8月1日午前 第8回講座「川と人、そして生き物たち」(座学)講師:元淀川流域委員会 委員長 宮本博司さん 於:生涯学習センター
講座の概要:「治水事業の目的」は、いつどのような規模でおこるかわからない洪水に対して、住民の命を守ることです。明治以来の近代治水は、想定した計画洪水をダムで調節し、残りを川に集め海に早く流すことを基本としてきました。しかし近年の集中豪雨は、想定計画洪水をはるかに超え「堤防の越水破綻」を引き起こしています。先人の知恵「桂離宮や信玄堤」に学び、「洪水エネルギーの分散」に転換し、「人の命も、魚や鳥の命も大切」とする「流域治水」に目を向ける時です。
講師の宮本博司さん 1978年旧建設省に入省、技官として河川行政一筋に取り組み2006年退職。その後、新淀川水系流域委員会の委員長に就任、現職は家業の桶屋を継いでおられます。「ダム屋」から「桶屋」に転身し「役人生活」を振り返って、謙虚に木(自然)と向き合うこと、木(自然)は生き物ですから、傲慢な態度では応えてくれません。
想定計画洪水のラインを超えた時、堤防は越水破綻によって一気に壊れます。
そのため想定を超える洪水が生じても、急激に破堤しないように堤防の強化対策が必要です。
同日午後 第9回講座「ヒートアイランド問題とその対策」講師:関西大学環境都市工学部 専任講師 宮崎ひろ志さん 於:生涯学習センター
講座の概要:日本の都市気候調査は、1941年の論文「本邦の大都市に於ける気温分布」に始まり、東京と大阪、名古屋の3都市の調査があります。大阪では梅田、本町、天王寺の都心部と思われる地域の気温が高く、大阪の都心部でも大阪城公園や靭公園、さらに堂島川等の公園や川がある場所では気温が低くなることが確認されています。「ヒートアイランド」という言葉が一般的に知られるようになったのは、1970年代からです。またデンマークの「環境とエネルギー政策」を例に、エネルギーの有効活用についての話がありました。
講師の宮崎ひろ志さん 神戸大学工学部環境計画学科卒業、同大学院工学研究科博士課程修了。兵庫県建築職、兵庫県立「人と自然の博物館」研究員を経て、2007年4月から関西大学で教鞭をとられています。
「自主観察会委員会」「交流会委員会」「卒業文集編集委員会」が委員会毎に行われ、役割分担と今後の運営について話し合いがありました。また講座終了後、第1回交流会を各班に分かれて実施し、メンバーの親睦が図られました。
次回講座 8月29日(木)午前 第10回「芥川の水質と生物」講師:NPO法人芥川倶楽部 理事長 田口圭介さん 於:あくあぴあ芥川
同日午後 第11回「水生昆虫を調べよう」講師:午前に同じ 於:あくあぴあ芥川周辺