エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

札幌50峰・・・大二股山(856.2m)

2017年02月28日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
札幌50峰・・・大二股山(856.2m)
■ 山 行 日    2017年2月27日(月)   日帰り
■ ル ー ト    国道230号線望岳橋P~北尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №8
■ 登 山 形 態     山スキー
■ 地 形 図    1/25000地形図  「札幌岳」
■ 三角点・点名   三等三角点  点名「大二股 オオフタマタ」
■ コースタイム    登り 3時間10分   下り 2時間10分
<登り>
08:40    C725駐車場スタート
08:45    C590林道出合い
09:00    C490林道出合い
09:05    二股橋を渡る
09:10    C495林道二股(北尾根取付き)
09:50~55 C635北尾根 休
10:55    C726北尾根
11:50    大二股山

<下り>
12:10    下山開始
12:25    C726
12:55    C635
13:10    二股橋を渡る
13:20    C490林道からの登り
13:50    C590林道からの登り
14:20    C725駐車場


★ 言い訳・・・
1泊「渚滑岳」狙い・・・だったのだが25日、自称「HYML呑んべ会」の仲間と昼呑みを企てていた。
昼呑みだからと言って2時間や3時間で終了というメンバーではない (筆頭は私かも?だが・・)
一軒目のお店は中央区のカフェバー「シャノワール」を予約。同年代の夫婦で営む小さなお店だが、
昨年夏ひょんな切っ掛けが縁でリピーターとなっている。ちょっと贅沢なメニューを注文しビールと
高級ワインで締めくくる。当然ながら2軒目、3軒目と梯子して最後はラーメンとビールで終了。
24時の鐘は間もなく・・・6軒目の店を出て解散した。

こんな事が言い訳になる訳もないが、出発予定日の26日は二日酔い状態・・・
妻・チーヤンはこうなると分かっていたのか、あきれた顔して帰宅した私を直視もしない。
山の話は全く出ず、昨夜の飲んで食べて染み付いた体臭が遠く離れた場所で座る妻が物語っていた。

午後からようやく気分も晴れて、「散歩がてら安平山でも行こうか・・」と言う前に外は吹雪状態。
散歩は中止となり暫しテレビを観ながら時間が過ぎて行った。


★ 大二股山・・・
2月27日の天気予報はほぼ快晴だった。
1泊の山行は呆気なく自滅してしまったが、日帰り山行で再び相談を持ち掛ける・・・。
前回、大黒山と大二股山を計画していて20日に大黒山を登ったので選択は即決だった。

大二股山は、札幌市南区「定山湖」の南約4㎞にある856mの山である。
北東には狭薄山や札幌岳を間近に望み、東に空沼岳や漁岳も展望出来る位置だが
残念ながら頂上は濃い樹林帯の中で展望は全く出来ないのが残念だ。
ただ北尾根上の所々から札幌岳と狭薄山は望みながら登行が出来た。
札幌50峰に選ばれた一座で登山道は無い。登頂には長い林道を利用しながら
薮を漕ぐか積雪期の山行しかないだろう。
今回はHYMLの岳友yoshioさんの記録を参考に北尾根ルートから登る事にした。

HP 「YOSHIOの北海道山情報」大二股山はこちら 


携帯GPSアプリを元に作成したログです。

★ 快晴の登山日和・・・
8:15 駐車場着
道中の路面は凍結し慎重な運転で時間が掛かったが、自宅から2時間15分で着いた。
雲一つない快晴も氷点下12℃の冷え込みである。昨夜降ったと思われる新雪は軽く
先行者のトレースは全く無かった。早々準備して
8:40出発する。


国道230号線望岳橋を過ぎたカーブにある駐車帯(登山口)から望む絶景


札幌岳(1293m)ズーム


狭薄山(1296m)ズーム

★ 敢えて山スキー・・・
何人かの登行記録を読んでこの山で使用するアイテムはスノーシューが「適」と知る。
しかし、私たちは敢えて山スキーを選択し初登頂を目指して見た。

この山の最大の核心部は、登山口駐車場から標高差200m以上ある急斜面の下りと復路の登りだ。
しかし、スキーでの下りはシールを付けたままでも容易に楽しくあっと言う間に下ってしまった。
軽い新雪は15~20cm積もり下手なスキーも最初から楽しかった。



駐車場からの下降面・・ちょっと分かりにくいが急斜度です。


標高差約130mの急斜面は5分と掛からず下り林道へ

★ 登り返しは忘れて・・・
登山口駐車場の標高は約725m、二段構えで降りた林道の標高は約490mなので
その差235mの急斜度を下った事になる。下りは楽で楽しかったがこれを登り返すなど
今は忘れて前を歩こうと自分に言い聞かせた。

