寺子屋江川塾の準備を進めて、今回のテーマは松平定信ですが、この人物は72年の生涯を全うします。時代はもう少し後になりますが、同じ老中首座を経験した阿部正弘は39歳という短い生涯でした。老中首座としての重圧はご両人ともそうとうあったと思いますが、二人の違いも見えてきます。
松平定信は30歳で老中首座になり36歳で辞めその後は学芸の世界で生き白河楽翁とも呼ばれていました。一方の阿部正弘は途中で老中首座を堀田正睦に引き継いだものの老中として亡くなるまで激務をこなしました。松平定信と阿部正弘は年代的に半世紀ほどの違いはありますが、両人とも政を行うには内憂外患の厳しい時代でした。
面白いのは二人の性格というか対応の違いも見えてきます。江戸時代、政を行うのに老中としては将軍の他に大奥の対応が求められます。松平定信はそのまっすぐな性格から天明の飢饉の影響で緊縮財政から大奥にも厳しい倹約を求めます。一説にはこの大奥の対応で老中を辞めることになったとも言われていますが、この辺、阿部正弘の大奥の対応は上手で大奥の評判は大変良かったと言われています。
ストレスがどの時点でかかっているかで、その生涯も変わってくるのかもしれません。ストレスの観点から歴史上の人物を見てくると人間の本質が見えてくるような気がします。
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