エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

日高一の景勝地ヌビナイ川へ

2020年07月27日 | 山紀行 (日高山系)
念願だった日高一の景勝地ヌビナイ川へ・・・
ソエマツ岳(1625m)ピリカヌプリ(1631m)
■ 山 行 日    2020年7月24日(金)~26日(日) 2泊3日
■ ル ー ト    ヌビナイ川上二股右股~ソエマツ岳~ピリカヌプリ
                       ~ヌビナイ川上二股左股下降ルート

■ メ ン バ ー     某山岳会会員HMY、KNM、TUCCY+ゲスト参加 夫婦登山№23
■ 登 山 形 態     沢登&藪漕ぎ
■ 地 形 図    1/25000地形図 「神威岳」「ヌビナイ川上流」
                          「ピリカヌプリ」「トヨニ岳」

■ 三角点・点名   ピリカヌプリ 二等三角点 点名「奴振 ヌプリ」
            ソエマツ岳 三角点無し 標高点のみ

■ コースタイム    1日目、10時間  2日目、15時間半  3日目、9時間
<1日目>
05:50      車止め、鹿鳴橋手前C257地点 駐車
06:10      出発、ヌビナイ川右岸林道へ
08:03      地形図上の林道終点(C360)
08:45      クマの沢(下二股)出合
11:10      507二股
16:00      790二股(上二股)   C1

<2日目>
04:35      C1 出発 上二股右股へ
08:25      ソエマツ岳(1625m)頂上
08:50      ピリカヌプリへ
10:30      1543P
11:45      1529P
13:40      1471P
16:25      ピリカヌプリ(1631m)頂上
16:30      下山開始、上二股左股へ下降
19:50      上二股 C1⇒C2

<3日目>
06:35      C2下山開始
10:15      507二股
12:50      クマの沢出合
13:15      林道終点出合
15:30      駐車地






★ プロローグ・・・
ビッグチャンス
2006年12月末、某山岳会を夫婦で退会した。
あれから早14年が経とうとしているが、退会後の夫婦登山をこうして続けられているのは、基本を学んで来た
あの時代が元であり、某山岳会に対する感謝の意を忘れたことはない。

このビックチャンスなお誘いはその山岳会のメンバーで今山行のリーダーHMYくんである。彼との出会いは
もう22年前になるが、ほぼ同じ時期に入会した事や同じ職場で働く先輩と後輩の関係でもあった。

登山に関して退会後に彼と同行する機会はこの14年間でも数えるほどしかなく、その間彼の飛躍した成長ぶ
りにはいつも驚かされていた。もう彼の足元にも及ばない私にヌビナイ川遡行のお誘いは、彼から私に対する
最初で最後のサプライズ山行だったかも知れない。

それは、私の「退職話」が機であった・・・。

私の退職の意は、以前から職場内では公表していたが、彼は最近知ったらしい・・。
ならば・・・と、以前から計画のあったヌビナイ川~ソエマツ岳~ピリカヌプリにそれぞれ未踏である私たち夫
婦を招待し、「退職前の記念山行として」という彼の優しい配慮からだった。

胸打たれる思いで甘えることになった。


※ 掲載している写真は、すべて同行のKNMさんとTUCCYさんから頂きました。
私が携帯で撮った写真は、24日ヌビナイ川遡行中に沢に落とし水没、以後使用不可となりました。



24日 昭徳林道C257から出発の朝

★ ソエマツ・ピリカへの思い・・・
ピリカヌプリに関しては、かれこれ10年越しで挑戦し続けてきた憧れも容易に辿り着けない遠い山だった。
そしてソエマツ岳は、ヌビナイ川ルートでしか登頂は出来ないと考えていたが、林道の崩壊や更に厳しさが増
したヌビナイ川遡行への壁をどうするか悩み続けていた不問の山でもあった。


★ 2泊3日の挑戦記・・・
7月23日~26日実質3泊4日の計画。
23日、中札内村「道の駅」で夕方メンバーの合流と前泊。2日目は、早朝出発しヌビナイ川上二股のテン場
を目指す。3日目は、ソエマツ岳~ピリカヌプリを縦走し再び上二股のテン場へ。そして4日目は再びヌビナ
イ川から下山となる行程である。


