エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

枯木星

2017年02月05日 | ポエム
美しい晩冬の季語、である。
例えば「寒昴」と云っても良いのだけれど・・・。
星に、昇天を絞り込む場合は「枯木星」が優れて良い。



この空は、立春の日。
月が上にあって、下には金星が輝いている。

友人から連絡があって、ご主人がお亡くなりになられたとの事。
この夫婦は、剣道で結びついた。
道場で、竹刀を合わせつつ結ばれた。

仲睦まじい夫婦、であった。







「裂帛の気合の聞こゆ枯木星」







ぼくは、この夫婦をずっと遠くから見ていた。
彼女とは、職場を同じにしていた。
活発な女性であった。

愛情の豊かな女性であった。
星の瞬きが、枯木の向こうにある。
それがご主人、である。
まるで、天狼星のようにあるのだ。

彼女の、残された人生は剣の道を進む事で完結するのだろうか。
ぼくは、静かに見守っていたい。
拙句を御霊前に捧げる日が来る事を、願う。


     荒 野人




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