2022.04.24撮影
バンクーバーの身近なキイチゴ属(Rubus)の花では、このサーモンベリーの花が一番に咲きます。この花が咲くと春がやってきた、と感じます。地域や気温により前後しますが、だいたいは、最初にこのマジェンタの花が下向きに咲き、次に指貫ベリーの白く大きめの花が茎の頭にゆらゆらと咲き、最後にブラックベリーの花が上向きに密集してイヤというほど開きます。そうすると、ハチが大忙しになります。
指貫ベリーの実は、唇でそっと
ブラックベリーにはトゲがあったのだ
サーモンベリーは、学名 Rubus spectabilis「目を見張る(壮観な)キイチゴ」で、これは、この鮮やかな花の色からきているものと思われます。日本固有のバニバナイチゴ(Rubus vernus)とは、花の色も、葉の形状も、実の様子も似ていますが、別種とされます。
Rubus spectabilis(英文)
ベニバナイチゴ
英名(salmonberry)ですが、salmon は魚の「サケ」です。サーモンベリーがなぜサーモンベリーと呼ばれるか、というと、花の色をサケの身の色に見立てたのかな、と思うかもしれませんが、そうではなく、サケの卵(イクラ)の半透明の赤い色とぷつぷつした形と並びを、サーモンベリーの実に例えたのです。
イクラ
サーモンベリーの実
わたしは、サーモンベリーの実って美味しくない、と思っていたんですが、そういう話をしていたら、いやいや、美味しいよ、と言う人がいて、調べてみると、サーモンベリーの実の味は、当たり外れが大きそうなんです。いずれの日にか、そういう美味しいのに出会えますように。
サーモンベリーの茎は、赤っぽいことがあります。そして、葉は、特徴的に、ダンボールの中央の波状の部分のような段々がついていて、そのためか、アメリカ原住民の人々が、現代で言うところのペーパータオル、あるいは、テーブルナプキン、のように使ったそうです。今度ピクニックに出かけたら、野や山に自生しているので試してみます。あ、うちの庭にもあるんだった・・・