★ ヌビナイ川本流・・・
林道や沢の情報が少ない中、参考にした資料は「山と谷」とganさんこと岩村和彦氏の「北海道沢登りガイド」
に掲載された情報だった。以前はヌビナイ川右岸林道(昭徳林道)を下二股(クマの沢出合)まで車で走れたらしい
が、2016年の水害で林道は寸断・崩壊し、その後の情報は皆無だった。資料の情報を参考に出発。

昭徳大橋から約2㎞地点まで車で入ることが出来た。(中札内道の駅から約38㎞地点)
地図上の標高点257付近だった。林道脇には3~4台の駐車スペースもあり駐車した。林道は二股になって
いて左股に進むが出合に通行止めのロープが張られている。その先はすぐに崩壊していて車は通行出来ない。

スタートして15分程で「鹿鳴橋ろくめいはし」を渡り、ヌビナイ川右岸林道を歩く。
林道自体は、草も生えているが歩きやすい。ただ数か所崩壊して寸断された場面に出合う度、自然の驚異を知
らされる思いだった。地形図上の林道終点まで約7㎞約2時間のアルバイトだった。実際にはその先にも林道
があったが、往路では見つけられず本流に入渓することになった。

いよいよ遡行の開始となる。

入渓からクマの沢出合を過ぎ507二股まで約5㎞、2時間半ほど掛った。平均広いゴーロ帯で難しい滝も無
く淡々と歩くだけだった。ただ、右岸側には鹿道が顕著に有りうまく繋ぐと遡行は楽になりそうだ。往路では
河原歩きが多く、右岸の鹿道を発見出来なかったが、復路で利用した。
そして、507二股から渓相は一変する・・。

沢幅は一気に狭くなり両サイドはまるで垂直の壁だ・・(ちょっと誇張かも)
C500付近の滝が連続する場面では、2ヶ所を高巻くのに1時間半ほど掛った。そして、C650付近から
最大の高巻きシーンを迎えこの沢の核心部に出会う。その間、いわゆる七つの釜を通過しているがその美しさ
を感じる余裕もなく幾つあったのかも覚えていない。ただ、釜には流木など一切なくエメラルドグリーンの日
高一の景勝地は復活したようだった。

私たち夫婦だけでは、絶対に登れない(通過出来ない)右岸、左岸の高巻き(トラバース)には、その度に肝を冷や
す思いだった。こういったシーンでは、同行のTUCCYがリードしてくれ助けられた。

最後の核心部と言われた655付近の高巻き。
沢から約30mほど上の左岸を高巻くシーンである。落ちれば滝壺へだが、ケガではすまないかも知れない。
TUCCYがリードし、途中に打たれていた残置ボルトとロープに補強し後続に引き継いでくれた。リーダー
は渡れない事も考慮し、再び沢まで降りて滝の直登ルートを偵察しに戻った。その間、私たちはトラバースを
試みる。
TUCCYの誘導の元最初に妻チーヤンが渡る。つま先しか掛からない微妙な岩場、重い荷を背負ったままだ
から、滑れば最後であるが、軽快に渡るバランスの良さに驚く。ロープを掴めば一安心で難所をクリアした。
その後、KNMが渡り、次に私だった。二人が辿った足取りを忠実に渡りロープを掴む。
なんとかクリアしたが、復路でここを再びとは考え難かった・・。
偵察から戻って来たリーダーは、私たちの足取りを見ていないので、自己判断で渡るしかなかったが、ちょっ
と苦戦。ロープを掴んだ後も立ち止まるシーンでドキドキした。でも全員無事クリアしてホッとする。
リーダー曰く、「復路では絶対この滝から懸垂で降りるぞ!」だった・・・。

その後は、高巻く場面はあれど1時間ほどで790上二股に着くことが出来た。

ここまで約10時間・・・。
ganさんの本に掲載されていた上二股右岸にある唯一のテン場を見つけ2張設営する。
3~4人用テントなら3張くらい張れるスペースで、沢から数m上の草地の高台だから居心地はいい場所だ。
河原で熊除けの焚火をしながら、一日を振り返った・・。



