スキーを履き尾根を辿った。
北尾根C450付近の尾根上でスキーを履いた・・以降1029までスキー登行
北尾根C670付近から望む積丹岳1255m
ハイ松や岩が顔を出し感動の白さを失いつつある積丹岳・・ここにも春が近いと感じる風景だった。
北尾根C750まで登ると疎林となり視界が一気に広がる・・
両山が少しずつ近くなってきた・・
ようやく余別岳の頂上部が姿を現す・・・
1029手前にて・・
たまに被写体のエバ・・
★ 1029から核心部・・・
C450付近の細い北尾根から少しずつ尾根は広がり樹林帯の中に入っていく。
675標高点付近から樹林帯を抜けて低木帯となり視界が急に開けて来る。そして南東方向には
雄姿・積丹岳を望みつつ融雪が進んだ春の山を実感した。自分たちがいる場所は正に余別岳の
北尾根と確信し、登ってみれば残雪たっぷりの別世界に居合わす幸福感も湧いて来た。
雪の照り返しは半端ないが快晴・微風の贅沢極まる登山日和に何一つ文句の付けようがない。
長い長い北尾根も949.3三角点辺りまでは緩斜度の登りで順調だった。
しかし、尾根は急に細くなり両サイドの斜面は標高差300m以上となって来た。
西斜面はハイ松帯が広がるも東斜面は絶壁に近い。落ちたらケガでは済まない斜度がある。
慎重に痩せ尾根を登ると前方に1029と思われるポコに近付いていく。
1029で即決スキーデポを決める。
その先の西側はハイ松、東側は崖のような絶壁のナイフリッジだった。更に大きな熊の足跡がここから
始まっていた。直ぐに笛を出し足跡の先に向かって吹き鳴らした。足跡はリッジに残る僅かな雪の上を
辿りコルの手前で西斜面に移動していた。その先を目で追うと足跡は幾つもの沢を越えて見えなくなった。
熊の通った後はしっかり固められ歩き易いのでちゃっかり利用する。
それでも慎重にコルまで標高差約50mの下降となる。そして前方に突き上げるような尖がり。
標高差で150mはありこのルートの核心部と言えよう。
通常ならピッケルを持ちアイゼンを付けて急斜面を登るのが正統派なのかも知れないが
ツボ足でも充分にステップが切れて低い灌木も途中から繋がっていたので使う事にした。
もう少し早い時期であれば、アイゼン・ピッケルで難なく登ってしまう斜面も両手で灌木に
つかまりしがみついて登る様は、藪山に挑む様と類似し「なんでここで・・」と笑ってしまう。
登りのタイムチェックは忘れたが15分前後は掛かったと思う。
1029にスキーをデポ。痩せ尾根をツボ足で辿るもハイ松漕ぎを強いられる。
痩せ尾根にオヤジの足跡がクッキリ・・・進む方向が一緒で笛を吹く
このルートの核心部は痩せ尾根の通過とコルからの登りだ!
痩せ尾根の下り・・一部残雪が切れてハイ松が覆う場所あり
ハイ松漕ぎ・・・
コルからの登りは標高差150mだ!
コルからの登り・・・背景のポコは1029ピーク
★ 一転・強風・・・
急登を終えて登ったところがC1100付近の尾根上で頂上台地の肩になる。
「頂上は近いぞ!」と思わせながら地形図を見てガッカリ・・・まだ1キロメール以上あった。
更に西からの強風がプラスされこの天候でも暖かい~寒い・痛いに変わる。
ハイ松と白樺の若木が顔を出し歩きにくいので木の無い東斜面の縁を辿る。
そして、いよいよというところで初登頂のチーヤンに先頭を歩いてもらった。
ようやく頂上尾根もまだまだ先が長い・・・
頂上付近から西側の尾根尾根に珊内岳やガニマナコそして尖がった鉞山を望む・・
登行5時間、やっと頂上のポコが見えた・・・
初登頂へチーヤンが先頭でもうひと頑張りだ!
やりましたぁ~! 余別岳登頂です。これで道央・積丹1000m超峰全52座夫婦で踏破です!
★ 感慨深く・・・
14:00 余別岳頂上
5時間半も掛けて登って来たのに、強風と寒さで休む余裕はなかった。
取り敢えず登頂写真だけ撮り、風下の斜面に移動した。風が当たらないと暖かさが戻りようやく
周りの景色を見渡す余裕が出来てホッとする。
恒例の山頂コーラはビールの代わり・・喉越しへのご褒美だ。
隣の積丹岳を望み「あぁ~3年前の夏に来たよな」とかポンネアンチシ山は「意外に低く見えるなぁ」とか
「あれが大川林道から登った珊内岳だぁ~」と山座同定しつつ登った山々に思いを馳せた・・。
どの山も一つ一つ思い出はあるが、余別岳登頂がメモリアルな一座となって一つの区切りとなる。
道央圏の1000m超峰全52座の内、登山道のある山は34座。登山道の無い18座の中でも
今回の余別岳を始めポンネアンチシ山と珊内岳、そして札幌の狭薄山は2度3度リベンジした山で
特に印象の残る山となった。パッポ隊長夫妻との出会いとなった美比内山~大沼山も思い出深いし
それがキッカケでHYMLを知りその後ブログの開設にも繋がっていった。
まだまだ目標は遥かなりであるが、一つ一つマイペースを守り安全に無理なくをモットーに
結果「有終完美」でありたいと思うのは贅沢であろうか。
余別岳頂上から望む積丹岳
頂上から南を望み羊蹄が・・・
★ 下山・・・
14:20 下山開始
風は心持ち弱まり陽も傾き始めた頃ようやく下山の途に就く。
疲れているのに下りの足取りは軽い、1029から登り2時間掛かったピークから下りは1時間ちょっと。
シールを外し程よいザラメ状の雪は、勢い良く滑ってあっという間に距離を稼ぐ。
C450の尾根上で再びシートラでスキーを背負う。
林道に降りれば程なくゲートと車のある駐車帯に着いた。
そのまま岬の湯「しゃこたん」で汗を流すも真っ黒に雪焼けした顔が痛々しい。
21:30 無事、自宅に着いた。
何と言っても下りは早い・・・
ちょうど良いザラメ状の雪はスキーがよく滑って楽しい・・
☆ 4/27 アップ終了しました!