◇7月28日(木)9時~11時
第8回講座 「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策」
サブタイトル:暑熱環境に適応した都市環境デザイン
講師:関西大学環境都市工学部 専任講師 宮崎ひろ志 さん
場所:高槻市エネルギーセンター 3階研修室
(講座内容)
・過去の都市部(ロンドン、東京、大阪)の気候調査による温度分布が紹介され、大阪の場合、大阪湾からの風の影響のために温度分布が東へずれる。また大阪の風はほとんどが西風になるため、例えば建築設計において西日対策のために西面窓の遮蔽をしてしまえば、風通しという面でデメリットが生まれるなどするため、設計においては、その土地の環境条件を考慮した総合的な判断が必要であるということを学びました。
・再生エネルが話題になるが、太陽光発電の場合、1日の中で電力の需要カーブと発電供給能力との間で、日照時間の関係から時間的なミスマッチが起きる。特に15時~19時を「魔の時間帯」と言われる。
・夏季19時での家庭における電気使用割合が多い家電製品は、1位=エアコン38.3%、2位=冷蔵庫12.0%、3位=照明14.9%
但し、年間を通じて電気使用量が一番多いのは、冷蔵庫である。 猛暑日にエアコン使用を我慢することはやめた方がよいとのことでした。
365日×24時間稼働している点からすれば納得ですが、家庭の省エネを考える場合、少しでも冷蔵庫の負担を下げたいと思いました。
・カーボンニュートラルという言葉について、温室効果ガスの排出量の削減と一方植林や森林管理などによる吸収量を差し引いて合計をゼロにするという意味である。 温室効果ガス+CO2 /森林管理-CO2 =0
カーボンニュートラルとは、単純に排出量をゼロにするということではないことを知りました。
・昨今の技術進歩により、地表面の熱解析、衛星データによる森林状況把握などより詳細な環境情報が容易に入手できるようになった。
例えば、高槻市の森林の木の数まで測定できる。
・最後に、京都大徳寺の「孤蓬庵」(こほうあん)は、「西日と仲良くなって西風で涼む」という設計がされている日本建築であるという紹介があった。西日をさえぎりながら一方で西風だけを上手く取り入れるという設計である。
改めて環境に合わせて設計された先人の知恵に感心させられた次第でした。
◇7月28日(木)12時~14時「高槻市 エネルギーセンター(クリーンセンター)見学」
講師:エネルギーセンター 延平さん(のぶひら)、粕谷さん
場所:エネルギーセンター第2工場見学、3階研修室(説明)
エネルギーセンターは高槻市南端の前島に位置し、敷地面積72,000㎡の中にごみ処理施設、ごみ前処理設備、最終処分場及び発電設備で構成され、第2工場と第3工場が稼働している。令和2年の搬入実績は、可燃物ゴミ88,400t、大型可燃物5,439t、不燃物3,472t、持ち込みごみ497t、リサイクル残渣391t 合計98,199t/年 とのことであった。
第2工場:1995年稼働 焼却炉能力180t/日×2基 発電能力4,950KW(最大)
第3工場:2019年稼働 〃 150t/日×1基 〃4,300KW(最大)
(ごみ焼却の流れ)
①回収車両の計量 回収車は3t車 (積載2t) MAX 30tまで計量可能
②ゴミ投入 回収車 第2工場 平均96台/日 搬入しごみを捨てる
③ゴミピット貯留 ピットサイズ 28m×14m×深さ30m 高槻市の可燃ごみ3日分貯蔵可能
④ゴミ攪拌と炉投入 攪拌によるごみの均一化 、爪一掴み量約2t、投入15分に1回
⑤焼却 焼却炉サイズ5m×16m×H20m、900℃で4時間焼却、ダイオキシン発生防止
⑥排ガス処理 有害ガスの処理 (塩化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物など)
⑦残灰処理 最終処分場(大阪湾フェニックスセンター)
⑨熱エネルギー利用 ごみ焼却で発生した熱エネルギーを発電、冷暖房、給湯(温水プール)に利用
日常生活で毎日排出されるゴミが、この場所、この設備で処分されているところを目のあたりにすることができました。
我々高槻市民35万人の生活が普段は目につかないところで守られていることを実感できた見学会でした。
見学A班 案内 延平さん(中央制御室)
見学B班 案内 粕谷さん(投入ステーション)
見学後の説明(延平さん)
◇7月28日(木)14時10分~14時50分
交流会実施:環境大学がスタートして2か月が経過しました。 メンバー一同で各人の居住方面、趣味や最近の関心事、環境に関して活動さ れていることなど含め自己紹介をして頂きました。 短時間でしたが、互いの情報交換に役立ちました。
司会進行 アシスタント 五十里さん(中央)
次回 8月18日(木)
第9回講座 10時~12時 テーマ「川と人、そして生き物たち」 場所:クロスパル高槻402号室
第10回講座 13時~15時 テーマ「細胞の不思議」 場所:JT生命誌研究館