24日 右岸の高巻き


24日 もうどこの場面かわからない・・・





こういったシーンは当たり前かも・・・


24日 こうした滝をいくつも越える・・・


24日 滝の高巻きも高度感半端ないが、美しいエメラルドグリーンの釜に癒される


24日 C655付近 核心部の滝に着く


24日 C655付近のトラバース チーヤンは軽快だった・・・


同じシーンをモノクロで・・・


24日  C655付近 最大の核心部 左岸のトラバースシーンの始まり


トラバース後半、残置ロープに掴まりバランスを取って渡り切る・・


24日 核心部を終えて再び歩き始める一行・・・

★ ソエマツ岳へ・・・
【7/25(土) くもり】
4:30 スタートに合わせて3:00起床
某山岳会のメンバーたちにとっては、いつもの朝なのかも知れない。起床から食担、出発までの支度は早く、
私たちのスローモーションでは追い付かない。まったりとモーニングコーヒーを飲みながら・・・なんて、
この場とは無縁でバタバタと追い捲られる思いでアッと言う間に時間が過ぎてしまった。

昨日の重荷から解放され、今日の背中は空身のように軽かった事が唯一ホッとする。
メンバーが、共同装備のロープやハンマーなどを持ってくれたので、私たちは自分の事だけ考えた装備。

4:35 上二股のテン場を出発。 巨岩帯のゴーロを登り右股沢に入る。
5:12 C930付近二股(左股)へ
この沢を一言で言うと尽きることのない滝が連続して現れ、気の休まる暇はないが、すべての滝の難易度は
高くないので、私たちでも直登出来た沢。と言ったところだろうか。ただ、この沢を下るときはロープがあっ
た方が安心かも知れない。

周りはガスに覆われ視界は沢だけだった。それでも晴れるそうな予兆を感じ、時々ガスが切れて太陽の日差
しを浴びることもあった。

7:00 C1280付近で最後の水場として補給し、頂上を目指す・・・。
C1350付近で涸れ沢となるも沢形はしばらく続き、その後急斜面も鹿道と思われる縦横無尽の踏み跡を利
用しながらほとんど藪漕ぎなしで稜線まで登ることが出来た。

8:15 頂上のすぐ南側の稜線上

8:25 ソエマツ岳(1625m) 頂上に着いた。

スタートから3時間50分の登頂だった。昨日の10時間が余りにも厳しかっただけに意外な登頂は呆気なく
感じてしまうから不思議だ。ハイマツに囲まれた頂上は、休めるスペースがあるも眺望は望めなかった。
コロナ禍も全員で握手し、リーダー以外のメンバーは初登頂を喜び合った。

自分たちだけでは叶わぬ山行も仲間の力を借りる事で届くピーク。
日高ソエマツ岳に立っていること自体、しばらく実感が湧かなかったが、夢見る思いだった・・。



25日 ソエマツ岳へ 上二股右股沢にて その1


その2


その3 これぞ日高 ❕ 感動の滝を直登する一行・・・


その4 休憩


25日 ソエマツ岳への最後の登り斜面


25日 ソエマツ岳頂上にあった意味不明な標石


7/25 ソエマツ岳(1625m)頂上 初登頂


リーダー(右端)は、顔出しNGなのが残念・・でも、感謝の一言です。

★ 憧れのピリカヌプリへ・・・
8:50 ピークに別れを告げる。
当初リーダーの計画は、ソエマツ岳がメインだった。それは私たち夫婦以外のメンバーはピリカヌプリに登頂
済みでソエマツ岳が未踏だったからである。ピリカヌプリに登るなら一度ソエマツ岳を降りてから上二股左股
沢からピリカに登る事を勧めていた。稜線を歩いても左股沢からピリカに登っても共に12時間行程は変わら
なかった。リーダー以外のメンバーについては、ピリカに登らず上二股で待機するとまで言っていたが、出来
れば全員で稜線を辿りピリカに付き合って欲しいという私の思いはリーダーに懇願していた。その思いがソエ
マツのピークで届いたのか、全員で稜線を辿りピリカに行くことになったサプライズである。

ピリカまでの稜線は、約3㎞だが5時間とも6時間とも言われる痩せ尾根の藪漕ぎ山行だ。時にハイマツ、時
に岩稜帯を乗り越えて通過する場面もあるだろう過酷さは覚悟の登行である。リーダーHMYだけが15年前
に歩いていてこの時ピリカまで5時間40分ほど掛ったらしい。しかし、その稜線も当時とは違ったような印
象だとリーダーが時々つぶやく。それは、稜線上の木々が繁茂し獣道も不明瞭となり、通過に時間を要したこ
とや各標高点間の登行タイムも当時の記録とは大幅に誤差が生じて来たことからも言えると言う。加えて体力
こそ一番の妻チーヤンだが体は小さく、精鋭たちと同じスピードで歩くことは難しかった。どうしても遅れ気
味なのは仕方なかった。

