黒駒 寺社参拝記

畿内を中心とした寺社参拝記です。主に西国三十三所や聖徳太子霊場を巡礼中です。

桂離宮参観記3 月波楼

2010-04-17 18:54:34 | 京都の寺社・御所・離宮
桂の地は古来より月の名所でした。地名の「桂」も中国の故事「月桂」(月の樹)からとられたと言われます。
そしてこの桂の山荘も時とともに場所を変えて月を楽しめるように工夫されています。まず月の出を楽しむ
場所がその名も「月波楼」(げっぱろう)と呼ばれる観月のための茶亭です。月波楼全景。


月波楼には東と北に簀の子縁があり、東面では庭園の池と月を鑑賞し、北面では紅葉山の紅葉を愛でました。


月波楼の内部は天井を張らない開放的な造りで、霊元院(天皇)宸筆の「歌月」の扁額がかかります。
視界の先に見えるのが紅葉山。


月波楼から東面を見る。観月の時ははこのような眺望でした。奥の茶屋は松琴亭。


さらに時が過ぎて月が中空に浮かぶ頃、月波楼の隣に建つ「古書院」の月見台が次の観月の場となります。
                                            
                                            参考文献:小学館『日本庭園をゆく』
     
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桂離宮参観記2 御幸門~御輿寄

2010-04-16 18:33:15 | 京都の寺社・御所・離宮
通常の一般参観者ルートは待合室から出て最初に御幸門を見て庭園に出るのですが、今日はこの八条宮家山荘を
後水尾院が行幸された時のルートをたどってみたいと思います。まず院の輿は御幸門を通ります。


簡素な藁葺きの門ですが「御幸門」と名付けられた門は院の行幸のために造られた門です。当時の門は
失われたので今残るのは後世に姿そのままに再興されたものです。右手前に石が見えますが「御輿石」という
輿を置いた石らしいです。院以外の訪問者はここで輿を下りたのか、もしくは院もここからはお歩きになった
のかもしれないですね。

御幸門をくぐって右に折れればまっすぐな「御幸道」を進みます。そして左手に庭園の池があるのですが、
池への視界をさえぎるように「住吉の松」あるいは「衝立松」と呼ばれる松があります。これは客人には
ゆくゆくその美を楽しんでもらおうという趣向といわれています。庭園をわざと隠して「見たい」という衝動を
起こさせる演出が随所にあります。見事ですね、そのセンス。


そして院の輿はやがて中門に到ります。中門の先には玄関である御輿寄せがあるのですが、門よりずらして
建っているのでまだ見えず、簡素な手水鉢だけが見えます。これは客人に視覚的・心理的な余裕をもたらす配慮です。
門の直前に敷石が見えますが「あられこぼし」といい、桂川の川原石が平らな面を上にして敷かれています。
目に楽しく歩きやすいように工夫してあります。写真は門前のものですが「御幸道」には一面に敷き詰められています。




そして「御輿寄せ」 御殿である書院の玄関です。上がり口の沓脱ぎ石は一度に6人分の沓(くつ)が並ぶので
「六つの沓脱石」ともいいます。


                                                参考文献:小学館『日本庭園をゆく』

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桂離宮参観記1 垣

2010-04-15 18:54:18 | 京都の寺社・御所・離宮
先日の話ですが、京都の桂離宮を参観しました。3月には修学院離宮を参観したのでその流れです。
桂離宮は10年ほど前にも一度参観したことがありますが、二条城の本丸御殿と記憶が被ってて
印象として残っていなかったです。今ほどそんなに興味もなかったのかも。

はじめに桂離宮のことを簡単に説明しましょうか。
桂離宮は江戸初期から造営された八条宮家の別業(別荘・山荘)で京都の市街地からは離れた洛西の桂の地に
建物と庭園が現存します。八条宮家初代智仁親王と二代智忠親王の父子のよっておよそ50年の歳月をかけて
造られました。現在は皇室の離宮です。時期的には修学院山荘の造営より早く、後水尾院は参考のために
しのびの行幸もされたそうです。豪華絢爛な桃山文化とは決別して簡素な中にも洗練された日本の美意識と
深い精神性が凝縮された山荘として日本のみならず世界中から賞賛を浴びています。

参観者は他の離宮や御所と同じく前日までに申し込みをして、当日離宮に行きます。修学院離宮は
静かな山村にありますが、桂離宮は車が多く通る道が周りにあります。しかし離宮内は静寂そのものです。
離宮への道を歩くと「桂垣」が見えてきます。竹の葉を編みこんだ垣。風が吹くと後方の竹林の葉が音を出します。


離宮入り口の近くになると今度は「竹穂垣」 洛西は竹の里です。


修学院離宮の待合室は狭い小屋のような感じでしたが、桂離宮の待合室はけっこう新しく広い建物でした。
一緒に参観したのは40人ほどで外国人が10人ほどいました。やはり世界的に有名なんですね。

今日はここまで。

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西国巡礼三巡目満願

2010-04-13 17:35:04 | 西国三十三所巡礼
先日、西国の摂津3ヶ寺(中山寺・勝尾寺・総持寺)にお参りして西国巡礼三巡目を満願しました。
昨年末に二巡目を満願して、三巡目は今年に入って一気に巡礼しました。今回はけっこう歩いて、
山も徒歩で登ったところも多かったです。これでしばらくは巡礼をお休みしようと思っておりましたが、
友達が竹生島に行きたいと言うので、これが四巡目の最初となりそうです。私の今後の巡礼計画は、
2年ごとを目安に一巡できればと思っております。

最初は中山寺に行きました。雲ひとつない快晴の日でした。朱塗りの大願塔が青空に映えます。






聖徳太子を本尊とする開山堂                   護摩堂
 

勝尾寺は紅葉の寺なので桜は少なかったです。




満願は総持寺でしました。満願印です。


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さ~て、この塔はどこのお寺でしょう?

2010-04-12 21:00:41 | 西国三十三所巡礼
奈良の○○寺の塔です。どこのお寺でしょうか? 答えは一番最後で!
↓↓↓


ちょっとブログ記事の時系列がテレコになっていますが、京都と奈良の日は別々です。
京都へ行った日は霊鑑寺と京都御苑、奈良の日は法華寺・円照寺などへ行きました。
そしてこの奈良の日は午前中で奈良は引き上げて、そのまま大阪へ入り西国第五番の葛井寺へ
お参りしました。本当は紀州3ヶ寺の時に行きたかったんですが行程上無理なのでこの日に。


  葛井寺も本堂横の桜が満開。


さて、冒頭の写真の答え・・・



















興福寺五重塔でした。国立博物館側から境内に入ると桜とコラボの五重塔が見えるのです。

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