ルートの核心部はすでに終えて、辿る北尾根は地形図でも顕著で分かりやすい地形になっている。
一部痩せた尾根と小さなアップダウンがあるので頂上でスキーのシールを外すと途中難儀する。
また所どころ濃い樹林帯もあるので終始シールは外せなかった。それでも自分たちにとっては
スノーシューよりも山スキーの方が良かったと納得した山行だった。



林道を少し歩き更に標高差100mの急斜面を降りた林道・・


すぐに二股橋を渡って北尾根の取り付きは近い・・・


顕著な北尾根も樹林帯の濃い場所と疎林帯が交互にある


この尾根上は広く樹林もやや薄い方・・・


たまには被写体を要求して撮ってもらう・・・


C750付近の林道に出合いヘアピンカーブの鏡とご挨拶・・・


頂上方向に延びる林道を少しだけ利用する・・・


林道の先にあった「大二股雨量観測所」の小さくも立派な小屋でした。



★ GPSの恩恵と不安・・・
今年から利用しているスマホ携帯のGPS無料アプリ。
このアプリから得られる情報は・・・
① 地形図と現在地  
② 山行ログ  
③ 現在地の標高  
④ 登山開始からの経過時間・・・などが表示されている。

正直、その完成度は高く紙の地形図は不要と思えるほど頼りになるアプリだった。
ましてそれが無料でダウンロード出来るのも嬉し過ぎる。
問題は使用中のバッテリー残量と携帯の不具合などでアプリ自体が使用出来なくなった場合を
考えると地形図とコンパスを持たない事は自殺行為である事は間違いない。

これまで使用して来た中でバッテリーと携帯データ通信量については問題なく
満充電でスタートして7~8時間継続して使用してもバッテリー残量は50%以上残っていることが多い。
データ通信量も一回の山行で使う通信量は1GBまで使った事はなかった。
寒さ対策としてカイロの使用は絶対お勧めである。極寒の冬山の中で携帯を出したり入れたりすれば
あっと言う間にバッテリーは上がる。これはコンデジカメラにも適用し常に温めた状態で持ち歩くのが
良いようだ。

こんな恩恵を受けてどんな天候でも登頂の確率は高まり、別ルートでの下山も容易になって来たと
これからが益々楽しみになっている。一方、不安なのは「頼り過ぎ」かも知れない。
今まで地形図とコンパスを駆使しながら現在地を予測しルートを決めながら歩いてきた山行が
アプリを頼り過ぎる事で読図力が低下する事である。なのでここだけは気を付けたい。

冬山でのホワイトアウトや樹林帯での現在地、平坦な場所での登頂点、読図ミスによる迷い道等々
何度となく失敗し敗退した山行は数知れない。もっと早くにこの便利なアイテムを利用していれば・・
であるが、後悔はしていない。



頂上直下の樹林帯・・・


ちょっと分かりにくい松の樹林帯もGPSの恩恵で頂上標識を見付けた・・・「大二股山」頂上

★ 尾根上スキーそこそこに・・・
斜度があればスキーは楽しく、トレースがあればスキーは滑る・・そんな大二股山の印象だった。
頂上からの下りではトレースを利用しながらも斜度のあるところではスピードが出てシュプールを刻む。
小さな登り返しもシールが付いているので難なくひと登り。混んだ樹林や痩せ尾根も登りより下りは楽だ!
二股橋から頂上まで2時間半掛かっても下りは1時間で降りてしまった。
オープンバーンと呼ばれる斜面はどこにも無いが、パウダースノーと新雪はスキーに適してる。

最後の登り返しを除けばそこそこ楽しいスキー山行が出来る山だ。



帰路のスキーはシールを付けたままでもトレースを利用すればそこそこ楽しめる場所があった。


林道もトレースを辿ればスキーが滑った・・・


二股橋まで丁度1時間の下りでした・・・


山行の疲れを忘れる癒しの世界・・・静寂の小沢

★ 試練の登り返し・・・
楽しい山行がここに来て一気に冷めるほど見上げる急斜面が目の前にある。
標高差230m以上の登り返しがやって来た。
忘れていたのも束の間かぁ~と登行時のトレースを元にジグを切り始めた。
ホント休み休みである。シャリバテもあって足が上がらない、暑くて汗は滝のように流れる。
最後の締めはチーヤンが大活躍だぁ~!頼りになる相棒ここにありである。

遅くても一歩前に進めばいつかゴールは来る・・・
丁度1時間・・・230m登り返しようやく駐車場に着いたときはホント安堵してどっと疲れた。
でもでも楽しい山行だった。やっぱり天気が良いと辛い山行も和らぐからやめられない。
そんな大二股山でした。



駐車場へ最後の登り返し・・・


貸切の駐車帯に無事到着


お風呂は定山渓温泉のホテル「山水」いい湯ですよ!


山水のロビーに飾られた七段飾りが雅やかでした~・・