腰越にお住まいの塚越敏雄さんから最新の「腰越九条ニュース」が届きました。彼らの活動にいつも励まされています。
●こんにちは。
昨日は、「19日行動」でしたね。鎌倉駅前では14人が参加しました。
「腰越九条ニュース」176号できましたので、お送りします。
塚越敏雄
◆「東北の鬼」
原発事故の責任と真実を明らかにして
その教訓をしっかりと伝承する
鎌田 慧(ルポライター)
「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」。
福島第一原発事故から半年後、10年前の9月、東京・明治公園での
「さようなら原発六万人大集会」。
福島から参加した武藤類子さんの言葉「鬼」に東北出身のわたしは
ハッとさせられた。蝦夷(エミシ)。
中央政府から「征伐」された民の後裔(こうえい)だが、普段は意識
していない。
武藤さんは原発事故によって、阿武隈山系の森の中での、自然と
ともに暮らしてきた生活を一瞬にして奪われた。その怒りを岩手県北上
地方の激しい踊りと祈りの「鬼剣舞」に託して発言した。
馬の尻尾でつくったたてがみを、頭に載せた鬼の踊りには、激しい
怒りばかりではない、悲しみと悔恨と絶望が入り交じっている。
最近、武藤さんが上梓した『10年後の福島からあなたへ』にはこう
書かれている。
「ますます困難を極める福島の中で冷静さと明晰(めいせき)さを
持ち、熟成した煥火(おきび)のような怒りを、私たちの生きる尊厳を
奪うもの、命を蔑ろにするものに対して、ぶつけていかなければ
なりません」
東京電力の刑事責任を問う「福島原発告訴団」の団長などで、
武藤さんは多忙な日々を送っている。
「原発事故の責任と真実を明らかにして、その教訓をしっかりと
伝承すること」。それが裁判の意味だが、原発はその存在自体に秘密と
不正が多すぎて、継承不能だ。
(3月16日東京新聞朝刊27面「本音のコラム」より)
●こんにちは。
昨日は、「19日行動」でしたね。鎌倉駅前では14人が参加しました。
「腰越九条ニュース」176号できましたので、お送りします。
塚越敏雄
◆「東北の鬼」
原発事故の責任と真実を明らかにして
その教訓をしっかりと伝承する
鎌田 慧(ルポライター)
「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」。
福島第一原発事故から半年後、10年前の9月、東京・明治公園での
「さようなら原発六万人大集会」。
福島から参加した武藤類子さんの言葉「鬼」に東北出身のわたしは
ハッとさせられた。蝦夷(エミシ)。
中央政府から「征伐」された民の後裔(こうえい)だが、普段は意識
していない。
武藤さんは原発事故によって、阿武隈山系の森の中での、自然と
ともに暮らしてきた生活を一瞬にして奪われた。その怒りを岩手県北上
地方の激しい踊りと祈りの「鬼剣舞」に託して発言した。
馬の尻尾でつくったたてがみを、頭に載せた鬼の踊りには、激しい
怒りばかりではない、悲しみと悔恨と絶望が入り交じっている。
最近、武藤さんが上梓した『10年後の福島からあなたへ』にはこう
書かれている。
「ますます困難を極める福島の中で冷静さと明晰(めいせき)さを
持ち、熟成した煥火(おきび)のような怒りを、私たちの生きる尊厳を
奪うもの、命を蔑ろにするものに対して、ぶつけていかなければ
なりません」
東京電力の刑事責任を問う「福島原発告訴団」の団長などで、
武藤さんは多忙な日々を送っている。
「原発事故の責任と真実を明らかにして、その教訓をしっかりと
伝承すること」。それが裁判の意味だが、原発はその存在自体に秘密と
不正が多すぎて、継承不能だ。
(3月16日東京新聞朝刊27面「本音のコラム」より)