2022.05.06撮影
ヒメフウロ(姫風露 Geranium robertianum)です。フウロソウ属(Geranium)の種々の花の中でも、特に花が小さくかわいい、ということで「ヒメ(姫)」という名前なんでしょう。原産地は、ヨーロッパ、日本も含むアジアの一部、北アメリカ。
切れ込みの激しい柔らかい葉っぱもきれいなんですが、この画像では、花の右後ろに見えるだけです。葉っぱは下の方の画像でご覧ください。
花の真後ろから左手にかけての葉っぱは、ナツシロギク(夏白菊 Tanacetum parthenium)のものです。ナツシロギクの葉は、以下の記事の、最後の画像(八重のナツシロギク)でよく見ることができます。そして、そのナツシロギクの画像の右下には、ヒメフウロの花が1輪見えます。
ヒメフウロの花の大きさは、わたしは10ミリ〜12ミリが見慣れているのですが、英語版のWikipediaには8ミリ〜14ミリ、日本語版のWikipediaには2センチほど、と書いてあります。野草の草丈などは環境で大きく変わるので、これをもって異種であるとは言えないはずです。ヒメフウロの画像をもう1枚。
2022.05.25撮影
花だけを拡大してみます。合計4つの花が写っていますが、それぞれ、花の進み具合が違います。
2022.05.06撮影(冒頭の画像の拡大)
2022.05.25撮影(2番目の画像の拡大)
ヒメフウロは、一年草、あるいは、二年草、なんですが、次々とタネをばら撒いてくれるので、しょっちゅうあるように見え、多年草か? と見紛うほどです。とにかく、寒い時以外は、庭からなくなることはありません! 庭のどっかには生えています。
葉っぱは縁が赤みがかっていることが多いです。そして、個体が老いてくると、葉も軸も赤くなります。以下の画像は、赤くなり出したところ。
2022.08.20撮影
もっと赤くなった葉のある個体群は、以下。
2022.08.20撮影
若い葉はサラダに入れて食べられるそうで、葉を摘み続けていると、新しい葉がどんどん出てくるそうです。これは、わたしが実際にして試したわけではないので、事実かどうかはわかりません。
Herb Robert
Geranium robertianum(英文)
また、ヒメフウロは、薬用にもされます。以下は研究論文(英文)のひとつです。
ヒメフウロは、北米大陸の西海岸(特に、アメリカ合衆国のワシントン州、オレゴン州)では、侵害種として認識されており、以下のような撲滅を熱烈に訴えるチラシも出ています。これは、アメリカ、ワシントン州のメイソン郡のものですが、メイソン郡は、お隣のキング郡からこのチラシを譲り受けた、と書いてあります。
Herb Robert(英名)
Geranium robertianum(学名)
Non-Designated Noxious Weed: Control Recommended(英文)
でも、日本語版のWikipediaには、ヒメフウロは絶滅危惧種だ、と書いてある・・・その地にあるのが「自然」かどうか、で、侵害種か絶滅危惧種かに分かれるんですね・・・
ヒメフウロ
日本語版のWikipediaからかいつまんで簡略引用すると、
> アジア、ヨーロッパ、北アメリカなどの北半球の温帯域に広く分布
> 日本では、伊吹山、鈴鹿山脈北部の霊仙山など、養老山地北部、
> 四国剣山、石立山の一部地域のみに分布
> 以下の都道府県で、レッドリストの指定
> 絶滅危惧 Ⅰ 類 - 徳島県
> 絶滅危惧 II 類 - 岐阜県、三重県、高知県
> 伊吹(岐阜)県立自然公園の特別地域内において採取禁止
その一方、園芸種が
> 北海道と本州で帰化しているのが確認されていて
> 北海道でブルーリスト(カテゴリーA)の指定を受けている
北海道のブルーリスト、つまり、「はびこりすぎて困っている野生種のリスト」、については、以下をご覧ください。