エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

再び碌山美術館

2011年08月16日 | 旅行
萩原守衛(号・碌山)の代表作は何と言っても「女」である。
ぼくは「文覚」とか「労働者」「抗夫」あるいは「デスペア」などの作品も大好きである。

碌山の作品には血が通っている。
その生き生きとした作品にのめり込んでしまうのである。



いま碌山美術館では9月4日まで、この展示会が行われている。
じっくり観るのには最適である。



第二展示棟である。
もちろん、700円の入館料金に特別展示への入場料も含まれている。



これは第一展示館である。
高村光太郎など、親交のあった作家の作品が展示されている。



高村の「手」はここに展示されているのである。
緊張に満ちた作品である。
この張り詰めたような緊張が好きである。

さて碌山美術館に戻ろう。



碌山美術館の横にはJR大糸線が走っている。
穂高駅が下車駅である。
美術館へは、穂高駅から7分の距離である。



駐車場から道一つ隔てた入口である。
かつては無かった広い駐車場である。



ぼくが訪ねたのは平日だったからであるけれど、隙すきの駐車場であった。



すだれで熱さを凌いでいる。
倉庫のようであった。



これは「デスペア(嘆く女)」である。

荻原守衛の制作した《文覚》《デスペア》《女》は、恋の三部作とも言われている。
心でしか結ばれない相馬黒光(こっこう)への、恋幕の苦悩のなかで《デスペア》は生まれたのである。

「女」は、黒光がモデルだとも言われているのである。
女の内面を抉るように表現したデスペアもまた、黒光がモデルであろうか。

とまれ、郷土の先輩であり碌山のパトロンでもある相馬愛蔵の妻・黒光を恋してしまった萩原碌山の苦悩が生んだ傑作である。



空は鮮やかであった。

文覚(もんがく、保延5年(1139年) - 建仁3年7月21日(1203年8月29日))は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士・真言宗の僧である。
所謂、北面の武士であったのである。



守衛の言葉を二つ紹介しよう。

「すべてのものを超えて自己を重んぜよ」
「精神の自由は人生最高の問題」

悲恋に生きた荻原碌山らしい、含蓄のある言葉である。
ぼくは新宿に行き、チャンスがあれば「中村屋」でカリーライスを食べるのが楽しい。

新宿・中村屋は相馬愛蔵と黒光が創業したのである。
萩原碌山、相馬黒光、愛蔵が交流したサロンでもあった。





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 荒野人


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