2022.04.04撮影
日本からバンクーバーに帰ってきました。本日よりブログを再開したいと思います。帰国前にご案内しましたとおり、しばらく、ヘレボルス属(Helleborus)について書いてみます。
うちには、ヘレボルス属の植物がたくさんあります。
そのうち、冒頭の画像のヘレボルスは、 Helleborus argutifolius で、この学名をカタカナにすると、ヘレボルス・アルグティフォリウスとなります。
学名 Helleborus argutifolius「鋭い歯のついた葉のヘレボルス」
英名 Corsican hellebore「コルシカのヘレボルス」
和名 ヘレボルス・アルグティフォリウス
キンポウゲ科(Ranunculaceae)ヘレボルス属(Helleborus)
原産 コルシカ、サルディニア
Helleborus argutifolius(英文+画像)
全草の姿を、次の画像でお確かめください。
Helleborus argutifolius(ヘレボルス・アルグティフォリウス)
撮影者: Tigerente
撮影日:2005.05.23
オリジナルからの改変、なし
特徴は、
・黄緑色、あるいは、白っぽい緑色の花
・茎が土から出、その茎から葉柄、花柄が出る【有茎種】
・常緑
・葉は3裂し、小葉の縁に鋭い歯がある
上の画像中、花の内側にふくれたものが見えますが、それは、タネのサヤです。
そして、今、「花」と書きましたが、実は、その「花」の「花びら」のように見えるものは、ガクです。これは、ヘレボルス属すべてについて言えることです。
では、本物の花びらはどこへ行ったか、というと、次の画像をご覧ください。
2022.04.06撮影
「花びら」のように見えるガクの根本部分にちっちゃいものがぴこぴこぴこと出ていますよね。それが花弁で、蜜腺に変化したものです。ここに虫たちが訪れます。
ここまでの画像のうち、花が大写しの画像2枚(直前の画像と冒頭の画像)をお比べください。オシベの数で見ると、直前の画像の方が、冒頭の画像より、少ないです。これは、直前の画像の花の方が、花が開いてから日数が経っている、ということです。
次の画像では、開いた花が3つ、下方にツボミがひとつ見えます。右上の花は、オシベも蜜腺も落ちた後で、タネが形成されつつあります。メシベの根本のややふくらんでいるところが、タネのサヤになります(ふたつ前の画像のように)。
下の画像中、左上の花はまだ開いてあまり日数の経っていない花です。オシベがたくさんついていますから。同じく画像中の、下にうつむいている花も、オシベの先につく葯(ヤク)がのぞいて見えますから、新しい花です。
2022.04.10撮影
うちには、元々は、ヘレボルス・アルグティフォリウスは1株しかなかったのですが、今では、何本あるか数えるのを諦めました。花の色がやや異なるのがあるので、自家受粉しているだけでなく、ご近所に植わっているアルグティフォリウスさんたちとも仲良ししているのかもしれません。
このヘレボルスは、強靭な植物です。小さいのは掘り起こして人様にもらっていただくか、コンポスト行きとなります。でも、大きいのは、掘り起こせるなんて代物ではありません。
掘り起こせないほど確立した個体は、花が終わったら、その直径2〜4センチにもなる茎を根元から切ります。切りとったものは、花材にすることもできます。切ったあとからは、新たに根本から元気な芽が必ず吹いてきます。ありがとうございます。
花が終わったのをすぐに切ればいいのですが、「花びら」(実は、ガク)がそのままでタネのサヤのついた姿も美しいので、つい、残しておくことになります。すると、タネができ、拡散し、実生が生え出す・・・
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