おくりびと--もっくん最高でした

チェロにはオンザロックが似合うと、飲めもしないのに用意だけさせて……
という歌詞と、同じイメージで某ウィスキーのＣＭが浮かんできてしまいます。
「おくりびと」は死者を送るための儀式のはじまり、納棺を手がける納棺士の物語。大切な人が死んでしまったことを未だ認めることのできない人たちの悲しみや怒り、複雑な思いを受け止め、死を共有する仕事でもあります。モントリオール映画祭のグランプリ受賞とのこと、映画祭については無知でしたが、納得のできるグランプリです。
チェロの奏でる切ないメロディが、人と人の出会いが織りなす人生そのものを奏でているような映画でした。
そして。本木雅弘演じる大悟くんが映画の中で語る「尊厳に満ちた、そしてなんと静謐な」（…だったと思います）という台詞そのものが映画評にあてはまります。
もっくん最高です。広末涼子さん、ありのままの透明度でよかったです。山崎努氏はいつもすばらしく、笹野高史氏は日本映画には欠かせない人なんですね。
人生は切なく、辛く、だけど暖かく、そして優しさに満ちているよと励まされます。
そして、おとうさんは、男の子にとって…人生の節目で乗り越えていく壁なんですね。

お月見は琵琶湖の上に高くかかる清廉な月でした