勝海舟と同じように渋沢栄一も明治に入ってから永く生き晩年にいろいろ書物を残しています。年代的には渋沢栄一は勝海舟より17歳年下ですが、勝海舟は明治32年(76歳)、渋沢栄一は昭和6年(91歳)まで生きています。幕末、明治維新を経験して長く生きた人物はそう多くいないので二人の晩年の書物は貴重なもので重さもあります。渋沢栄一の「論語と算盤」は有名ですが「論語」をかなり勉強していて「論語講義」を書き綴っています。現代語訳で作家の守屋淳さんが平凡社新書から「渋沢栄一の論語講義」という本が出ています。
その中に孔子の言葉として「君子というのは、特定の用途だけに役立つ道具のような人間であってはならない」とあり渋沢栄一がこの言葉を用いて大久保利通、西郷隆盛、木戸孝允評の後に勝海舟評が書かれています。「勝海舟伯も見識の高い人であったが、前の三人の傑物に比べると、どちらかといえば道具に近い面があり、「道具ではない」とまではいかなかったと思われる」と評しています。渋沢栄一の評価はかなり厳しいものだなと思いました。さて現代の道具でない人間とは・・・。
その中に孔子の言葉として「君子というのは、特定の用途だけに役立つ道具のような人間であってはならない」とあり渋沢栄一がこの言葉を用いて大久保利通、西郷隆盛、木戸孝允評の後に勝海舟評が書かれています。「勝海舟伯も見識の高い人であったが、前の三人の傑物に比べると、どちらかといえば道具に近い面があり、「道具ではない」とまではいかなかったと思われる」と評しています。渋沢栄一の評価はかなり厳しいものだなと思いました。さて現代の道具でない人間とは・・・。