演芸見ブんログ

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07/10/05 第14回 三笑亭可龍勉強会 『せきど落語会』(関戸公民館ヴィータホール)

2007-10-05 | 芸協見ブんログ
春風亭一左…『幇間腹』

三笑亭可龍…『子ほめ』

神田きらり…『寛永三馬術 曲垣平九郎 誉れの梅花 愛宕山』

《お仲入り》

三笑亭可龍…『天狗裁き』


多摩落語 『寝床の会』が主催の落語会。
多摩の落語好きの天狗連の方々が中心となって、『可龍さんを多摩から真打に!』を合言葉に可龍さんを応援しているそうですが、このような応援は可龍さんにとっても心強いことでしょう。
会場は京王線・聖蹟桜ヶ丘駅前という立地の良さ。
私も昔、府中に本社がある会社に勤めていたことがあり、この聖蹟桜ヶ丘や府中は若かりし頃の思い出が詰まった場所。
上司や同僚と朝まで飲んで、始発電車で新宿に出たハズが、気付いたら寝過ごして“高尾”まで折り返していたこともあったっけ!

客席は250人収容の立派なホール。
開口一番は春風亭一朝師匠の四番弟子で一左さん。
さすがに落語協会の前座さんですね。落ち着いている。実に落ち着いている。
「このまま順調に出世して行ったらどんな噺家さんになるんだろう?」と思わせる口調で、まずは会場の雰囲気を盛り上げました。

続いて可龍さんの一席目。
一左さんとは同い年ながら入門した年数の違いからの身分の違いをマクラに「子ほめ」へ。
入門してまず最初に教わる噺だそうですが、二ツ目ともなると自分で色んなクスグリを入れたりして、前座さんとは一味違う面白さを見せてくれました。

14回目となるこの会で“講釈師”の出演は初めてだそうですが、可龍さんイチオシということできらりさん登場!
立派なホールでマイクの感度も良く、張り扇を一発叩くと会場に大きな音が響きました
客席も驚いていましたが、一番ビックリしたのはきらりさん本人で、その後はかなり力を緩めて叩いていました。
この読み物を聴くのは8度目ですが、いつもながらの楽しい講釈でタップリ35分。楽しい内容だと例え8度目だろうが全く飽きることがありません。
もちろん途中で終わることもなく、きらりさんも満足気に“バンザイ”をしながら高座を下りて行きました

お仲入りの後は可龍さんの二席目。
ライオンズブルーの羽織にはレオの紋も入っています。
まずは他にやる人がいないという神田松鯉先生の物真似を披露。
似てます!思わず拍手してしまうぐらい似ていました
続いて先日の高校生ドラフトで東京ヤクルトから指名された佐藤由規投手(仙台育英高)が記者会見で、夢が叶って涙を流した話から夢の噺ということで「天狗裁き」へ。
女房、隣家の男、大家、奉行にも夢の話をしなかった熊さんが天狗に助けられる場面は、通常だと“雲の上”という設定ですが、さすがに可龍さんは京王線沿線出身だけに『高尾山中』と表現していました。
以前は京王線の新宿西口改札前に大きな天狗の面が飾られていたぐらい『高尾の天狗』は有名で、可龍さんの上手さが際立った一席でした。

可龍さんや若手の噺家、講釈師を育てよう、楽しもうという趣旨がよく表れた会で、私も充足感を感じながら終演後は府中で途中下車して懐かしい街並みを歩いていました