そんなこんなで予定タイムを大幅にオーバーしてしまい、6時間でも辿り着かないのは明白になった。
リーダーは、「最大16時まで着けない場合は、ピークを踏まずに下降する・・・」と苦渋の選択をしメンバ
ーに伝えた。そうでなければ下降途中で日没となりヘッデンを点ける事になるからだ。

だとしても、ここまで歩いて来てピークを踏まずに下降するなんて無情なことなど出来る訳もなく気力だけで
歩く私たちを見守りながら最後まで歩かせてくれた。

16:25 ついに登頂❕ ピリカヌプリ・・・

ソエマツ岳から約7時間30分だった・・・。


ソエマツ岳~ピリカヌプリへ 稜線歩きが始まる・・・


25日 ソエマツ岳~ピリカヌプリへの稜線歩き・・・


ピリカヌプリへの登り

★ 二度泣いたなみだの初登頂・・・
一度目のなみだは、ピリカヌプリの肩に登っているとき。その肩をてっきりピークだと思い込んでいる私は、
登りながら感無量の涙が込み上げてきた。それは自分を褒めたのではなく、ここまで連れて来てくれたメンバ
ーに対する感謝の意で胸がいっぱいになったからだ。少し後ろから登ってくる妻チーヤンの頑張りにも感動し
てしまい誰にも見られることなくひとり涙していた。
しかし、それは空振りでピリカの肩だと知った時は気が抜けそうだった・・・。
肩からピークまで約200mですよと言われたが、遥か遠くに感じた。
ガスで視界は100m程しかなくピークは見えなかった。先頭を歩いているのは私たち夫婦で、リーダーたち
は敢えて後ろから背中を押していた。

そして、二度目の涙は初登頂したピリカヌプリ頂上である。
10年越しのピリカヌプリを遂に登頂したこの感激は、登った者だけが味わえる特権だが、それだけではない
これまでの過去のすべてが蘇って来て、泣かずにはいられない感情が込み上げてきた。
周りの眺望は何も無かったが、日高の稜線は手に取るように見えていた。泣き崩れるように三角点に触れる妻
チーヤンも同じ感情だったかも知れない。見守ってくれたメンバーたちとの記念写真も撮らずに私たちだけが
主役だった。

滞在わずか5分のドラマ。
でも一生忘れることのない5分かも知れない。

本当にありがとうございました・・・。



7/25 ピリカヌプリ(1631m)頂上 初登頂

★ ヘッドランプの下降沢・・
もうヘッドランプ使用は確実の下降開始タイムだった。
頂上から下降口まで20分ほど踏み跡を辿り到着。源頭部はガレ場だが、しばらくは左岸の草付きにある踏み
跡(鹿道)を利用した。以降、ガレ場の沢を下降したが、難しい滝も殆どなく淡々と高度を下げていった。

18:50 938二股出合
少しずつ周りが暗くなり始め、ヘッドランプの用意をする。
沢はガレから水流が復活し、石は巨岩や小滝を含む渓相に変化していった。暗闇で下降出来ない滝は、樹林帯
を巻いて下り先行者がライトで足元を照らしてくれた。

そして、19:50 ようやく上二股のテン場に到着。安堵の一息をつく。
先に着いていたメンバーは、早々焚火で出迎えてくれて感激だった・・。

二つの未踏峰を踏み、無事にテン場まで降りて来れた。実に15時間以上の行動もこれまでにない経験である。


★ 最後の夜・・・
彼らの元気はどこから来るのか・・・?
ホッとし過ぎて何も手に着かず何も行動出来ない私たちをよそに「食事が出来たよぉ~」と隣のテントから声
が掛る。「ハーイ」と返事をしながらもまだ着替えすら済んでいない。

チーヤンは、残った行動食だけ食しそのまま就寝タイムへ
私だけ後から隣のテントに合流し、最後の夜を飲み語らった・・・。
20時過ぎに始まった晩餐・・・元気なメンバーたちもやっぱり疲れているのは当たり前。
それでも持ち上げたアルコールを余さないのがリーダーHMYくんだ。22時前には自分たちが持ってきたアル
コールを飲み干したが、私のウイスキーがまだ残っていた。そのウイスキーを持って二人で焚き火まで移動す
る。もう何を語らったのか覚えていないが二人とも酔いつぶれそうだったはず・・・・

