あだし野の念仏寺は、人の魂が静かに寄り添っているのかもしれない。
ここでは、現世の人は過去という次元に絡め取られるのかもしれないのだ。
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嵯峨野の化野(あだしの)にある念仏寺は、八千体にも上る石塔、石仏群が安置されている。
石仏群は、往古(おうこ)あだし野一帯に葬られた人々のお墓である。
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実に何とも言えないたたずまいである。
無縁仏となった往古の魂が、蹲(うずくま)っているようでもある。
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苔むした石塔が時間を超えてぼくに訴えてくる。
時空はぼくの中で弾けるのである。
弾けると、ぼくのベクトルは広大無限に交差し続ける。
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念仏寺を後にして山道を歩いた。
ぼくはあまりの辛さに空を見上げた。
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有るか無きかの隙間に青空が覗いた。
遊弋するぼくの魂はやっと現世に戻れたのである。
ぼくは「南無帰依仏」と唱えた。
不思議体験である。
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荒野人
ここでは、現世の人は過去という次元に絡め取られるのかもしれないのだ。
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嵯峨野の化野(あだしの)にある念仏寺は、八千体にも上る石塔、石仏群が安置されている。
石仏群は、往古(おうこ)あだし野一帯に葬られた人々のお墓である。
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実に何とも言えないたたずまいである。
無縁仏となった往古の魂が、蹲(うずくま)っているようでもある。
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苔むした石塔が時間を超えてぼくに訴えてくる。
時空はぼくの中で弾けるのである。
弾けると、ぼくのベクトルは広大無限に交差し続ける。
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念仏寺を後にして山道を歩いた。
ぼくはあまりの辛さに空を見上げた。
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有るか無きかの隙間に青空が覗いた。
遊弋するぼくの魂はやっと現世に戻れたのである。
ぼくは「南無帰依仏」と唱えた。
不思議体験である。
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荒野人