東京では完全なコロナ終息が見通せないなか、恐る恐る学校再開に向けて動き出しています。埼玉の孫の1人が今年小学校に入学でしたが、6月になってなんとか二部制で登校が始まったようです。午前の部、午後の部と分けて子どもたちが3密にならないように分散登校しているのです。マスクをつけながら、不安を抱えて孤立せざるを得ない子どもたちの姿が目に浮かびます。子どもたちもかわいそうなのですが、教師たちも大変です。2回ずつ授業を組まなければならないからです。日本の小学校の学級児童数は40人が基本です。1年生だけ35人とは、先進国のありようとはほど遠い状態なのです。3密という言葉が作られましたが、昔も今も日本の学校は常に3密状態なのです。ヨーロッパは25人学級が普通ですから、少しの工夫で3密は避けられそうですが、日本ではそうはいかないのです。教育に税金を使わないでどこで浪費しているのでしょうか
教師たちの労働強化のこれから先が思いやられます。ほぼ全国で3月から5月まで休校が続いて、現場ではなんとか授業時数を確保しようとするでしょう。土曜日半日授業の復活や、夏冬春休みの短縮など、子どもと教師のからだと心のケアが大事になってきます。今までに経験したことがないパンデミックをなんとか乗り切ってほしいと願うばかりです。
私の出番の教育実習指導は学校が順調に機能し始めてからのことです。春に予定されていた教育実習はすべて秋に延期されることになりました。通常なら4週間ということですが、短縮も認められるということで、開始日も期間も各校まちまちということになりそうです。
そもそも教育は教師たちの存在にかかっています。教師は子どもに対応できる力と授業力と学級づくりの力量を持たなければならないのです。私は教師の卵たちの手助けにやりがいを感じています。学生たち、手ぐすねを引いて秋を待っていますよ。
学校の再開を待ち侘びているとき、次のような記事が目に飛び込んできました。私が非常勤講師として勤務する白梅学園大学の増田修治さんのある調査についてでした。増田さんは教育実習の責任者を務められてきた方です。記事は子どもたちの現在(いま)を映す調査です。
●学校現場に広がる「静かな荒れ」 増田・白梅学園大学教授、学級崩壊巡りアンケート
2020年6月1日 5時00分〔朝日デジタル〕
子どもたちが教員の指導に従わない、授業が成立しないといった「学級崩壊」について、増田修治・白梅学園大学教授(臨床教育学)が小学校教員らに実施したアンケート結果をまとめた。問題が顕在化した1998年の調査と同様の質問をしたところ、20年前と比べて「カッとなって手を出す子」は減った一方、「静かな荒れ」が学校現場で広がっている実態が浮かび上がった。(略)
同じ朝日新聞(2020年6月6日)に、日本保育学会、汐見稔幸会長の談話「『3密ありき』を見直そう」「家庭の育児 応援の役割も」が掲載されていました。汐見さんは前白梅学園大学学長で、日本演劇教育連盟のパンフにコメントを寄せていただいた方です。幼児教育の権威です。
最後に鎌田さんのコラムです。
◆新しい政治様式(愛と知性と品性の政治)
「密談、密謀、密約」の三密排除
鎌田 慧(ルポライター)
このまま無事にうまくいってほしい、それが共通の願いだ。
自粛から自重へ、とにかく第二波を軽く過ごしたい。
「新しい生活様式」賛成だ。
が、いま、もっと重要な課題は「新しい政治様式」。
なんとかならないか。
いつまで泥沼のように続くのか。調査で支持率急落。泥舟にしがみ
ついているのか、内部から変えろという声が聞こえてこない。昔はやや
紋切り型ながら「打倒」といったのだが、いまはそんな元気がないのが
残念だ。
「マスクして目は口ほどに話せない」(池田澄子)。作家の小沢
信男さんが紹介している句(「みすず」六月号)。
だが、蟄居(ちっきょ)して目だけきょろきょろさせていては世の中
変わらない。
そのマスクさえまだこない。10万円か着く前に斃死(へいし)しそう
な人がふえている。
「パッと不安が消える」と口封じを狙ったマスクが利権まみれ。
中小企業などへの「持続化給付金」は、本紙報道のように、電通や