23:15 なんとかテントに潜り込んだ・・・。

お疲れ様でしたぁ~・・・




26日朝 2日間お世話になった上二股のテン場にて


ヌビナイ川遡行 (3日目)

★ 気が抜けない鬼門な場所・・・
いよいよ下山だ・・・。
昨夜が遅かった分、下山開始は5:00⇒6:30になった。
少しは軽く感じるはずのザックだが、朝露で濡れたテントが重いのか、往路と変わらぬ重さがショックだった。
それでもあと9時間~10時間の辛抱で下山出来ると思えば、それほど荷の重さは気にならなくなった。
一度通った往路だから見覚えのある場所ばかりで気持ちには余裕も出て来くから不思議なものだ。

7:15~25 655付近の左岸で協議が始まる・・・。
往路と同じように左岸をトラバースする者と滝から懸垂下降し釜を泳いで岸に行く者と分かれた。
妻チーヤンは、ザックを下ろし空身でトラバースする事を希望。サポートにTUCCYが付く事になった。
リーダーとKNMくんと私は、滝から懸垂下降する選択をして、支点となる場所を探した。
最初、滝上にあった石を支点にしてダブルでロープを投下したが、下までとどかなかったらしい。
そこで岩場にハーケンを2枚打ち込み支点を作り、捨て縄を設置した。それでもダブルロープでは下まで届か
ずリーダーはシングルにして投下。ロープ自体も捨て縄とする判断をした。そして早々リーダーが先頭で懸垂
下降する。流れる勢いは半端なく水流に足を入れた途端転倒し流された。辛うじて落ち口手前で止まり立ち上
がる凄さだった。
落ち口から滝壺までは4~5mだが、滝壺の左岸と右岸にはスペースがあり滝の内側を行き来出来る空間があ
った。最初に降りたリーダーのアドバイスを受けてKNMくんが下り、その後チーヤンのザックをロープに結
んで投下した。最後に私も久々の懸垂下降を体験し、なんとか無事滝下に降りた。
滝下から岸までは7~8mくらいあろうか。必死で泳ぐも水を飲んでしまったのは私だ・・。

トラバースを選んだチーヤンとTUCCYも無事通過し、下で合流したが、濡れたザックが重くなり肩に食い
込んだ。

最大の難所を再び通過した事で随分と肩の荷が軽くなったが、食い込んだザックは重かった。

気が抜けない鬼門な場所をなんとかクリアし、気持ちだけは更に軽くなった気がする。



ヌビナイ川本流 C650付近の滝を懸垂下降するエバ (3日目)


上の写真を下から撮ってくれたシーン


滝壺から泳いで岸まで・・

★ 忍の一字・・・
ここまで来て贅沢な愚痴になるが、さすがに3日間歩き攻めの行動に疲れは隠せない。
特に林道終点に来て更なる7㎞を歩き始めたとき、意外に気が付いていなかった林道の異変に気が付いた。
それは、微かに登り坂だった・・・。つまり往路では微かな下りだったことに気が付かず、荷が軽く感じたの
はこの姓だったのかも知れない。

元気の良い精鋭たちとは違い、どんどん離れる私たちはマイペースになっていた。
もう「忍の一字」しかなく、淡々と歩く事しか考えていなかった。

一歩歩く毎にゴールが近づき、降った雨はいつか止む・・・そんな言葉を思い出しながら普段の夫婦の会話に
なって、15:30ようやく駐車場に着いた。



26日 釜の前でエバ夫婦の満足な笑顔・・・

長い長い3日間の山旅はこうして終わった・・・。
雨予報外れて比較的過ごしやすい天候の中で行動が出来たことが何より嬉しかった。

帰路では、途中の更別村の「福祉の里温泉」で汗を流しここで解散した。
私たちは、中札内の道の駅に寄って軽く夕食を取り、20時過ぎに無事帰宅した。

リーダーを始めメンバーには感謝しかありませんが、本当にお疲れ様でした。


※ 水没したスマホ内のデータが一部復活しました。その一部の写真を以下に投稿します。














上二股テン場下の河原にて・・・




唯一撮った花の写真が、まさか天空の乙女「カムイビランジ」だったとは・・・・


上二股右岸のテン場・・・