Papilio xuthus(ナミアゲハ)
撮影者:Laitche
撮影日:2008.08.13
パブリックドメイン
今日は、昨日からのつづきで、ナミアゲハです。成虫だけでなく、卵と幼虫についても。
ただ、成虫の方は、わたしの「ナミ」以下の画像をこれ以上お見せするわけにはいかないので、今日は、Wikipediaの美しい画像(そのうち2枚はパブリックドメイン!)を借りてきました。
いっしょに写っている花は、ランタナです。ランタナ(Lantana camara)は、国際自然保護連合の定めた「世界の侵略的外来種ワースト100」のひとつだそうです。
世界の侵略的外来種ワースト100
学名 Lantana camara
和名 シチヘンゲ(七変化)
別名 ランタナ(学名の属名から)
クマツヅラ科(Verbenaceae)シチヘンゲ属(Lantana)
Papilio xuthus(ナミアゲハ)
撮影者:Laitche
撮影日:2008.08.13
パブリックドメイン
ナミアゲハの名称をもう一度確認しておきます。原産地をつけ加えます。
学名 Papilio xuthus
英名 Asian swallowtail「アジアのアゲハチョウ」
和名 ナミアゲハ(並揚羽)
別名 アゲハチョウ(並揚羽蝶)
別名 アゲハ(揚羽)
アゲハチョウ科(Papilionidae)アゲハチョウ属(Papilio)
原産 日本全国、台湾、中国、朝鮮半島、等
和名の「アゲハ」というのがどういう語源かしかとは分かりませんが、「ナミ」は「普通の」という意味の「並」と取っていいですよね。ナミアゲハは、アゲハチョウの代表のように感じられませんか?
実際、「アゲハチョウ」と言えば、ナミアゲハのことを指したりします。小・中学校の理科では、ナミアゲハを単に「アゲハ」と呼ぶそうです。(そう言えば、そうだったか? と昔日のことを思い出してみる・・・)
ナミアゲハ
Papilio xuthus(ナミアゲハ)
撮影者:Daiju Azuma
撮影日:2007.04.22
オリジナルからの改変、なし
英語の名前も見てみると、Asian swallowtail「アジアのアゲハチョウ」と、原産地を示す「アジアの」というのがついています。Swallowtail というのは、「ツバメのしっぽ」で、アゲハチョウ類の後ろ羽につく突起に注目した命名です。でも、すべての「アゲハチョウ」にこの「しっぽ」があるわけではありません。
Papilio xuthus(英文+画像)
Swallowtail butterfly(英文+画像)
帰省中、実家の庭には、ナミアゲハがたくさんやってきました。主にはオカトラノオのミツを吸っているようでしたが、あるとき、1頭が、サンショウの周りを飛び回り、腹部の先(つまり、お尻)を近づけて、何やらしているもよう。これは産卵に違いないと思いました。
それで、そのサンショウを検分。それが、次の画像です。雨が降った後に撮影したので、葉っぱがてかてかしていますが、ご容赦を。
2023.06.04撮影
この真珠のちっちゃいみたいなの、卵じゃない?
画像中では、右に出た複葉(ふくよう)の下から3番目の小葉(しょうよう)に4粒、その下の小葉に1粒。さらに、上に出た複葉の、上から数枚目の小葉の葉軸(ようじく)寄りに1粒。(複葉、小葉、葉軸、については、以下の記事などをどうぞ。)
複葉
以下に卵(と思われるもの)を拡大してみました。
2023.06.04撮影
このサンショウの木の、他の部分も見てみました。すると、卵がもう1粒上の方に、そして、葉っぱの虫に食われたようなあとがあちこちに。ということは、幼虫が住んでいるのか? あるいは、いたのか?
でも、幼虫やサナギを見つけることはできませんでした。
と、思ったんですが、
画像を見て初めて気づいたことがあります。肉眼で見たときには、なんかくっついている、程度でやり過ごしていたのですが、写真で見てみると、どう見ても、幼虫であるようにしか見えない。
先の画像をもう一度ご覧ください。
卵の複数ついた複葉の手前側の一番下の小葉に、鳥のフンみたいなものがありますね? これ、
・形(一方がやや太い)
・色(黒っぽい)
・模様(体の途中が白っぽい)
から、何齢かはわかりませんが、若齢幼虫だと思います。終齢幼虫なら、黄緑です。
以下に拡大してみます。つの、つの、っとしているのも身体中に見えます。
2023.06.04撮影
アゲハと言えば、わたしには、小学校のときの思い出があります。3年生か4年生のときのことで、先生に、校庭のどこそこにミカンの木がある、そこへ行って、おもしろいものが見つかるから、見てきなさい、と言われたんです、見つけてのお楽しみ、みたいな感じで。
それで、数人で昼休みに校庭の植え込みまで歩いて行きました。
行ってみると、緑のでっかい青虫がいる!!! みんな女の子たち(いまさらですが、「自己紹介」しますと、わたしは女性です)でしたが、大喜び。女の子はおしなべて虫嫌い、ってわけじゃないのよ。それから毎日観察に出かけました。
そのうち緑の青虫は行方不明になり(サナギになったんでしょう)、代わりに、ミカンの木に、鳥のフンみたいな、芋虫か、毛虫か、訳のわからないものがくっついていて、女の子たちは失望したものです。
先生が、幼虫は変化していく、これは新しく生まれた幼虫、卵は見つからなかったかな? と教えてくださったのですが、わたしたちは、緑のコロコロしたのを喜んで見ていたので、黒いのに白のバンドのついたのは、受け入れ難かったんです。
ただ、ナミアゲハの卵がミカンの木の葉に産みつけられ、幼虫はミカンの木の葉を食べて成長する、ということは、しっかり学習しました。
ということは、これらの卵(らしきもの)がナミアゲハの卵なら、サンショウの木は、ミカン科であることになります。そして、サンショウの木は、実際、ミカン科です。
学名 Zanthoxylum piperitum
和名 サンショウ(山椒)
別名 ハジカミ
ミカン科(Rutaceae)サンショウ属(Zanthoxylum)
それで、これら、ナミアゲハの卵(と思われるもの)は、どうなったか? ナミアゲハの卵は5日〜1週間ほどで孵化するそうなんですが、何も起こりませんでした。
ただ、4粒並んでいたのが、3粒に減っていました。何らかの理由で落ちたか、あるいは、孵化して、幼虫が自分の卵の殻を食べたか、でしょうか。
生命だけは助けてやるーと、いうことですねえ。