王妃の館〈上〉 集英社 このアイテムの詳細を見る |
天気 降りそうで降らない
浅田次郎 : 著 王妃の館
を読みました。
どうもこうもない日記のslightly-tightさんの、おススメのだったのですが。
やっぱ、間違いありませんでした。面白かったです。
作者、浅田次郎のイメージはぽっぽやで、なんだかおじさん臭そうな??
今に始ったことではないのですが、ベリーは食わず嫌いで
決め付けておりました・・・・次郎さん=おじさん臭い。
たしかに、おじさん臭いといえば、少々そのフシも感じられます。
随所に織り込まれた、オヤジギャクがその証拠です。
しかし、計算されています(たぶん)。いや、ギャクはオヤジギャクですが
ギャグが織り込まれるポイントというのが、お話の中に登場する、
もう一つのお話の中や、後にあるように思いました。
全体が、軽快に読めるよう、一定のリズムが損なわれないように
オヤジギャクを配してあるかのようです・・・・考えすぎかも知れません(笑)
さて、軽く内容を。
倒産の危機に瀕した旅行代理店が、怪しげなパリツアーを企画します。
題して、 【光:ネガ】ツアーと【陰:ポジ】ツアーです。
両方のツアーは10人に満たない、小さな団体で同じ飛行機で
旅立つのですが、決して出逢ってはいけない、 【光:ネガ】と【陰:ポジ】。
【光:ネガ】組みは、旅行代金158万円の大名旅行。
しかし、皆がお金持ちとは限らず、それぞれ旅行に参加した背景があります。
対して【陰:ポジ】は、旅行代金19万8千円の高くもないが決して、安くもない
一般ツアー。
彼らをひきつけたもの、それこそがシャトー・ドゥ・ラ・レーヌ
と呼ばれるホテル王妃の館です。
作中のホテルは、ツーリスト垂涎の最高級ホテルということになっていて
客を選ぶことで知られる、高名なホテル。
ここに滞在出来るということが、どちらのツアーの売りでもあるのです。
しかし、なぜ?こんなにも旅行代金が違うのでしょうか??
この二つのツアーに参加した、個々のエピソードと一緒に
もう一つ、この王妃の館で起こった昔話が
ストーリーをグングン進めていきます。
そして、登場するツアーのキャラは軽快で、まるで吉本新喜劇のよう。
しかし、さすがの直木賞作家。登場人物にハッとするような言葉を
語らせ、楽しいだけではない作品が出来上がっています。
それにしても楽しい物語で、読んでしまいたくなかったので、
途中2日ほどお休みを入れました。
とっても、面白かったです。次郎さんの違う作品も読んでみたくなりました。
slightly-tightさん、おススメありがとうございましたぁ~。