後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔490〕5月3日の憲法記念日、4紙掲載の市民意見広告は日本国憲法を守り実践するものです。

2022年07月05日 | 市民運動
 ここ数年、市民意見広告運動に共感し、活動に参加しています。
 参加すると言っても、駅頭や地域で市民意見広告のチラシを配る程度ですが。
 先日、活動や会計報告、紙面別刷り、そしていつものように「市民の意見」という冊子が送られてきました。
 賛同者は11,432人、賛同金は31,629,341円。掲載紙は朝日新聞、読売新聞、沖縄タイムズ、琉球新報の4紙だったそうです。
 掲載された参加者名をマーカーで丁寧に辿ることは彼らとの連帯の証です。新しく知人の名を見つけて嬉しくなることもあります。





 今回紹介したいのは「市民の意見」という冊子です。隔月刊、年2,500円ですが、頒価は1部400円です。
 6月1日発行、191号の目次を紹介しておきます。海老坂武さん、永田浩三さん、田浪亜央恵さんなどの論考に刺激を受けました。田浪さんは東村山で秋津屋ラーメンを営んでいた田浪政博さんの娘さんです。政博さんの年賀状をこのブログで取り上げたことがありました。
 「田浪さんは開店10周年記念として、戦後すぐに発行された文部省が作成した『あたらしい憲法のはなし』を復刻出版したのです。東久留米九小の全校児童の前で東京大空襲の話をしていただいたこともありました。」(ブログ〔428〕より)

 元中学校教師で詩人の石川逸子さんが『三鷹事件 無実の死刑囚 竹内景助の詩と無念』(梨の木舎)を上梓されました。それを書評した松井隆志さんの結語「…戦後史を考える際には、『革新』側の過ちもその背景の一部をなしていたことを忘れるべきではないだろう。」も重く心に響きます。

◆ 無責任国家 鎌田慧(ルポライター)
                 
 米連邦最高裁が、人工妊娠中絶の権利を否定した。1973年にこの権利を
認めた最高裁判決を覆したのは、トランプ前大統領がリベラル派の判事を
外して、保守派を指名していたからだった。
 裁判所が「人権の砦」と言うよりも「権力の防波提」のようになってい
るのは、米国のことだけではない。被告にとって痛憤の最高裁決定は少な
くない。が、典型的なのは砂川裁判判決だった。
 59年3月、砂川基地反対闘争での逮捕者が一審の東京地裁で無罪判決と
なった。「米軍駐留は憲法第九条違反」とした伊達判決にたいしてマッカ
ーサー駐日米大使が藤山愛一郎外相と会い、最高裁に「跳躍上告」をする
よう促した。外国の大使が政府中枢に直接政治工作したのだが、同大使は
田中最高裁長官とも秘密協議を進めた。
 9か月後、最高裁は全員一致で、伊達判決破棄、米軍駐留合憲の逆転判
決をだした。日本の主権が疑われた判決だった。
 そして、現在只今、東電福島原発事故の被害者が国に損害賠償を求めた
 4件の集団訴訟で最高裁は「津波は想定外」として国の責任を免責した。
わたしは、原発建設時代から取材してきたのだが、自治体の首長たちは
「国が安全だ、といってますから」と推進してきた。
結局、誰も責任を取らなかった。いままた「原発の最大限利用」などと
いう。極限の「無責任国家」だ。
(6月28日東京新聞23面「本音のコラム」より)