パソナなど政権に近い大企業に委託された事実が、暴露されている。
「取り巻き優遇政治」の底は深そうだ。
新しい政治様式とは、密談、密謀、密約の三密排除。
愛と知性と品性の政治である。
いのちと生活防衛のために、米製兵器の爆買いはやめる。
永遠の未完が予測される、辺野古米軍基地建設(2兆5千億円)と
青森県の核燃料再処理工場(14兆円)はキッパリやめる。
(6月2日東京新聞朝刊21面「本音のコラム」より)
教師たちの労働強化のこれから先が思いやられます。ほぼ全国で3月から5月まで休校が続いて、現場ではなんとか授業時数を確保しようとするでしょう。土曜日半日授業の復活や、夏冬春休みの短縮など、子どもと教師のからだと心のケアが大事になってきます。今までに経験したことがないパンデミックをなんとか乗り切ってほしいと願うばかりです。
私の出番の教育実習指導は学校が順調に機能し始めてからのことです。春に予定されていた教育実習はすべて秋に延期されることになりました。通常なら4週間ということですが、短縮も認められるということで、開始日も期間も各校まちまちということになりそうです。
そもそも教育は教師たちの存在にかかっています。教師は子どもに対応できる力と授業力と学級づくりの力量を持たなければならないのです。私は教師の卵たちの手助けにやりがいを感じています。学生たち、手ぐすねを引いて秋を待っていますよ。
学校の再開を待ち侘びているとき、次のような記事が目に飛び込んできました。私が非常勤講師として勤務する白梅学園大学の増田修治さんのある調査についてでした。増田さんは教育実習の責任者を務められてきた方です。記事は子どもたちの現在(いま)を映す調査です。
●学校現場に広がる「静かな荒れ」 増田・白梅学園大学教授、学級崩壊巡りアンケート
2020年6月1日 5時00分〔朝日デジタル〕
子どもたちが教員の指導に従わない、授業が成立しないといった「学級崩壊」について、増田修治・白梅学園大学教授(臨床教育学)が小学校教員らに実施したアンケート結果をまとめた。問題が顕在化した1998年の調査と同様の質問をしたところ、20年前と比べて「カッとなって手を出す子」は減った一方、「静かな荒れ」が学校現場で広がっている実態が浮かび上がった。(略)
同じ朝日新聞(2020年6月6日)に、日本保育学会、汐見稔幸会長の談話「『3密ありき』を見直そう」「家庭の育児 応援の役割も」が掲載されていました。汐見さんは前白梅学園大学学長で、日本演劇教育連盟のパンフにコメントを寄せていただいた方です。幼児教育の権威です。
最後に鎌田さんのコラムです。
◆新しい政治様式(愛と知性と品性の政治)
「密談、密謀、密約」の三密排除
鎌田 慧(ルポライター)
このまま無事にうまくいってほしい、それが共通の願いだ。
自粛から自重へ、とにかく第二波を軽く過ごしたい。
「新しい生活様式」賛成だ。
が、いま、もっと重要な課題は「新しい政治様式」。
なんとかならないか。
いつまで泥沼のように続くのか。調査で支持率急落。泥舟にしがみ
ついているのか、内部から変えろという声が聞こえてこない。昔はやや
紋切り型ながら「打倒」といったのだが、いまはそんな元気がないのが
残念だ。
「マスクして目は口ほどに話せない」(池田澄子)。作家の小沢
信男さんが紹介している句(「みすず」六月号)。
だが、蟄居(ちっきょ)して目だけきょろきょろさせていては世の中
変わらない。
そのマスクさえまだこない。10万円か着く前に斃死(へいし)しそう
な人がふえている。
「パッと不安が消える」と口封じを狙ったマスクが利権まみれ。
中小企業などへの「持続化給付金」は、本紙報道のように、電通や
パソナなど政権に近い大企業に委託された事実が、暴露されている。
「取り巻き優遇政治」の底は深そうだ。
新しい政治様式とは、密談、密謀、密約の三密排除。
愛と知性と品性の政治である。
いのちと生活防衛のために、米製兵器の爆買いはやめる。
永遠の未完が予測される、辺野古米軍基地建設(2兆5千億円)と
青森県の核燃料再処理工場(14兆円)はキッパリやめる。
(6月2日東京新聞朝刊21面「本音のコラム」より)