岩波文庫に「谷中村滅亡史」という文庫本があります。荒畑寒村が明治40年の二十歳の時に書いた本だそうです。谷中村は渡良瀬川の治水事業でなくなった村ですが、ここは足尾鉱毒事件で鉱毒被害を受けた村で田中正造が住みついて足尾鉱毒問題を訴えた村ですあります。明治政府は足尾鉱毒事件の真相究明をせずに渡良瀬川流域の治水事業にそらして鉱毒被害にあった谷中村を土地の強制収用で廃村に追い込みます。この政府のやり方には足尾鉱山の事業主である古河市兵衛と明治政府の陸奥宗光や原敬の癒着構造があり、この関係をこの本は書いています。今も昔も変わらない企業と政府との関係、現代に照らし合わせて読んでみる価値ある本です。
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