空の拳 | |
角田 光代 | |
日本経済新聞出版社 |
角田光代 著: 空の拳を
を、読みました。
コテコテの文学青年の空也は
文学にたずさわりたいという強い思いから
努力の末に、めでたく出版社に入社した。
特別な友人も作らず、必死で勉強し
スポーツなんかには目もくれずに生きてきた。
それなのに、空也が配属されたのは
同期も哀れむ、廃刊の噂さえある
ボクシング雑誌“ザ・拳”だった。
アスリートの対極にいる青年の目を通して描かれる、
ボクサーと、ボクシングにまつわる物語。
この作品は、角田初のスポーツ物です。
私も、高校時代厳しい競技スポーツの世界にいたので
アスリートの経験があるのですが、
主人公空也が、ボクシングの強力な引力に
抗えず、ドンドン引き込まれていった数年間ののち
そこを離れるとあっという間に
隔たりが出来、自分がそこにいこたことを
幻のように感じるのですが、
アスリートの世界って、自分達が思っているの以上に
現実離れしてるんだろうな。と思いました。
だからきっと、人は熱狂して、夢見る事が出来るのかも。
自分のアスリートの経験が
20年の時間経過とは関係なく
夢の中の出来事だったように思えるのは
そういう事なのかもしれないなと思いました。