天気

とっても涼しいです。
リリー・フランキー 作:東京タワー
~オカンとボクと、時々、オトン~
を、読みました。
この作品は、作者の実録小説です。
登場人物は、ほぼ実在で、タイトルどおりの3人の36年間を
“ぼく”つまりリリー・フランキーが、語る、
記憶が始る3歳頃から4年前までの、一家のお話です。
タイトルどおり、3人家族はほとんど一緒に暮らすことなく
生きて行きます。
福岡の片田舎、寂れた炭鉱町に生きたオカンは、自分の境遇など
哀れむ様子も見せず、ただひたすら一人息子に愛情を注ぎます。
いつも美味しい手料理を、食べれぬほど並べ。
わずかな収入の中から、物を買い与えます。
あるタレントさんの母親が言った言葉ですが、
「貴女には、最後の血の一滴まであげてもいい。」
この言葉を、そのまま体現した母親です。
優しくて、厳しくて、滑らかで、壮絶で・・・。と
読むほどに感動的なオカンですが、彼女をいつも輝かせているのは
明るく、元気で、陽気な(かなり福岡ん・ジョーク連発です)人柄です。
人間関係に対しても、美学が確立されており
それは、首尾一貫しています。
何が大切で、重要なのかそっとオカンが教えてくれる本です。
沢山の人が世の中にいて、それぞれ母親がいて、私もその一人ですが
これほどまでに、母親としてだけ人生を送れるものだろうかと
そう考えただけで、感動の作品でした。
また明日感想を書いたら、違う考えが浮かびそうな
読後も、しばらく余韻を味わってしまう、すごい本です。
マダムegホントよかった!ありがとう。