エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

新宿御苑の季節感

2011年10月14日 | 日記
新宿御苑は都会のオアシスである。
それは本当である。

新宿御苑の管理門にほど近い、あるオフィスに所用があって出かけたのである。
公共交通機関だと、丸ノ内線・新宿御苑駅から徒歩三分ほどの場所である。



所用が済んだ後、御苑に行ったのだ。
十月桜が満開であることと、山茶花を見たいと思ったのである。



道すがら、杜鵑草(ほととぎす)が咲いていた。
実に前向きな花である。
花は常に上を向き上昇傾向を指し示すとともに、おひさまに顔を向けているのである。

ホトトギスの花言葉は「秘めた意思」である。
秋の季語である。


   静謐に身を沈めたり杜鵑草     野人




さて、目的の一つ十月桜である。
満開のいでたちで迎えてくれた。

ピンクと白の花弁が混じって、まことに結構なのである。



早々とお花見である。



時代の人は、こうした状態を「結構」と言ったのである。



現在人の結構という意味とは、ちょいと意味合いが違うのである。
もう一つ、そうした例を引くと「物見遊山」がある。

現在では単なる「遊び」といった意味合いであるけれど、時代の人は遊びは遊びでも「有意義であって楽しみ」といった意味合いである。
加えて、年に数度の「お出かけ」なのである。

お花見も物見遊山なのである。



御苑内を山茶花を探して歩いていると、一位の紅い実に出会った。
本当に、一粒だけ残っているのである。

可愛らしい実である。
この写真を撮ったあと、ぼくはこの実を啄ばんでしまった。
小鳥の気分で啄ばんだのである。

甘く、晩秋の味がした。



プラタナスの並木を過ぎ、薔薇の植え込みを横目に新宿門を過ぎると、やがて山茶花の樹が見えてくる。



山茶花である。
淡い色調の花弁が清楚な印象を与えてくれる。



季節は既に晩秋なのだと知らされる。



黄葉や紅葉は徐徐の進行だけれど、確実に色素が変わりつつあるのである。



だがしかし、ウメモドキは既に真っ赤な実を晒している。
鮮やかな赤である。

所用で伺ったオフィスで対応して頂いた女性の印象が、いきなり蘇ってきた。





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 荒野人


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