コロナウィルス死者数について「さざ波(程度)」と表現したり、緊急事態宣言を「(戒厳令などでもなく)屁みたいなもの」と発言していた内閣官房参与が「不適切な発言であった」と謝罪し辞任した。
当人の辞任申し出はともかくとして任命権者たる首相のこの間の行動にはある種の物足らなさを抱かざるを得ない。
首相は当初国会で参与の当該言動について「個人的な意見につきコメントを避けたい」などといかにも参与をかばうような反応を示していた。
その後世論の反発を受けて参与が態度を一変させると今度は首相もそれに同調してしまう。
首相は「参与は大変反省しておられた」などとコメントしていたがさらに反省すべきは首相自身ではないだろうか。
自分の意見にそぐわない官僚・学者には遠慮会釈なく人事権を行使するのに身内に対するこのベタ甘さは何といったらいいのだろうか。
東北新社の接待疑惑の件もそうだ。
自らの子息がキープレーヤーの一員なのだが実態調査は東北新社や総務省に任せっぱなしで「息子とは別人格」などと宣う。
首相が我が息子を呼びつけ判明した事項を総務省や東北新社の内部調査に反映させればいいと思うのだがそれもしないでただ嵐が過ぎるのを待っているようだ。
首相は国民からの支持を取り戻す絶好の機会をただただ放棄しているように思うが如何だろう。
「泣いて馬謖を切る」という故事もあるのだが・・・。