勝海舟の「氷川清話」を読んでいると、いろいろな違った層の人々が登場してくるので驚かされます。当然に幕末維新の政治家は出てきますが、そればかりでなく海外の歴史上の人物や日本の大昔の人物、また江戸時代でも武士だけでなく、たとえば滝沢馬琴、十返舎一九、山東京伝、近松門左衛門などなど、まだまだたくさんの人物が登場します。勝海舟の好奇心の表れだと思いますが、その好奇心はどんな状況でも活かされています。勝海舟は幕末の幕臣であったころ、幕府にいいように使われ、またよく左遷されています。15代将軍の徳川慶喜には長州征伐で幕府が失敗した後始末を自ら長州と交渉してまとめると、敵方の長州と通じている疑われ左遷7されます。普通の人間であれば精神的に参ってしまうところですが、ここが勝海舟の違うところで、これと幸いに自由の身になったと思ったら様々な書物に手を出したり人物の交流も疑われて左遷されたにも関わらず敵方の薩長であろうと会ったりしていました。この辺の勝海舟の行動は失敗しても人生回り道しながら人に出来ない様々な境遇を体得して次の行動に活かしていくという混沌とした現代社会に必要とされる生き方のように思います。
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