今年は江戸幕府最後の将軍徳川慶喜の没後100年にあたります。徳川慶喜は1837年に生まれ1912年に亡くなります。明治維新は31歳の時で大正2年まで生きますので実に毎時維新から44年生きるのです。歴史の中で注目された幕末期は彼の人生の中で若き頃の半分にも満たない時期です。さて勝海舟はどうでしょう。勝海舟は1823年に生まれ明治維新を45歳でむかえ明治33年1899年の76歳まで生きます。この二人面白いのは歴史の中で注目された幕末期から明治に入ってけっこう生きているということです。この二人の関係も面白いです。幕末という時代背景がそうさせたのか、本来であれば生まれたとき、一方は水戸徳川家当主の子に生まれ、一方は無役の貧乏旗本の子に生まれ会おうはずもない位の差があります。それが二人共、江戸幕府を終わらせるという役割を仲が良くない関係ではたします。幕末の勝海舟は徳川慶喜に何度も足を引っ張られたり文句を言われたり左遷されたりしています。勝海舟は長州征伐の後始末を徳川慶喜に頼まれますが、上手く長州と和解したと思ったら、和解条件を反故にされたり、江戸無血開城をなんとかいつけたかと思ったら、勝海舟は徳川慶喜から「お前なんかは武士の地位を金で買った最低の家」と言われたり、勝海舟は散々な目にあっていいます。こんな目に会っていた勝海舟が明治に入って徳川幕府が崩壊して幕臣の地位から解放されるのですが、勝海舟は貧窮している元幕臣の救済活動に走ったり、最後は徳川慶喜の名誉回復のために徳川慶喜の明治天皇謁見に奔走します。二人の関係を見ながら自分の名誉や地位は気にせずただただ人のために動いた勝海舟の行動にあらためて敬意を表したいと思います。
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